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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺達の王都旅行 5

 俺達は、馬車で峠を下る。登りよりも注意が必要なんだよな馬車は・・・。俺は、少し昨日の襲撃のせいで寝不足な気もするが・・・集中して馬を制御する。


 天気も良く今日は何事もなければいいな・・・と思っていると。前方に馬車の残骸が見えた・・・。ひどいな・・・あれは・・・


 近づくにつれ・・・その残骸がはっきりとわかる。魔物に襲われたのだろうか・・・馬は、見当たらず馬車は横倒しになっている・・・。


 俺は、メグミ達に待機するよう声をかけ1人で残骸となった馬車を確認する・・・この馬車・・・ロドリコさんのだな・・・。俺は、ロドリコさんの馬車につけられた商会のマークを覚えていたのだが・・・それがそこにあった。


 悪いことをしちまったかな・・・


 俺は、ほんの少しだけ罪悪感を感じる。


『気にすることはないよ』


 ホクトが、念話で俺に言う・・・そうだな。こんなこと・・・気にする必要はない。積み荷はそのままのようだ・・・おそらく昨日あたりに襲われたのだろうが・・・。あまり人通りのない峠だからな・・・実際すれ違う馬車は今のところいないし・・・

 無事な積み荷を残しておくのももったいないので中を確認する。中には、衣服の生地と・・・これは誰かへのお土産か何かなのだろうか・・・装飾された箱が1つ大切に保管されていた・・・。確か、王都でロドリコ商会ってのを開いていると言っていたな・・・せめて届けてやるか・・・。おれは荷物を四次元ポケットにしまい馬車に手を合わせた・・・。


「どうだったの?」


 メグミに聞かれ・・・少し答えに詰まる。


「いや・・・なんていうか・・・前に一緒した商人さんの馬車だったよ・・・」


 メグミも察したのか


「そ、そっか・・・あの商人さんだったか・・・」


 この世界は厳しい・・・死は常に隣合わせだ。改めて俺達は、この世界を知る。



 無言のまま。馬車は進む。


「ねえ?王都ってどんなところかな・・・?」


 荷台から御者台に移ってきたメグミが俺の隣で聞いてきた・・・。こういうときは、1人でいたくないもんな・・・


「そうだなあ・・・王都って言うくらいだから王様がいて・・・人がいっぱいいるんだろうな」


「王様か~。私たちにはなじみのない立場だよね~」


「お城には、王子様とか王女様がいるんじゃないのか?」


「うへ~。思いっきりおとぎ話だよね・・・」


「で、舞踏会とかで貴族とかと踊ったり騒いだりすると・・・」


「1度見てみたいかも・・・舞踏会!」


「ダンスもできないのに・・・か?」


「ダンスなんてできるわけ・・・ってタクミはできそうだよね・・・」


「あ? ああ。ダンスは競技ダンスも社交ダンスもいけるぞ!」


「ほんとタクミってなんでもこいよね・・・」


 俺達は、どうでもいいような話に花を咲かせる・・・そして馬車は走り続けた。





 俺達の王都旅行も今日で12日目・・・少し予定よりも遅くなったな。まあ、それも今日までだが・・・

俺達は、ようやく王都を目前にする。


「やっと王都が見えたぞ・・・」


 俺はメグミに声をかける。メグミは、馬車の中から顔を出し前方に見える巨大な街の影を見る。


「この距離からこんなに大きく見えるんだ・・・」


 さて、どのくらいの規模の街なのか・・・



 近づくにつれ巨大な街がより巨大になっていく・・・。高い壁に囲まれ大きな門は、大きな魔物も乗り越える事は難しいだろうな・・・。


 俺達は、ようやく王都の門にたどり着いた・・・そして門には長い行列ができている。


「身分証もっているよな・・・」


 一応確認する。


「ちゃんと持っているよ」


 メグミも確認する。ホクトの偽装も完璧と。金は心配ないくらい持っているし大丈夫だな・・・。


 俺達はひたすら順番が来るのを待つ。


「次の馬車・・・進め・・・」


 門の衛兵の指示に合わせ馬車を進める。


「王都へは何用だ?」


 色々あるが・・・


「冒険者をしている。クラスアップの試験を受ける予定です」


 と伝える。


「人数は2人と・・・その狼か?身分証はあるか?」


 間違いないよ


「はい。2人と狼です」


 と言って身分証を見せる。


「よし、いいぞ通行してもよい。通行料は銀貨3枚だ」


 なるほど通行料ね。王都の税収ってわけだ・・・


「はい、銀貨3枚です」


 俺はポケットから銀貨を出し衛兵に渡す。


 衛兵は、確認すると王都の中へ進むように指示した。


「ふうー。やっと王都に入れたぞ・・・」


「タクミ!お疲れさま・・・。やっとお風呂にも入れるよ~」


 メグミは、大きく伸びをする。そうだな・・・長い馬車の旅もこれで終わりだ。


 俺達は、まず馬車を商人のところへ戻し保証金を返してもらう。


「さて、やっと解放されたな・・・。しばらく馬車はごめんだよ」


 俺達は、まず今日の宿を決めるため宿屋街を目指す。さすがに王都には多くの宿があり、予算もピンからキリまでそろっている。


「お、うまそうだな・・・おやじさんこの串焼き3本くれ!」


 俺は、屋台の親父に串焼きを注文する。


「へい。まいど!90銅貨だ」


 威勢のいい親父さんだな


「それとな・・・この辺にいい宿ないかな?王都は初めてでさ・・・」


 俺はそういうと銀貨を1枚渡す・・・


「そうだな・・・連れはそっちの女とその狼か?」


「ああ、そうだ」


「なら、あそこの角を右に折れて道なりに進むと右側に「甲山亭」って食堂と宿をやっている店がある。あそこなら満足だろう。金額も妥当なもんだ」


 親父が指を指す。


「ありがとな・・・助かったよ」


「いや、気にするな」


 親父に見送られ俺達は言われた道を歩く。串焼きは、メグミとホクトに1本ずつ渡す。ホクトは大きな串に刺さった肉をペロリと食べる。メグミはちまちまとかじっていた・・・串が長いからな・・・。メグミが串焼きに苦戦しているのを待ちながらもようやく「甲山亭」に到着する。


「すみません・・・」


 宿の従業員っぽい人に声をかける。


「はい!食事ですか?宿泊ですか?」


 元気の良い女の子だ。年齢は20代前半か?


「宿泊をお願いします。あと今晩の食事もお願いしますね」


 すると


「部屋は、ベッドが2つの部屋と大きなベッドが1つの部屋がありますけど・・・」


 あっけらかんと聞かれ俺は戸惑う・・・えっと・・・


「あ、ああ。そうだな。部屋は2つ頼むよ。あとな、テイムした狼がいるから一緒に泊まれる部屋が欲しいんだ」


 宿屋の女は


「あ、すみません。つい・・・。えーと。1人部屋を2部屋と・・・そのうち1部屋は獣魔も一緒ですね」


「はい。それでお願いします」


「えー。1泊銀貨2枚で食事は別料金になります。お部屋にお風呂ついてますからご自由に入ってくださいね。獣魔と泊まる方は、1階奥になります。1人の方は2階になりますがよろしいですか?」


「ああ。それでいいよ」


 俺は銀貨4枚を支払う。


「夕食は、そこの食堂で摂ればいいんだな・・・」


「はい、食堂は自由にご利用ください」


 完全に別料金か・・・。


「じゃあ、部屋の鍵をもらったら各自部屋を確認してここに集合!一緒に夕食を食べるとするか・・・」


 それぞれの部屋の鍵をもらい、一度部屋を確認する。さすがに王都の宿屋だなと言えるような部屋だった。部屋の風呂・・・まあシャワーができるかどうかくらいのものだけどね・・・あるだけましだ。


 俺は、部屋を確認し集合場所へ移動する。まだ、メグミは来ていないな・・・。今後の事を色々考えながら待つこと数分・・・。メグミが戻ってきた。なぜか・・・少し顔が赤い・・・


「ね、ねえ?」


「うん?どうかしたか?」


「この宿ってさ・・・なんか・・・ほら・・・あれみたい・・・」


「うん?あれ?」


「えっとね・・・元の世界で言うラブホテルみたい・・・」


 なに?どういうことだ・・・


「私が部屋に向かって歩いてたらね・・・腕を組んだカップルが部屋に入っていったの・・・。その後もみんなカップルばっかりだよ・・・」


 あ、あの親父・・・何勘違いしたんだよ・・・


「ああ、わかった・・・。まあ、今日は仕方ないから勉強と思ってだな・・・明日は宿変えるから・・・」


 俺・・・なんかもう疲れたよ・・・


 








 





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