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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
俺達の国を造ろう
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「そうか・・・ヒルデは、学校の仕事についたのか・・・」


「ああ。あれも先を考えての事だろう・・・」


「父親としては寂しいんじゃないのか?」


「まだミュアがいるからな・・・」


「そのうちミュアだっていい人見つけて出てくんだぞ」


「そんな勇気のあるやつがいたらな・・・」


 ロドス頼む・・・睨まないでくれ・・・


 しばらくぶりにのんびりと代表者会議を開いている・・・が、議題は家族の近況報告など気楽な話題が多い。会議を行っている場所も中央公園に設けられた特設会場の中の一席だ。


「王様も飲んでますか?」


「ああ。楽しくやっているよ」


 酔っぱらった猫族の女が気楽に声をかけていく・・・舞台では、無理やりあげられたサラが美声で歌を歌っている・・・。今日は、ミクス建国記念日・・・と名付けられたイベントを行っている。

 メグミの提案で、「祭りがしたい」と言ったのがきっかけで、ミールが「祭りとはなんですか?」と言ったのが、実施を決定した。代表者会議で数回案を練り、日取りと内容が決まると多くの者がその日を心待ちにしていた。


 セレスたち人族も最初こそ戸惑いもあったが、ミクスの街の生活にも慣れ始めた。王都よりも便利な住宅に住み食事も良い・・・。人族が加わった事で、アーケード街には、飲食店や酒場が誕生した。もともと、それらの店を経営していた者がいたため問題なく誕生したのだが、ドワーフ達が連日酒場に押し寄せたりして・・・代表者会議が珍しく紛糾することもあった。


 ミールの流通も進み、この会場でもミールを使って屋台で串に刺した肉を買ったり、工芸品を買ったりすることができる。


「あ~恥ずかしかった・・・」


 サラが顔を赤くして戻ってきた。一度・・・自宅の水槽に浸かって身体を冷やしてくるそうだ。ボンゴは、さっきまで隣で上機嫌に酒を飲んでいたが、奥さんに連れられて帰宅した・・・まあ会議と言っても雑談くらいだしな・・・今日は無礼講だから良いだろう。ボンゴの奥さんは、少々怖い人だ・・・


 ヘイストは、まだ独身だと言っていたが・・・犬族の中ではとてもモテルそうだ。今も周囲に犬族の女たちをはべらしている。早く結婚しろ・・・おまえけっこういい歳だろ?


「次は、王妃様が何かされるそうだぞ」


 後ろから声が聞こえ舞台に目をやる・・・何をする気だ?俺は聞いていないぞ・・・。メグミが舞台に現れると


「はーい。次は私の番だよ~」


 メグミが魔力を集中する・・・おい・・・それは古代ま・・・


 頭上に掲げた両手からものすごい勢いで打ち上げられたのは、巨大な花火・・・。夜空に巨大な花を作りだす・・・。音こそ花火独特の音ではないが・・・とんでもないな


「おお。すげーな。さすが王妃様だな」

「ああ。見たこともない美しさだ。この世のものとは思えん」


 盛大な拍手の中、舞台を降りてきたメグミが


「へへへ・・・MP2000も使っちゃった」


 と舌を出して言ったが・・・聞かなかったことにしておこう。あまり人前で使って良い魔法じゃないからね・・・


「セレスは酒は飲めるのか?」


「修道女は、アルコールはだめだからこれで・・・」


「そうか・・・アリヒアは?」


「私は、口をつける程度ですね・・・私ももっぱらこれで・・・」


 この2人は、酒席ではあまり騒がない・・・俺が四次元ポケットから出した甘いジュースにご満悦だ。


「それだけじゃあ寂しいからチョコでも食べるか?」


 四次元ポケットからチョコの詰め合わせを出す高級なやつだ


「うわーなにこれ・・・」


「お菓子なんですか?」


「ああ。チョコレートって言って甘い菓子だよ」


 2人は、黒い物体をおそるおそる口に入れる


「うわ!ちょっとこれ・・・」

「ええ。こんなの初めてです!」


 チョコレートを食べた2人の目が面白い。メグミも横から1つつまんで口に入れた。うまいうまいと言ってセレスとアリヒアは、いくつか口に入れたが、少し経つとなぜか顔が赤い


「なにかとても良い気持ちです~」


「そうですね・・・ふわふわしていますね~」


 なぜか酔っぱらったように2人の言動がおかしくなる。


「ねえ・・・タクミ?これアルコール入ってない?」


「なに?」


 あわてて1つ口に入れると確かにブランデーの香りがする。高級チョコにはアルコールが入っているのが多かったか・・・。


「すまん・・・」


 メグミに誤って・・・目の前で痴態を晒す2人の後始末を頼む。「もう・・・」と言いながらもメグミが2人を連れて送っていってくれた。

 気がつくとロドスも見当たらず、席にぽつんと座る自分がいた。仕方ないな会場でも少し回って声をかけるか・・・


「お!」


 リル達が屋台を出しているな・・・


「あ、王様だ」


「どうだ?儲かっているか?」


「そりゃもう・・・完売間近だよ」


「そうか・・・すっかりリル達は商売上手になったな」


「そりゃ毎日やってればうまくなるよ・・・」


「じゃあ。がんばるみんなにも差し入れだ。特別だからな・・・」


 さっき出したアルコール入りのチョコを出してリル達に渡す


「なにこれなにこれ」


「チョコレートと言う甘い菓子だ。これは中に酒が入っているから酒を飲めない奴は食べない方がいいぞ」


「私飲めるから大丈夫」

「私も私も」


 にぎやかにリル達が集まりチョコレートを口にする。皆、驚いた顔をしているのが面白い。


「どうだ?」


「す・・・」


「す?」


「すごいこれ・・・」

「うん・・・口の中が大変な事になってる」

「でも・・・」


「「「「おいしーい」」」」


 どうやら気にいってくれたようだな。リル達にはこれからも街のために頑張って商売してほしいものだ。


「ああ。頑張ってくれよ」


「はーい。またね王様~」


 手を振られて送り出される。再び会場の中を歩く・・・オーボー親子を発見だな。オーボーは、母親の付き添いで代表者会議を欠席していた。


「あ、王様じゃないですか?」


 オーボーの母親が椅子から立とうとするので静止する。


「そのままそのまま・・・どこか?悪いのですか?」


「いやね・・・少し腰が病むもんでね・・・歳は取りたくないですね」


 いたたたとオーボーの母親が腰をさする。オーボーも心配そうだな。


「どこまで効くかわかりませんが、少し見て看ましょう」


 治癒魔法を全開で腰痛の緩和を行う。骨のゆがみを直し神経の圧迫を最小限にっと。


「どうです?」


「あら・・・あららら・・・さっきまで痛かった腰が痛くないよ」


 すっと立ち上がってオーボーを驚かせる。


「また・・・王様に世話かけちまったね~」


「気にしないでくださいよ・・・その分息子さんに世話になりますから」


「どこまで役に立つかわからないけどね~うちの息子は・・・」


 オーボーが恐縮している


「これからも母親は大切にしないとな・・・」


 そう言ってオーボー達と別れる。家族はいいな・・・


 そのあともぐるりと会場を一周して元の席に戻る。ちょうどメグミが2人を置いてきたのか戻ってきた・・・


「お疲れさま。助かったよ」


「そうね・・・少しは感謝してほしいわね」


 メグミが笑いながら言う。


「王様!ちょうど良いところへ。そろそろ〆の挨拶をお願いします」


 もうそんな時間か・・・宴もたけなわってところだな


「わかったよ・・・」


 案内されて舞台へあがる。気がつけば人口も増えたもんだ・・・舞台から見下ろすと人の多さがよりわかるな・・・。司会が王の挨拶だと言うと・・・にぎやかな会場がしんと静まる。


「今日は、楽しんでもらえただろうか・・・」


 会場から拍手がわく・・・静まるのをまち


「こうしてみんなで楽しい祭を共にできた事を俺はうれしく思っている。こんなに楽しい夜はしばらくぶりだ。また・・・みんなでこんな楽しい夜を開きたい・・・だから何があってもまずは家族を守れ!次に自分を守れ!そして最後に国を守れ!俺は、王として国民全部を守るつもりだ。俺はわがままな王だ。しかも欲張りな王でもある。だからミクスに住む者は1人も欠ける事は許さないからな。以上」


 盛大な拍手が起こる 鳴り止まない拍手に手を振って応える


 ここはミクス・・・わがままで強欲な王の国だ。







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