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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
俺達の国を造ろう
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堀とポーションとマジックアイテム

 街に戻るとさっそく堀を作ることにした。建築系の資格は多い・・・当然、俺も多くの建築系の資格を取得したものだ・・・。建築スキルは、建物を作る際に便利なスキルで、材料とMPさえあれば体育館くらいの建物でもイメージすれば作ることが可能だ。以前はMPが不足していて制限があったが、レベルが上がった今なら問題はない。土木スキルは、地ならしや穴掘りと言った作業がMPを消費することで可能となる。レベル10の土木スキルと膨大なMPがあれば、重機を使うよりも早く作業ができる。減ったMPは、MP回復ポーションを飲めば回復するので、作業の継続も可能だ。むしろ、ポーション腹にならないかが心配だ。


「さて、始めますか」


 街の北側に農作業用に使えるため池を作っていたのでそのため池の側から穴を掘りはじめる。幅と深さ7mに設定する。7mの堀に5mの外壁があれば近づくこともできなくなるからな。

 スキルを使いどんどん穴を掘っていく・・・豊富に湧き出す水が追いつかないほどの足で堀ができていく。そびえたつ山脈から湧き出す水に限りはないだろうし・・・時間が経てば堀は豊かな水で覆われるだろう。掘った穴の壁面は、簡単に崩れないようにイメージして作っているので内部も丈夫になっている。

 街の北側から東側へ掘り始め1時間が経過すると東門までたどりついた。予想よりも早く作業が進んでいるな・・・MP回復ポーションを使って・・・あれ?四次元ポケットにポーションがない。

 そういえば、最近使う事はあっても作っていなかったな・・・。


 工事を一端中断し、MP回復ポーションを作る事にする。必要な材料はまだまだストックがあるのでスキルで作るだけだ・・・これにもMPが必要になる。

 作るそばからポーションを飲み、またポーションを作る。減るMPより増えるポーションの方が多いが、すでに俺の腹の中は、ポーションでいっぱいだ。

 さすがにポーションをこれ以上は飲みたくないと思うところまで頑張って今日の作業を終えた。結局、作業は予定より進まなかった。


 仕方なく家に帰りメグミの料理を食べて寝ることにした。


 翌朝、打ち合わせ会議に行くが、エルフ族の中で意見がまとまっていないと言う事で話しが進まなかった。どうにも兄妹でも意見が合わないらしい。他のエルフたちは、老エルフの孫をリーダーとすることには、賛成しているが、兄派と妹派にわかれているようだ。

 時間がかかるかもしれないな・・・。


 そして、会議の後は、昨日の続きを始める。東門の前を堀にして門を改造・・・跳ね橋を作る。中から操作可能でわずかの時間で橋は門の手前に引き上げられる構造にした。橋の素材も奮発し腐敗の魔法を付与しておいた。

 さて、南に作業を続けよう。スキルを使いながらポーションを飲む、昨日はポーション作りで終わったが、おかげで当面必要な数を用意することができたからよしとしよう。ぎりぎりの戦闘中に気がつくのでなくてよかった。

 昼ころには、南門まで堀を作ることができたので南門にも跳ね橋を設置して、今日の作業を終えた。作業を見に子供たちが来ていたが、落ちたら危ないので注意した。


 帰宅途中にリル達が店を始める準備をしていたので、声をかける。


「どうだ?順調か?」


「あ、王様!」


「何か困っている事はないか?」


「ミールを使って色々と売買しようと思っているんだけど、まだおつりとかを計算したり用意したりするほどミールがないからどうしようかって話しをしていたの」


「そうだな~流通し始めてまだ日が浅いからな。そうだ・・・ちょっとまってくれ」


 四次元ポケットからマジックアイテムを出す。


「これって?」


「ああ、これは両替機だ。そのうち必要だと思って作っておいたんだ。魔石で動くんだが、大きなミール銀貨を小さいミール銀貨に両替することができるようにしてある」


「両替って1000ミール銀貨を500ミール銀貨2枚にしてくれるとかよね?」


「そうだ。例えば700ミールで売っているものを買いに来た人が1000ミール銀貨で支払うと300ミール銀貨のおつりが必要だろう?店に100ミール銀貨が3枚あればいいが、ないとおつりを渡せないからな」


「そうだよね・・・10000ミール銀貨しかない人が、100ミールの物を買ったらおつりが9900ミールもいるんだもんね」


 理解が早いな


「そのうち街のあちこちにこの両替機を置くつもりだけど、しばらく店の横においておくから使ってくれ」


「そんなとこに置いて大丈夫なの?とられちゃったりしない?」


「そこは抜かりない。付与魔法で防犯装置をつけているからな。俺が許可しないものが持ち出そうとすると大きな警報がなるようになっている。警報が鳴ったらみんな気がつくし、鍵がなければミールは簡単に出すことができないように作ってあるからな」


「さすが王様ね・・・ありがとう。うまく使わせてもらうわ」


「みんな店ができる事を楽しみしているからな。あと、店で出す素材を少し預けておくよ。売り上げはもらうが、売れた金額の1割を手数料に支払うから」


「手数料?」


「ああ。委託販売ってやつだな。店に売りたい商品を置いてもらい売ってもらうかわりに売り上げの1割を店に支払うんだよ。売り手もいちいち買い手を探す時間がいらなくなるから。今日俺は、フォレストブルの肉を100kg預けるからそれを1kg500ミールで売ってくれ。全部売れれば?」


「50000ミールね」


「ああ。だから全部売れたら手数料として5000ミールを君たちに支払おう」


「それが、委託販売ね・・・」


「そうだね。こんな形で売り手と買い手に交渉しても良いと思うよ。但し、誰がみても高すぎたりすると誰も買わないから値段の付け方が難しいから勉強が必要だね」


 計算もできるし彼女たちは頭の回転が速いな


「あ、私・・・閃いたよ。ここで注文を取っておけば、服でも雑貨でも作る人に依頼しやすくならない?」


 リルがアイディアを出す。


「そうね・・・ここに来ればいつでも欲しい物が買えるようになれば便利だし、作る人も何を作れば売れるのかを知れば効率もいいわ。私達が、ここで売買を取りまとめていけばいいのね」


 仲間たちも考え始める。良い傾向だな。


「細かい事は、皆で相談していくといいよ。また、何かあったら相談してくれていいから」


 リル達に助言を終えると自宅に戻る。休憩しながらメグミと過ごし、マジックアイテムを幾つか作って床についた。


 翌朝の会議室にラムセルの姿がない。妹のアリヒアの話しでは、うまく話しがまとまらず苦労しているとのことだった。


「さすがにこれ以上時間をかけても良い結果はでないだろう?」


「申し訳ありません・・・私は、この街のルールに従う事に依存はないのですが、どうしても納得できないと言う方が多くて・・・」


 アリヒアは、頭を下げる。


「エルフの皆さんの誇りは、理解しますが・・・」


 少し間をおいて思い切ったようにアリヒアは話し始める。


「兄は・・・まだ整理できていないのだと思います。私達の父は、祖父のように種族の優位性を強く唱える性格だったので・・・その影響が強いのだと思います。その父は、私がまだ小さいころに他種族とのいざこざで命を落としてしまい・・・それから祖父も兄も一層、他の種族の方のことを嫌うようになりました。ドラゴンの事でタクミ様達が、村にいらしたときもあくまで神狼様を立ててタクミ様達の事は、どこか冷めた目で祖父や兄は見ていたのかもしれません」


 他種族を一括りにしての逆恨みか・・・肉親を失うとこうも周囲の事が見えなくなるものなのか。何かのせいにしなければ息子や父の死を受け入れられないと言うことだな。


「あ・・・ですが、すべてのエルフが同じ考えと言うわけではありません。ドラゴンの時も今もそうですが、タクミ様をはじめ皆さまに感謝している者も多いのです。これから先、私達は大きな選択をしなければなりません。種族が永らえるためにこそ皆さんとの・・・「その辺にしておけアリヒア」


「兄様!」


 ラムセルが会議室に入ってくるなり妹を静止する。


「それでエルフたちは、どうするつもりだ」


 答えは大方想像できるが、一応確認しておくか


「我らは、ここを出る事にした」


「兄様、それでは・・・」


「黙れ、我らの尊厳を貶める事は妹でも許さん」


「でも・・・」


 アリヒアも食い下がるが・・・


「もう決めた事だ。ここに残りたい者は勝手にするがいい・・・その代り2度と同じ種族だとも認めんからな覚悟して決めることだ」


「み、皆はそれで納得するのですか?」


「納得するかしないかなど関係ない。俺と共に進むかどうかだ」


 すでに子供の喧嘩だな・・・意地を通す事がそれほど重要か?


「では・・では・・・私はここに残ります」


「なっ・・・ふざけるなお前は、誇りあるエルフの長の直系なのだぞ。だめに決まっているだろう」


「いえ。私は、ここに残ります。長の直系であるからこそ自分たちの繁栄のためにすべてを受け入れ、ここで暮らす道を選びます」


「そ、そんなことが・・・」


 想像していなかったのだろうな。こんな無理を通してもまだ妹がついてくると妄信していた・・・。このタイプは仲間を危険にさらすだろう。

 アリヒアには悪いが・・・


『少し待ってくれないか?タクミ』


『ホクトか・・・この状況で何かできるのか?』


『まあ、一応神狼だからね・・・』


『なら任せる。その代り、このことで誰かが迷惑をこうむるのは認めないからな』


『わかっているよ』


 ホクトに何か考えがあるのだろう。会議室にホクトの姿が現れる。


「し、神狼様・・・」


『2人ともついておいで』


 念話でホクトは兄妹を誘う・・・言われるがままに2人はホクトの後をついていく。


「さて、今日の会議はここまでだな。俺は堀の続きを作るつもりだ。ロドス達は、引き続き警戒と訓練を続けてくれ。カイル(猫族のリーダー)達も警戒訓練を続けてくれ」


 会議を終えると俺は再び、堀を作る作業を再開する。


 ホクトのお手並み拝見といこう。











 

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