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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
俺達の国を造ろう
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「ひ、ひいいいい!」


「や、やめてくれ・・・」


 王城の地下にある一室では、連日男たちの悲鳴や唸り声が響いている・・・。セイオスの許可を得たグリフォールが行っているのは闇鎧と言う邪法を用いて作ったマジックアイテムを使い傀儡となる兵士を作る事だ。


「ぐがっ」

「ほれ! どうだ! うひひひひひっ!」


 グリフォール卿に命じられた兵士が、拘束された男に黒い鎧を着せると拘束された男の身体がびくんびくんと跳ねる。悲鳴をあげていた男は、最初こそ暴れるが・・・徐々に暴れるのをやめおとなしくなる。


「お前も仲間たちのところへ行け」


 命ぜられるままに歩き出した男の顔にはすでに生気がない・・・うつろな目をしながらもゆっくりと指示どおり歩いていく・・・その先にはきれいに整列した黒い鎧を着た男たちが並ぶ。

 王への不満を述べた者や兵士に逆らったものは、全員捕えれここに送られ、グリフォールの作った闇鎧の生贄とされる。


「次の奴を連れて来い!」


 王城の地下ではまだまだ悲鳴が続く・・・




---------------------------------------



「うひひひひ!」


「おや。ずいぶんと楽しそうですね?」


「そりゃそうじゃろう・・・予算にも素材にも不足がないのじゃからな。これほど楽しい事もないだろう」


「それで、どのくらいの数を用意できたのですか?」


「そうじゃのう・・・新型が300・・・旧型が500と言ったところかの・・・」


「合わせて800ですか・・・」


「素材は、十分あるんじゃが、いかんせん儂1人の作業なのでな・・・どうしても時間がかかるんじゃよ」


「仕方ありませんね・・・手伝えるところがあったら言ってくださいね」


「ああ・・・それと特別製の奴が1つ昨日完成したわい」


「例の奴がですか?」


「そうじゃ・・・これまでの物と違い自我がほとんど残る・・・欠点もあるにはあるが魔法もスキルも使えるから言う事なしじゃろう。まあ犠牲になったごみ共には、悪い事をしたかもしれんが・・・」


「それは、気にしないでも良いでしょう・・・それよりもその特別製の奴は、増やせるのですか?」


「1つ作るのにかなりの素材を使ったからのう・・・簡単に量産はできんと思うが時間をかければ1つ2つなら作れるやもしれん」


「量産は厳しそうですね・・・」


「そうじゃのう」


「ですが、これでようやくあの街を攻略する事ができそうです。また、楽しいゲームが始まりますよ」


「おお。ワシも同行させてもらえるんじゃろな」


「もちろんですよ」




----------------------------------------------




 王城にある王の間には、審議官、文官が集められている。皆の顔には青く顔色が悪い。



「それで・・・クライス審議官の行方はまだわからないのですか?」


「はい。王の間の隠し通路を入念に探索しましたが、クライス審議官を発見できませんでした。王都内にも兵士を放ち探索させておりますが、いまだに発見に至っておりません」


「隠し通路を知っていた方は他にいないのですか?」


「おそらくではありますが・・・王とクライス審議官しか知らなかったと思われます」


 セイオスは、玉座に座る王をちらりと見るが、王はぼーっと座っているだけで表情もわからない。


「兵士の皆さんには、引き続き捜索は続けるよう指示してください」


 報告した男が急いで退席していく。


「さて、次は、誘拐されたと言う王女についてですが、何か進展はありましたか?」


 王都の警備を担当する男が青ざめた顔で報告する。


「王都内を隅々まで探索いたしましたが・・・なんら情報もございません」


「そうですか・・・教会で何者かに拉致され以後行方不明と言う事ですね・・・王女を連れて門を抜ける事は簡単ではないでしょうから・・・王都内にとどまっていると思っていましたが、どうにもすでに王都から脱出してしまったようですね」


「面目ありません・・・」


「もう王女の件は、これ以上捜索せずとも結構です・・・あなたには次に話す作業を手伝ってもらいます。次は、王都を離脱する民への対応ですが、どうやら王都を含めかなりの民が街から離脱しているようです。これについては?」


 目を向けられた審議官が返答する。


「はい。王都は門の管理を徹底し外出を制限しておりますので流出は抑えられています。問題があるとすれば城壁のない王都以外の町です。兵士に命じて町からの移動自体を管理していますが、闇にまぎれて離脱する者もいるようです。現在は、各所に関所を設け通行を制限し発見した場合は拘束するように命じています」


「どのくらいの民が離脱したようですか?」


「各町を合計すれば500~1000人と言ったところかと・・・」


「離脱した者が向かう先に心当たりはありますか?」


「離脱に失敗した民を尋問したところ・・・漠然と北へ向かうつもりだったと答えました。これは、憶測も含みますが、北にある巨大な街へ向かっているのではないでしょうか?」


「あの街が人族を受け入れるとは思いませんがね・・・」


 王都の南西には熊族が住む森が・・・南から南東にかけての森には猫族が住む森がある。その森の南には砂漠が広がっているため砂漠を抜けていくのは容易ではない。

 東には狼族が住んでいた森があり、さらにその森を抜けると延々と草原が広がっている。草原の先に新天地があるかもしれないが、魔物が多い草原地帯を抜けるには過酷な旅が待っているだろう。

 王都の北西には、魚人族が住んでいた湖がある。湖の先には湿地帯が広がり人の侵入を阻む・・・


「逃げるとすれば西か北しかないでしょうね・・・王都警備官は、その任を解きます。あなたは、兵士を引き連れ西へ向かい離脱した民を拘束しなさい」


「はっ!」


 命じられるままに退室していく。


「あとは、北ですか・・・」


 ちょうどその時、王の間に伝令が顔を出す。それを見たセイオスが


「どうぞ・・・何かありましたか?」


 セイオスが伝令に直接伝えるように指示する。


「はっ!報告いたします。つい先ほど関所で敵方に捕虜とされていた兵士を保護いたしました」


「おや・・・それで?」


「保護した兵士は、敵方からの外交文書を所持しておりましたのでお持ちしております」


 と言って手紙を差し出す。王の間を警護する兵が受け取りセイオスまで持ってくるとセイオスはすぐに封をあける。本来であれば王が封を開けるものだだろうが、誰も文句を言うものはいない。


《人族王へ 捕虜の交換についての要求 王都にいる人族以外の者をを無事解放することを期待する。要求が通れば解放した人数に応じて当方の捕虜を変換する事を約束する ミクス国 国王》


「ほう・・・獣風情が外交の真似事ですか・・・」


 セイオスは読み終えると審議官たちにも目を通すように渡す。


「さて・・・王都にはまだ獣がいるのですか?」


「非公式ではありますが、王都内の裏町あたりにはまだいるものと聞いております」


「じゃあ・・・そこのあなた・・・王命で何匹か捕まえてきてください」


「あの・・・いえ・・・わかりました」


 何か言いかけてから指示された男が退室していく。


「さて、相手にはこちらの捕虜が何人くらい捕えられているのでしょうね?前回の遠征で帰還できた兵士は半数くらいでしたから2500人くらいは死んだか捕えられたのでしょうね。王都にいる獣が足りなければどこかで捕獲してこなきゃならないですね・・・。王都の近くには、もう獣はいないようですが・・・どなたか獣が住んでいる場所を知りませんか?」


 一人の文官が顔をあげ


「僭越ながら申し上げます。南西で捕獲した熊族が住む森よりさらに西に兎族が住んでおります。また、北西の湖をさらに進んだ場所にある湿地帯に蜥蜴族が住むとの情報があります」


「試すにはちょうど良いですね・・・バラカム将軍・・・先日お話しした部隊を率いて兎族を捕獲してきてください・・・グリフォールさんには、私の方から説明しておきますので、兎族が住む場所なんかを確認しておいてください」


「承知した」


「それにしても・・・ようやくあの街の・・・いえ国の名前がわかりましたね。ミクス国国王ですか・・・良い遊び相手になるといいですね」









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