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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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エルフの村

 エルフの男達に案内される形でタクミ達は、森を進んだ。1人のエルフの男が村に先行し事情を伝えておくと言っていたためか途中で数人のエルフに会っても争いになることもなくエルフの村へとたどり着いた。

 村の入り口には、初見で長老と呼びたくなるようないでたちの老エルフが配下をつれて待っていた。


「おお・・・。神狼さまとお連れの方々ようこそエルフの村へ。立ち話もなんですのでまずは、私の屋敷へご案内します」


 閉鎖的で知られるエルフの態度としては、考えられない厚遇に少しためらうが


『長よ。気を使う必要はない』


 ホクトがいつもと違う口調で老エルフに念話すると


「もったいない・・・。古来より我らは、神狼様を崇める一族、このようにお会いすることができただけでも生涯の喜びにございます。さあ、お連れの方もどうぞこちらへ」


 老エルフに先導されエルフの村へ入る。人口は、数百人程度なのか家もそれほど大きいものはない。自然を活かした森と同化したような村の中を進むと大勢のエルフがタクミ達を見る。エルフの長の話しでは、事情があってここ百年三十年ほどは、人族とのかかわりを絶っているとのことで、長命のエルフの中でも若いエルフにとってタクミ達は初めてみる人族なのだった。

 しかし、それ以上にタクミ達の前を歩く2頭・・・ホクトとナントへ注目が注がれる。


「あれが、我らが神の使い・・・」

「なんと神々しい・・・」


 聞こえてくる言葉は、ホクト達への賛辞ばかりだ。


『タクミ・・・少しエルフの信仰を利用するからうまく合わせてね』


 ホクトの念話にタクミとメグミは顔を合わせて苦笑する。


 ようやくエルフの長の屋敷にたどり着くと長は、後ろに連なるエルフたちに


「今日は、我らにとってめでたき日じゃ。我らが崇拝する神の使いである神狼様が、こうして我らの前にお姿をお見せになった。これは、我らの行く末を案じた神々が手を差しのべてくださったのじゃろう。さあ、今日は神狼様を持てなす宴を催す。皆はその準備にあたるのじゃ」


 老エルフに指示された他のエルフたちは、それぞれ宴の準備に取り掛かる。タクミ達は、長に案内されて屋敷へと入った。


「まずは、ようこそおいでくださった。これも神のお導きなのでしょう・・・。」


 丁寧に礼をする老エルフを見てタクミたちは顔を見合わせる


「あの・・・」


 メグミが、そっと声を老エルフにかけると


「さて、神狼様の従者の方でしょうか・・・何ようにございます」


 メグミ達が、神狼の従者とされたことにも驚くが


「あの・・・歓迎はありがたいのですが、私達は・・・」


 メグミが村によった目的を話そうとしたとき老エルフは、それを手で制し


「言わずとも・・・。我らの村がこの百年余り、解決できなかった些事を片づけにいらしていただけた事、村を代表してお礼申し上げます。ようやく・・・ようやくこの村も救われると言うものです」


 おいおいと涙する老エルフを見てタクミは、ホクトに


『ホクト・・・どうもこの村は神狼様に何かお願いがあるらしいぞ』


 と念話すると


『そうみたいだね。まあ直接聞いてみるよ』


 と念話で返事がきた。


『森の長よ。我に何を求める?』


 ホクトは、老エルフに目的を確認する


「神狼様・・・どうか我らの願いをお聞きください。実は、この村を北に進みますと大きな洞窟があるのですが、その洞窟に今から百数十年前に1匹のドラゴンが住みついたことが事の始まりとなります。最初は、目立った影響もないため我らも監視だけしていたのですが、ある日、突然ドラゴンが村を襲い多くのけが人を出しました。我らも必死に抵抗を試みましたが、そのドラゴンには我らの魔法も剣も届かずついには服従を迫られました。知能の高いドラゴンは、念話で我らを脅迫し、いくつかの要求をつきつけました。1つは、ドラゴンの食事となる魔物などを毎月洞窟に届ける事・・・2つは、外部との交流を絶ちドラゴンの事を話さない事でした。それから百年以上、我らはひたすら貢物をささげ、孤立の道を歩み続けてまいりました。ですが・・・今日、神狼様がこうして現れたのは、我らのこの境遇を打破せんと神がお遣わしくださったに相違ないと・・・」


 老エルフは、話し終えると感動しているのかおいおいと泣いていた。


『タクミ・・・何とか助けてあげられないかな』


 ホクトも何とかしてあげたいとタクミに確認する


『まあ、解決すれば俺達の目的もかないそうだし、ドラゴンを倒せば経験値も素材も手に入るだろうから俺は構わないぞ』


 タクミも賛同したため


『森の長よ・・・我らにまかせるがよい。我らは、目的のある旅の途中なれどこの縁は、おそらく神のお導きであろう』


「おお、なんとありがたい・・・神狼様、どうか、どうか憎きドラゴンめを討ち果たしくだされ」


 老エルフは、ホクトに頭をさげる


「その洞窟のドラゴンは、俺達が何とかするとして、少し頼みがあるのだが」


 タクミが老エルフにそう聞くと


「そ、それは、もちろんです。あのドラゴンをお倒しいただけるなら我らでできる事でしたら何なりと・・・」


「なら、すぐにでもドラゴンを倒してしまおうか・・・」


「す、少しお待ちください。その洞窟は、この百年あまりの間にダンジョン化しております。進むにも倒すにもお時間がかかるでしょうから・・・まずは、この村にご逗留いただき、準備を整えた上のほうがよろしいかと・・・」


「ダンジョンになっているのね・・・」


「は、はい。最初はただの洞窟でしたが、ドラゴンが住みついてからは、ドラゴンに従う魔物たちもあつまり、気が着けばダンジョンのように姿を変えております。おそらく、ダンジョンの最深部にドラゴンはいるはずですので・・・」


「それなら明日の朝早くに出かければ何とかなりそうだな・・・」


 タクミがまとめて予定を立てる。タクミ達は、村で1泊したのち、ダンジョンへ向かいドラゴンを討伐することとした。また、タクミの提案でホクトが、タクミ達2人とホクトとナントだけで向かう事を老エルフに提案した。最初は、同行者をつけるとひかなかった長も、神狼に頼まれると拒否もできずしぶしぶ了承した。



 



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