俺達の打ち合わせ
喫茶店のような店を出た2人と1匹は、冒険者ギルドに向かう。
結局、パーティー登録を前提にメグミの冒険者登録は許可が出た。メグミは、10級のカードをうれしそうに何度も見ていた。冒険者ギルドを出るとメグミが門番に見せてくると言ってホクトを連れて走っていった。
「ふうっ!」
俺は、この先のことを考える。特殊なパーティだと思えば悪くはないか・・・面倒も増えそうだが・・・。無駄な検証とかしないで済むかもしれないし、メリットもあるだろうよ。
俺が、この後のことを考えているとメグミ達が戻ってきた。あの様子なら問題はなかったのだろうな。
「も、もどりました・・・」
「はい、おかえりなさいって・・・俺は親じゃないぞ・・・。で、この後はどうするんだ?俺は明日、ギルドに行く用事がある。今日はもうすぐ夕刻だからできることは限られる。お前たちは宿をどうするんだ?」
俺がそう聞くと・・・あきらかにあたふたするメグミ・・・
「あー、俺の止まっている宿に泊まれるか聞いてみるか?」
ぱっと笑顔になるメグミ・・・『強くなるのだろ?』とホクトの注意が飛ぶ
「あ、自分でちゃんと頼みます。宿まで連れて行ってください」
なるほど、過保護はいけないわな・・・
「わかった。そっちの宿代はそっちに任せる・・・ホクトのこともちゃんと聞けよ」『そうだね、この世界には、ウルフやタイガーを連れ歩く冒険者もいるから泊まれる宿も多いけど、だめなところもあるからね』
「はい。ちゃんと確認します・・・」
メグミは、2人して言わなくても・・・私だって・・・と一人でぶつぶつ言っているが、俺は聞かないでやった。
宿に戻ると優しいおばちゃんが、出迎えてくれたのでメグミを紹介する。
「あ、あの。私も泊めてほしいのですが・・・泊まりますので・・・あ、あとペットじゃなかった・・・テイムしたウルフも一緒なんですが、大丈夫ですか?」
かなりあやしい交渉だな・・・
「はいはい。大丈夫ですよ。お部屋も空いてますし、テイムした獣魔も部屋で結構です。その代り、粗相したときの片づけと別料金をお願いしますよ」
無事、寝床を確保できほっとする。なぜか俺もほっとした・・・
「おばちゃん。今日の夕飯はなくていいわ・・・部屋で食べるから」
俺は、おばちゃんに了解をもらう。1人と1匹を連れて2階にある部屋へ移動、荷物もないからそのまま俺の部屋へ連れていく。
「ま、入れよ。少し話があるからな。」
俺は、1人と・・・もう2人で扱うよ・・・2人をを招き入れ適当に座らせる。
俺は、空中から四次元ポケットを出し、鶏肉の唐揚げ、フライドポテトを出した。驚く2人を前に
「まー食えよ・・・あと、ホクトが望むなら生肉でも出すが・・・いるか?」
『僕は、なんでも食べられるけどね・・・そりゃ肉がもらえるなら喜んでもらうよ』
「ならよっと」
俺は、さらに生肉をステーキを焼く前の生肉をイメージして肉を出した。全部お皿に乗っているのは、俺のイメージのせいだろう。
「ついでに」
そういえばと、飲み物が出るか試してみる。えっと、コーラで・・・するとストローがついたコップにコーラが入っていた。氷も入っているな・・・
さらに驚く2人、俺はⅯP消費を確認全部でⅯP21を消費か・・・
「どうしてここでコーラが・・・。これもスキルなんですか?」
「そうだな。これもスキルだな・・・ちょっと特別だけどね・・・」
『こんなスキルは、女神さまの知識にもないよ・・・』
女神?まあいい・・・
「さ、食べながら話そうか」
2人に食事を勧める。おなかが空いていたのだろう、あっという間に食べ終わった。
「さて、今のもそうだが、俺には、俺でも把握しきれないくらいスキルがある。これは、ちょっと特別な事情があるから説明は割愛したい。だが、俺もまだレベルは7と低いため余裕をもってスキルが使えるほどⅯPがない。だからギルドのクエストを受けながらレベル上げをしていた」
「まー、ホクトには、ばれているから隠さないが、俺には、戦闘スキルも攻撃魔法スキルもあるから、敵を倒すことは難しくない。だけどレベルが低いから、うっかり後ろからでも攻撃をもらうと即死する可能性がある。そう簡単に後ろを取られる気はないけどね・・・」
『そうだね。君は、タクミは、スキルだけならすでにこの世界でも有数の力を持っているだろうね。だけど、この世界は、スキルがすべてじゃない。基礎値がそれだ・・・。例えば、君たち人族の力は、せいぜい10~50くらいだろう?でも、魔物には、3桁以上のやつらだっている・・・。しかも魔物だってスキルを持っているんだ』
「私の力10ってかなり低い方なんだね。人族でも底辺か・・・」
「そうだな、基礎値が高くスキルが高ければ、それは脅威だな。ドラゴンとかいるんだろ?この世界には?」
『いるね。めったに会うことはないと思うけど。当然桁違いの基礎値を持っている。スキルは君ほどじゃないけどね』
「ホクトの力は、どのくらいあるんだ?偽装では20くらいになっているが?」
『あまり、言いたくないけど、仕方ないね。僕の力は280ある・・・』
「私の28倍・・・」
「そうか、種族差ってやつだな・・・、こりゃ、考え方を改める必要があるな・・・。俺が、身体強化のレベル10で強化してもホクトの力には及ばないってことだ・・・」
『そうなるね。絶対的な力の差は、簡単に覆せないから』
「ね、ねえ?私、また、会話に入れてないような気がするのだけど・・・」
「あ、ああ、そんなことはないよ。なあ・・・ホクト・・・」
『そ、そうだよメグミ・・・僕がメグミをほっておくわけないだろ・・・』
・・・
「なぜ、二人とも私から視線を外すのかしら?」
「『いえ、なんでもありません』」
「で、メグミは、何ができるんだ?俺は、人物鑑定スキルがないから・・・」
「あ・・・えっと、調理とか算術とか・・・」
「ああ、戦闘スキルが、ないのか?魔法系もないのか?」
『すまない・・・メグミは今のところほとんど何もできない。そのかわり、そうだね説明してしまおう。タクミとはもう運命共同体だからな・・・メグミは、女神さまの加護を与えられている。僕もその加護の一端だ。メグミは、今は何もできないけど、努力続ければ恐ろしく強くなることができる』
「なるほどね。素質たっぷりで生まれたてってわけだ・・・じゃあ、考えようによってはこれから適正を見ながら強化できると前向きに考えた方がいいな・・・。何か得意な事やしてみたい戦い方とかあるのか?」
「わ、私の特技・・・えっと・・・その・・・急に言われても・・・ね?」
「『ないんだな』」
「なんでそこだけはもるのよ・・・」
ううっといじけるメグミ・・・
「じゃー使ってみたい武器とか魔法とか何かないのか?」
「えっと・・・最初はできれば痛くな・・・。いや、魔法を使ってみたいよ」
「『・・・』」
『そうだね。メグミは、まず魔法スキルから考えようか。パーティー的には、前衛は僕、タクミも前衛できるしね。メグミはサポート系含めて魔法を考えた方がバランスがよいだろう』
「そうだな、レベルの低いうちの前衛は、なにかと心配だしな・・・で、スキルってどうやったら身につくんだ」
『それだけスキルがあってそれを知らないタクミが本当に恐ろしいね・・・。そうだな・・・例えば剣をもって振り続ければ剣術スキルが手に入る。魔法なら魔法書を読んでいるうちにスキルが手にはいるね。ただし、それが手に入るのはいつかはわからない』
「そうなるとまずは、メグミに魔法書を買って魔法スキルを手にいれてもらうところからだな・・・あとは、そうだな試しになにか武器でも振ってみるか?」
おれは、そういうと鉄のナイフを四次元ポケットから取り出し渡そうとすると
「あ、私、鉄の剣持っているよ」
とメグミは、魔法の鞄から剣を取り出した。
「剣の方が振るにはいいか?試しに何回か振ってみろよ・・・」
俺がそう言うとふらふらしながらメグミは剣を振った・・・剣に振られている?・・・最後は、危なくホクトのしっぽを切りそうになり・・・
「もう・・・だめ・・・」
腰を下ろして「はあはあ」と息を吐く・・・えっとまだ・・・15回くらいだぞ・・・
「あーなんだ・・・最初だからな・・・ひょっとしてもうスキルが手に入ったんじゃないか?」
冗談で言ってみる。メグミは呼吸を整えながら自分のステータスを見るが・・・うなだれた・・・
「『まだ無理だよ』」
10回ちょっと振ったくらいでスキルが取れていればこの世界はとんでもないことになるよな。
「さあ、明日から忙しくなるから風呂入って寝るぞ。明日は朝からギルド行くから寝坊するならおいていくからな・・・」
「ね、寝坊なんてしないもん」
『僕がいるから大丈夫だよ』
「そうだな。ホクトがいるから心配ないな・・・」
ま、あれもこれも明日からだ・・・




