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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺には異世界にいく資格はあるのか?

ああ


「俺ってば本当についてないな・・・」


俺はしみじみと呟く・・・


 俺は・・・四角匠・・・シスミ・タクミ。


 さっきまで普通に生きていたんだけど、今はちょっと不思議な体験中だ。


 こう言うのなんて言ったかな?ああ、あれだ・・・死後の世界っていうやつだろうなたぶん・・・。俺は、何かの事故で死んだ・・・?

 まあ、それはもうどうでもいいな・・・。


「次の男、こっちへ来い」


 あ、まだ俺じゃないよ。俺の前にいる奴だ、なんかね、ヤンキーっぽい奴だ。ああ、なんか文句言ってるよ・・・このヤンキー・・・


「おい、ふざけるな、俺を元に戻・・・」


 話している途中に振り下ろされるこん棒・・・グチャッ!


 ありゃ!グロいぞこれ・・・!調子にのったヤンキーの奴、グチャッて潰されちゃったよ。


 馬鹿だなー相手を見て行動しろよ・・・。


 相手の人・・・いや、あれ、人じゃないよ・・・うん。よく見る鬼さんだね。


「次の男来い!」


 あ、次は俺か・・・。


「はい」


 えーと。俺は、何とか潰されずにすみました。話をまとめると。


 鬼さん曰く、俺は地球で死んでいる。このまま、消え去るか、別の世界行くかを決めろと・・・。

 そうだな・・・消え去るかってのもなんだから、見聞でも広めに別世界行きますか。


「別世界でお願いします」


 鬼さんにそう答える。


 鬼さん曰く・・・これから面接を経て、行く先に合わせて俺の身体の設定をすると・・・なるほどよくわかりません。


 俺は鬼さんに案内され


「失礼します」


 次の部屋に通されたから一応挨拶する。


 そこには、面接会場のような場所があって、面接官みたいな女の人がいる。あ、面接官と言うよりも事務のお姉さんって感じだな・・・。まあ、当然、女の鬼さんなんですが・・・。


 これから長い説明があるみたいです。


「・・・で、こう言う仕組みなの・・・」

「あなた・・・こんなに・・・え?・・・もあるの?」

「えっ。ちょっと・・・これってどんな・・・」

「そんなことができ・・・いったい・・・ならこれかしら・・・」

「これが・・・私・・・」


 面接が終わる。


 体感でも十数時間かかったような気がするな・・・。死んでも疲れることを俺は知った。


 事務っぽい女の鬼さんの話しは、要約すると


「君、前の世界でなにしてたの?」


「えっと、無職です・・・」


「いや、そうじゃなくて、おかしいでしょ。あなたなんかいろいろできるみたいだし。え?資格・・・を取っていた・・・?」


「ええ、資格を集めてましたから・・・」



 俺は、ここに来る前は、ひたすら資格を集める日々を送っていた・・・。なぜ、そんなことをしてたかって?

 あれは、大学を卒業する年かな・・・


 就職氷河期ってのがあって、本当にどこへ行っても就職することが難しかった。俺は、卒業する年にちょっと色々あって本来受ける試験を受けられなかったりしたせいで・・・なんの資格もなく就活することになったんだ・・・。

 当然、面接官の親父たちには、相手にされなかった・・・なぜ、資格がない?と・・・ね。


 俺は、悔しかった・・・いやそれだけじゃないな・・・色々ムシャクシャしてたんだな・・・ 

 意地になって俺は、資格を取り始めた。そう・・・ありとあらゆる資格を受けた。資格を受けるためにアルバイトして・・・ためたお金でまた資格を取る・・・。資格だったらなんでもよかった・・・検定や免許もとれるものはとった。格闘技や武術の段位もとった・・・役にたつかどうかなんてもう関係なかったんだ・・・。

 途中から就活なんて興味がなかった・・・。明日受ける資格の試験の事ばかり考えてた・・・そんな日がずっと続いた・・・


 俺の目標は、いつの間にか・・・就活じゃなくて・・・資格を1000個とることになった。でも・・・俺は満たされない・・・


 そんな時・・・俺は死んで・・・異世界に行く資格を手に入れた・・・

 


 今、向かう異世界には・・・元いた世界で培ったものを次の世界でも使えるようにしてくれると言う。

 俺の資格を、次の世界の似たようなスキルに色々置き換えるみたいなんだけど・・・、数がいっぱいあって大変だと言われたよ・・・。


 俺は、お礼をかねて色々と事務っぽい鬼の女の人の相談にのったりサービスもしてみました。


 ようやく身体の設定が終わる・・・。事務っぽい女の人、長時間色々とありがとう。そして・・・お疲れさまでした。


「ありがとうございます」


 俺は礼を言う・・・


「こちらこそ。はい、それでは行ってらっしゃい」


 俺は、なんか笑顔の事務っぽい女の人に見送られるように案内されたゲートをくぐった。


 俺は異世界に旅だった・・・

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