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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺達は、森を進む

「ま、まあ。オリハルコンの話しはそのくらいにして。ミスリルならまだ在庫もあるのでしょ?」


 メグミが話しを少しそらす。


「ミスリルは、まだ在庫も残っているな。何かご希望の物でもあるか?」


「えっとね・・・指輪とか?作れる?」


 メグミが少し顔を赤くしてそう言うとタクミも察したのか


「ああ、そうだな。指輪か・・・ミスリルでいいか」


「あ、うん。素材はミスリルがきれいだからそれでいいよ」


 するとタクミは四次元ポケットからミスリルのインゴットを取り出すと鍛冶スキルを発動する。武器と違い行程が少ないため数回の作業でそれは完成する。そう数分で・・・


ミスリルの指輪+9

 防御力 10(+45)

 付加 毒無効 麻痺無効 自動修復 


「お?初めて+9ができたぞ」


 何度も武器や防具を作ったが、+9は始めてだった。


『この世界で+9なんてついた武器や防具は、ほとんどないだろうね。そもそも今現在鍛冶スキルのレベルが10を持っている者なんていないだろうし』


「ちょっと待ってくれよ」


 タクミは、MPポーションを使いMPを最大値まで戻すとさらにもう1つのミスリルの指輪を作る。


ミスリルの指輪+8

 防御力 10(+40)

 付加 毒無効 麻痺無効 自動修復


「お、おしいな。+8か・・・」


 タクミは、出来上がった指輪を確認すると。さらにMPポーションでMPを回復させ、今度は付与スキルを使う。


ミスリルの指輪+9

 防御力 10(+45)

 付加 毒無効 麻痺無効 自動修復

 付与 位置情報共有


「よしできた。イメージどおりだな」


 タクミは、もうひとつの指輪にも同じ付与をつけると1つをメグミに渡す。


「付与スキルでお互いの位置を把握できるようにしておいたから、離れていてもお互いの位置がある程度わかる。婚約指輪ってことでいいか?」


 タクミも少し照れ臭そうにそう言った。メグミもうんうんと頷く・・・ホクト達は、それをやさしく見守っていた。


 そのあと、タクミは、ホクトとナント用にもミスリルで動きを邪魔しないようなブレスレット型の輪を作りそれぞれの足首付近に着けた。


「よし、これで俺達は互いに居場所を把握できるはずだ。あと、ナントにも念話ができるように付与スキルで念話を付与しておいたから。ナント話しできそうか?」


『はい。大丈夫です主様』


 聞こえてきたナントの声が女性のものだったのに驚くタクミとメグミ・・・


「「女の子だったんだな(ね)・・・」」




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 昨日の驚きや発見もよそに俺達は、森を進む。途中で試験的に二手に分かれて行動してみたが、指輪に意識を集中するとイメージした相手のいる方向を感じることができた。


「なるほどな・・・イメージした相手のいる方向とおおよその距離がわかるわけだ」


 タクミ達は、再び合流すると指輪の感想や使い方の確認をして再び森を進む。


『だいぶ先だけど気配を感じるよ・・・』


 ホクトの索敵にかかったのかようやくドワーフかエルフを発見したようだ。


「警戒しながら前進だな」


 タクミ達は、警戒しながらもホクトが見つけた場所へ移動する。するとほどなく周囲に殺気を纏う一団が現れた。


「言葉はわからんかもしれんが一応警告する。ここから先への侵入は許可できん。そうそうに立ち去れ!」


 聞こえたのは、エルフ語だ。クミは言語スキル、メグミは加護の力で会話を聞き取ることができた。タクミは、エルフ語で


「こちらに敵意や悪意はない。北の山脈を越えるために必要な装備や準備を手に入れたいだけだ」


 エルフ語で応えた事に少し戸惑いもあったが、エルフの男が1人姿を現し


「エルフ語をどこで知った?ここ百年ほどは人族とのかかわりはないはずだが・・・」


 タクミは返答を少し考えたが


「俺達は、普通の人族とは違うからな」


「それはどう言う意味だ」


 エルフの男がタクミの返事に質問を加える。タクミは、四次元ポケットからミスリルで作ったナイフを取り出し相手に見えるようにかざした。するとナイフを見たエルフの男はあきらかに態度を変える。


「ほう・・・。ミスリルのナイフか・・・」


 タクミが出したのは、あえて低いスキルレベルで作ったミスリルのナイフだ。全力で作った物は、評価が恐ろしいので自分たち以外には見せないようにしている。


「ああ。俺達を受け入れてもらえるなら、これは代表者に差し出しても良い」


 タクミの提案にエルフの男も考えている。話ていた男は別のエルフの男に何か言うと


「少しまて、長に許可を取る」


 タクミ達は、側の倒木に腰をかけて待つ事にした。ホクトとナントもタクミたちの側で伏せて待機する。木々の間から数人のエルフが、タクミ達を見張る。ふとホクト達を見ていたエルフの男が


「お前達が連れている狼はグレイウルフではないだろう」


 タクミ達は、偽装でホクトとナントはグレイウルフとしていたのでエルフの男の話しに少し驚く。とっさに嘘をつき通すよりもと


「よくわかったな・・・。まあ、事情はさっしてくれ、あまり目立ちたくないからな」


 と無難に答える。


「その毛並の良さ、高い魔力を見ればグレイウルフでない事はわかる。まさかと思うが白狼ではないよな?」


 タクミは、エルフの男にナントの素性がばれた事に正直に驚く、人族や獣人から疑われたこともなかったのでなぜ白狼だとわかったのかが気になった。


「なぜ白狼だと思う?」


「私は、フェンリルを崇拝している。フェンリルは、白狼の一種で、神々しい毛並と高い身体能力を持つ。その姿は、神の使いと言っても過言ではないほど美しい。私は、直接見たことはないが、私の父は、フェンリルと共に生活したこともあると言っていたからな。その父の話しに出てくるフェンリルとお前が連れている狼の雰囲気がどうにも似ていると思ったからだ」


「ご推察どおり、こいつらは白狼だよ」


 タクミはあっさりと白狼だと認めた。ホクトは、神狼なのだが、一緒にしておくことにした。


『タクミ・・・僕は神狼だよ。どうせ話すなら神狼と言ってもらっても構わないよ』


 タクミは、ホクトの提案にやれやれと言った態度で


「いや、すまん。うそだ。こっちは白狼だが・・・」


『森の民よ。我は、神狼だ』


 ホクトが、エルフの男に念話でそう告げる。びくりと反応したエルフの男は、急に態度を変えホクトに膝をつく・・・


「ま、まさか神狼様とは・・・。このような応対申し訳ありません。わ、私の責任を持ってエルフの村には、ご案内いたしますのでどうかお許しください」


 神狼と聞いたエルフの男の態度はあきらかにおかしい。神狼と聞いた他のエルフたちもその男同様に膝をついた。


「それでは、ご案内いたします」



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