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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺に優しい街でした

「おい!兄ちゃん」


 後ろから男に声をかけられた・・・。


「はい、どうされました?」


 俺は、一応紳士に答える。それにしても・・・毛皮装備か・・・原始人かと思ったよ・・・。


「あー。驚かせて悪いな、別に脅したいわけじゃないんだが、一応先輩としてな。街の東の森な、クエストでけっこう行く奴が多いんだが、あそこには最近オークが住み着いてるようだから、あんまり近づかない方がいいぞ」


 俺が、来たの東の森だから、すでに会ってるよなオーク・・・。でも、先輩はやけに親切だね。


「ご助言ありがとうございます。東の森には近づかないように注意しますね」


 ぺこりと頭を下げる。先輩も満足そうだ。一件落着と・・・。さて、忘れそうだから、門番の強面兄ちゃんのとこへ行かなきゃな・・・。

 俺は、ギルドを後にした。


「すみません」


 俺は、門のとこで、強面兄ちゃんに声をかける。


「ああ、さっきの奴か。身分証明書は、できたのか?」


「はい、お蔭様で、こちらです」


 カードを見せる。ちなみにこのカード無料だった。何でも国が冒険者を推奨しているから登録時のカード代金は税金から出るそうだ。そのかわり、魔物を頑張って狩るように言われた。


「よし、いいぞ。後、クエストはあんまり難易度の高いのはやめておけよ。命あってのものだからな」


 いや、なんだろう。この街の人は、やたらと親切だな。


「あ、お前、今日の宿は決めたのか?もうすぐ、日も暮れるから早く決めないと寝るとこ無くなるぞ」


 おお、それは困るなぁ。


「はい、さっそく探してきます」


「決めてないなら、そこの角曲がってつきあたりに、宿屋あるからそこにしときな。値段もそこそこだ。あと、どこかで、両替もしておけよ」


「はい、いろいろとありがとうございます」


「ああ、良いって事よ」


 ほんとにいい人ばかりだなぁ。


 さて、宿屋行くまでに両替しないと。なにか買えばいいか・・・。丁度良いものないかな?

 お、武器屋っぽい店を発見。剣やら槍やら色々並べてあるな。少し見てくか。


「すいません何か安い武器ってありませんか?」


 背の低いおじさん。あー、ドワーフだね、確か鍛冶が得意な種族。うん?うわっ酒臭いぞこのドワーフ。仕事中から飲んでるのかよ・・・。ドワーフのおっさんは振り向くと


「なんだ~?安い武器だと?ああーそれなら檜の杖か、棍棒だな・・・。後は、鉄のナイフくらいか?これと、これと、これなら、どれでも銀貨30枚でいいぞ」


 しょぼいな・・・そのくせ高い。両替目的ついでだし、俺、素手でも問題ないのだけど・・・。何かに使えるだろうナイフが便利かもな・・・。


「鉄のナイフをもらいます」


「あいよ、まいどあり」


 俺は、鉄のナイフを手に入れた。金貨で払ってお釣りを銀貨で手に入れた。残り銀貨70枚。お金の価値がいまいちわからんな。銀貨1枚1万円くらいかな?物価が見えん・・・。金貨が使いにくいだろこれ・・・


 さて、次は宿屋だな。強面兄ちゃんに言われた宿屋まで来て、宿泊の手続きをする。優しいおばちゃんに、宿泊を依頼し、そこそこうまい晩御飯をいただく。ふむ、悪くないな・・・。しかも、この宿には風呂があったので、初日からさっぱりする事ができた。1泊銀貨1枚とのこと夕食と朝食がついていた。鉄のナイフの代金おかしくないかこれ・・・


 俺にとって・・・良い街・・・何だけど・・・何か物足りないな。



 翌朝・・・


 少々硬いベッドに少々重い布団・・・そして少々お疲れの俺。肩やら腰やらが痛いな。ぐるぐると肩を回して軽くストレッチしよう。羽根布団とスプリングの効いたベッドが欲しいな。


「よっと!」


 身体の隅々まで動かして、最後に深呼吸する。


「はーあっと!」


 さあ、今日も情報収集だな。この世界でどの程度、生活できるか検証だ。スキルも使いようだしな。ではさっそく冒険者ギルドへ参りますか。


「いってきまーす」


 宿屋の優しいおばちゃんに3日分の宿代を前払いし、俺は冒険者ギルドへ向かった。街では、昨日から今日まで人族以外は、ドワーフの酔っ払いを見ただけだ。なんか、獣人とかとも敵対してるようだしな。


 俺は、ようやく冒険者ギルドに到着、宿屋から時間にして10分くらいか?。たくさんの人が冒険者ギルド内で、クエストの受注をしていた。俺も受付へ向かう。


「えっと。クエストを受けたいのと、少し教えてほしいことがあります」


 しっかりした女性の受付だ。昨日とは別の人だな。


「はい、わかりました。まずは、ギルドカードを確認させてください。えっと10級ですね。10級では、森での薬草類の採取、鉱山での鉱石採掘、街の周囲に出る魔物の駆除が中心です。スライムやゴブリンならタクミさんでも駆除可能と思います。」


「どうしようかな。では、鉱山での採掘に挑戦してみます」


 試したいこともあるので鉱山を選ぶ。まあ、俺ならどこでも行けそうだけどね・・・。


「はい、わかりました。こちらは、常時依頼となっています。期限はありません。鉱山で見つけた鉱石によって買い取り価格が違います。こちらの資料を参考にしてください。希少な鉱石ほど高額になります。鉱石の買い取り金額に応じて、ギルドポイントが付くことになっています。また、鉱山には、時々魔物が出ますので注意くださいね。危ないと思ったら近寄らないが鉄則です。採掘に夢中になって後ろからってこともありますからね。あと・・・あまりうまみのないクエストですよ」


 ふむ覚えておこう。


「あ、俺は、こう言うものを使えるんだけど?」


 今後の事も考えて四次元ポケットを見せてみる。受付のお姉さんの反応によっては、とんずらしよう。


「あ、すごいですね。異空間収納系スキルですか。なるほど、それで、鉱石採掘クエストですか。異空間収納スキルは、内容量が少ないポケットやカバンならそこそこ持っている方がいますが、大容量のものならそれだけで一生食べていけると言う優良スキルです。鉱石の採掘にも最適ですね。ちなみに容量はどのくらいなんですか?」


 なるほど。収納系スキルは、そこそこ持っている奴がいるのか・・・ただし、大容量は稀と・・・。俺のは、大容量というか無限に入るからな・・・。オプション付きだし。低レベルのうちは、悪目立ちはしたくないけど、買い取りしてもらうためにも、ある程度は容量がある事を言っておかないと大量に持ち込んだときに怪しまれるからな。


「えっと、そこそこの量は入りますよ。俺の自慢ですからね」


 少し、ぼやかして言っておこう。


「はい。登録時に記載されなかったようですが、冒険者の皆さんの秘密は守りますので安心してくださいね。ただ、スキルによっては、指名依頼をもらえることにも繋がるので、本人の希望があれば、所持スキルを公開することもできます。異空間収納スキルは、指名される機会が多いですよ」


 なるほど。そういう考えもあるか。まー当面は色々自由にしたいし、伏せておくか。


「スキルの公表の件は、そのうち考えてみますね。それと指名依頼って断れるんですか?」


「はい、拒否しても問題ないですし、命令されることもありません。通常よりもポイントや報酬が良いくらいで冒険者の方にそれほどデメリットはありません。知られて困るのは、切り札となるような戦闘系のスキルとかだと思います」


 そうだな。相手に得意な武器や戦闘スキルがばれたら対策とられるもんな~。近接戦闘が得意な奴ならひたすら遠距離から攻撃するとか。


「でも、持っているスキルってばれますよね?」


「そうですね~、人物鑑定スキルを持っていても、スキルレベルが高くならないと相手のスキルまでは、見れませんから・・・それほど気にしなくてもいいのでは?。どうしても心配なら、隠蔽スキルでスキルを隠すと言う方法もあります」


 そんな手段もあるか。対人戦とかどれくらいあるんだろなこの先・・・。まあ、その辺は今後の宿題とするか。


「あと、鉱山の場所までは、どのくらい距離があるんですか?」


「そうですね~。歩いて半日ってとこでしょうかね」


 結構距離があるな。日帰りは難しいか。まあ、その辺はいろいろと考えましょう。失敗したな・・・宿屋が無駄になりそうだ。


「では、準備して行ってきます。いろいろ教えていただきありがとうございました」


 さて、出かける準備をするか。冒険者ギルド内には、冒険に必要な消耗品が売られている。俺は、そこで「9級MPポーション3つと水筒を5個。寝袋をどうしようか迷ったが、一応購入した。全部で銀貨50枚したので、ほとんどのお金がなくなった。少し稼がないとな・・・。ちなみにポーション系も1~10級まであり、価格と効果は、数字が小さくなるほど高い。


 四次元ポケットがあるから水は水筒に入れておけばいいだろう。ポケット内には、時間の概念がないとのことで腐ったり劣化したりしない。欠点は、俺が死んだら二度と開くことがない事だが、俺にとってデメリットにはなることはない。荷物を全部ポケットに入れて活動できるから旅も楽だ。運送業だけでも十分食べていけるな俺・・・。


 それでは、鉱山まで手ぶらでぶらり旅と参りましょう。



 宿屋のおばちゃんには事情を説明したらお金を返してくれました。

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