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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺の一人旅 3

 朝・・・ちゅんちゅんとなく雀・・・どこか懐かしい声に起こされた俺は、布団から這い出す。最低限の身だしなみを確認して寝所の戸を開ける・・・庭には、ナントが木陰で休んでいたが、タクミが起きたのを確認すると近づいてきて鼻をこすりつける。


 朝日が心地よく俺を包む、うん、ここは気持ちがいいな。


 ふと、どこかで剣を交える音が聞こえた。屋敷内なら歩いても怒られないだろう。俺は、ナントに待機を指示し、その音を頼りに歩いていくと、昨日話しをした部屋にたどりついた。


「やあ!」


 攻め手が、気合とともに木剣を上段から袈裟切り・・・。受け手は、あっさりとその袈裟切りをはじく、攻め手は、ひるまずに次々と剣を振るが、動きを読まれているのかどれも受けてには届かない。それでも攻め手は、あきらめずに剣を振るが、さすがに肩で息をするようになったところで受け手から軽い一撃をもらって吹き飛んだ。


「見ているだけか・・・」


 受け手をしていた男。里の長、ロドスは、タクミをみてそう言った。


「失礼しました。剣戟の音に誘われて覗くようなまねを・・・」


「かまわん。それよりも・・・見ているだけか・・・?」


 ロドスは、タクミに相手をするように再び声をかけた。


「では、一手お手合わせ願います」


 タクミは、そう言うと道場の壁にかかっていた木剣を取り、ロドスと対峙する。


「よろしくお願いします」


 身体強化や気功術は無粋だな・・・剣術のみで相手願おう。タクミは、剣術のみで相手するつもりでいた。


 相対する2人。タクミは、ロドスの初撃に意識を集中する。何か周りで話している声もするが、タクミの集中はそれくらいでは途切れなかった。


「ふん!」


 ロドスは、正眼から打ち込む。タクミは、、同じく正眼から木剣を受けとめる。木剣同士が激しくぶつかる。


「早いな・・・それに重く強いな!」


 ロドスは、タクミの木剣をはじき距離をとった。


「相当なスキルレベルだと見た。ならば、俺も遠慮はしないぞ」


 突如ロドスの威圧が高まり、ビリビリとタクミの身体をこわばらせる。なんて親父だ・・・タクミは、あきれながらも次に備える。


 上段に構えたロドスは気合を込めて俺に木剣をふるう・・・まずい・・・この剣撃はさっきまでのものとは明らかに違う・・・。タクミは、身体強化を発動してその剣を受けとめる。「くう!」とんでもない重さだ・・・身体強化していなければ腕ごともっていかれただろう・・・。実際、受けた木剣は、その衝撃で折れてしまった。


「ほう!これを受けるか・・・」


 ロドスが感嘆してつぶやく。


「何かをなすには力が必要な時もありますからね・・・」


 少し生意気かと思ったが俺も興奮しているのだな・・・タクミは、折れた木剣を納刀するように下ろす。


「生意気な・・・だが面白い・・・。ヒルデ、今日の鍛錬はこれまでだ。朝餉の用意をせよ」


「は、はい」


 と返事してヒルデは、道場を後にした。走りさるヒルデを目で追ったロドスは、タクミに


「あれを助けてくれた事、感謝する・・・」


 そう言って頭をさげた・・・



 タクミは、顔を洗い汗を拭くとロドス達と朝食を共にする。ようやくその席についたヒルデと何も聞かされていなかったのかミュアが、俺の顔を見て口をパクパクとさせている。相変わらず、面白い子だな・・・。


「お前たちには言っていなかったな・・・しばらくここにいることになったタクミだ。見てのとおり人族だ・・・。屋敷内は自由にしてよいと言ってある。お前たちも挨拶せい・・・」


 ロドスに挨拶を求められ、ヒルデが


「あ、あの・・・あ・・・」


「ヒルデ挨拶くらいしっかりせんか」


 ロドスに叱られヒルデも


「は、はい。ヒルデです。よろしくお願い・・・します」


「あ、あの・・・ミュアです」


 ヒルデとミュアは、何とか挨拶するが、どうしてよいのかわからない様子だった。


「もうよい。お前たちが森で助けられた事はわかっている」


 ロドスの言葉に2人は、バツが悪そうに下を向いた。


「あと、お前たちが、だまって森の奥へ入った事は別の話だ」


 2人はさらに顔を下げうつむいた。


「きちんと礼はしたのか・・・」


 ロドスは2人にそう聞くと


「た、助けてくれてありがとうございました」「・・・ございました」


「いや、道を教えてもらえてこちらも助かったから気にしなくて良い」


 タクミは、そう言って2人を気遣った。ロドスは、その様子を見てゆっくりと食事に戻った。他の3人もそれに倣い朝食に意識を向ける。食後のお茶をヒルデが入れ一息つくと


「聞きたいことがあると言ったな。この後、俺の書斎に場を設ける。用意ができたら声をかけるからそれまでは屋敷内を好きにしていて良い」


「はい。わかりました」


 タクミが答えるとロドスは、席を立つ。ロドスがいなくなり、残される3人。


「あ、あなたがなんでここにいるのよ・・・。あなた人族でしょう。どうして私たちの家に今いるわけ?」


 ヒルデは、一気にまくしたてる。


「ああ、ちょっと用事があってな。お前たちが、ここにいることは知らなかった・・・偶然だな」


「偶然って・・・。もうどうなっているのよ」


「あれから1年と少しか・・・早いものだな。俺にも色々あったんだが、今は旅をしている途中だ」


 タクミは、簡単にいきさつを2人に伝えた。


「ってわけで、今ロドスに、お前たちの親父さんに無理を言って世話になっている」


「あなた・・・いったい何がしたいのよ」


「ああ、だから今はそれを決めるために色々な事を知ろうと思っている。お前たちと人族とのこれまでの歴史とかな・・・どちらか一方だけから聞くのはフェアじゃないだろう」


「私達と人族の間には・・・」




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