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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
22/128

私が向かう先には

「えい!」


 私は、掛け声とともに上段から剣を振り下ろす。前は、重いだけだった剣も今なら私の思い通りに振ることができる。


「ぐぎゃ!!」


 ゴブリンナイトの断末魔を確認すると左手を剣から離し、氷魔法アイスジャベリンを発動!。左手に収束した魔力が一瞬で氷の槍を創成・・・私の頭上に十数本の槍が並ぶ、狙いをゴブリンロードに定め射出する。


ゴブリンロード

HP 230

ⅯP  68

力   52

体力  50

器用  46

素早さ 48

魔法  21

抵抗  28

スキル 剣術レベル2 指揮レベル2

武器 鉄の剣 攻撃力+20

防具 鉄の鎧 防御力+20


「ぐうぅ!」


 ゴブリンロードが唸る。さすがに上位種ともなると氷の槍を数本はじくか・・・しかし、襲い掛かるのは十数本の槍だ・・・たちまちハリネズミのように氷の槍が突き刺さる・・・


「もう・・・ゴブリン程度なら上位種でも問題ないな・・・」


 タクミがそう言うのもわかる・・・。ホクトもタクミもそばで見ているだけで私1人でゴブリンの集団を殲滅することができた。ゴブリンロードを筆頭にナイト3体、アーチャー2体、メイジ2体、ゴブリン12体の集団だった。


「タクミ!ゴブリンの素材はどうするの?」


「ゴブリンは、大したもの持ってないから放置だな・・・まあロードだけは解体しておくか・・・魔石出るかもしれないしな・・・」


 私も魔物の死体を見るのに慣れた・・・最初は吐いて泣いて・・・大変だったけどね・・・。それに・・・私は・・・すでに同族も手にかけている。クエスト中に横から襲ってきた盗賊団を3人で殲滅したからね・・・。戸惑うと思ったけど・・・私が想像していたよりもあっさりと殺してしまった・・・。盗賊の話は、ギルドでも聞いていて・・・何人もの商人さんや女の子が襲われたり誘拐されたりしている。だから許せないって気持ちもあったんだ。タクミとホクトは、私があっさり人を殺したことに驚いていたよ・・・


 私も変わったのかな・・・


『そうだね。少しは変わったのかもね・・・』


 あ、心の声を・・・もう・・・あんまり覗くなら嫌いになるからね・・・


『ご、ごめん。ごめん。』


 ホクトが私に謝る・・・まあ許してあげましょう。


「そろそろこの辺りの魔物じゃ物足りないな・・・」


 タクミがそう言った。


「そろそろ、今後のことを考える時なのかな?」


 私がそう聞くと


「この街の最高ランクの冒険者がランク4級の弓使いだったよな?確かレインとか言う30前後くらいの男だったか・・・この前、たまたまギルドで見かけてな・・・側で話を聞いていたら、丁度今倒したゴブリンロードに苦戦してパーティーで撤退したと言っていた・・・。ほかのパーティーメンバーの力量のせいかもしれないが、4級の男がいてもこいつらを倒せない・・・俺たちが普通じゃないかもしれないけどな・・・」


『タクミやメグミは、人族の枠からは少し?はみ出た存在になりつつあるからね・・・普通の冒険者と一緒にすると少しかわいそうかもしれないね・・・』


 そうか・・・私たちってもうそんな感じなんだ・・・。


「それで、これからどうするの?」


 これから私たちは


「俺は、王都に向かうべきだと思う。王都には1級冒険者ってのがいるらしいから今の俺達が行ってもそこまでは目立たないで済むだろう。それにな・・・1級とは言わないが・・・クラスアップ試験を受けて級もあげようと思う。あと、王都に一軒家でも買って住む場所も確保したいしな・・・もう宿屋暮らしには飽きた・・・だろ?」


「そうだね~。ホクトの事を考えても一軒家は魅力的だよね・・・。そこを拠点にするんでしょ?」


「そうだな。そこを拠点にして、次の段階へ進むことになるだろな・・・」


「次の段階?ってなにを考えているのタクミは?」


 タクミは少し間をあけて


「メグミは、まだ獣人とかに会ったことないだろ?」


「え?うん。ないけど・・・獣人がどうかしたの?」


「俺は、ここに来てすぐに会ったんだ。この街の東の森でね・・・。オークに襲われているところをちょっと助けてやったんだけど・・・助けた奴にすごい警戒されたんだ。人族と獣人は敵対しているらしいからな・・・俺に襲われると思ったらしい。」


 大きな岩に腰かけなおしてタクミは話を続ける。私も岩に腰をかけた・・・


「俺は、そのあたりの事情を詳しく知りたい。この世界には、魔族もいれば、獣人もいる・・・ほかにも色々な種族がいるって話だ・・・。どんな歴史があって、どんな理由があって、そして今があるのかを・・・それを知ったうえで俺ができる事を考えたい・・・と思っている。」


「知らなかったな・・・そこまでタクミは考えてたんだ・・・。私は今を生きるのに精一杯だったから何かしようって考えはなかったから・・・。そうだね・・・私はタクミについていくよ・・・。なんかその方が私が強く変われそうだから・・・」


『メグミが決めたなら僕はそれでいいよ・・・僕の口からこの世界の事を聞くよりも自分たちの目で見て、自分たちの耳で聞く方が良いだろうしね』


 タクミはしばらく黙っていたが


「そうか・・・なんか勢いでずっと一緒にいたが、もうメグミは1人で冒険できるくらい強くなった。無理して俺についてくる必要はないんだぞ?」


「えー!そこでそれを言うの~。私は、ついていかない方がよかったとか?」


「い、いやそんなことはないけどさ・・・。俺の勝手な計画だからな・・・」


「じゃあさ・・・。王都行って色々な事を見たり聞いたりして、お互いに何かしたい事ができたら・・・その時にもう一度この話をしようよ・・・。意見だってわかれるかもしれないしね・・・」


「りょーかい。わかったよ・・・。じゃあ、準備を済ませたら王都に一緒に行こう。そこで今後について検討するって感じでいいか?」


「はーい。賛成!」


 私は、手をあげて賛同する。だって・・・ねえ







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