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宿題に追われて間が空いてしまいました。


すみません。

「どうしようかな・・・。」


APの全てを使って何処からともなくどう見ても普通に見える砂岩で入口を塞ぎ、


岩の中に階段を作って上から出入りする様にする。

これで何とかダンジョンコアを外から見えなくなった。


出入りの不便さは仮なので関係ない。


ひとまずの安全は取れたものの、人間に見つかる前に他の入り口を作り、ここを移動させなければならない。


「うーん。


やっぱり風の神殿スタイルが一番かな・・・。」


某緑の勇者のゲームを参考にして、ダンジョンを広げるのが得策だろう。


――へたなオリジナリティを出してしんだら目も当てられない・・・。



と、いう訳でつるはしを担いで下へと掘り進めることにしたのだけど・・・。


「そう言えば、ダンジョンって外からの圧にどれだけ耐えれるんだろう・・・。」


「さぁ・・・。」


呟いた所で目に砂が入るだけしか起こらないので、

女神本をめくり、ダンジョンの耐久性について、検索する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ダンジョン


ダンジョンマスターを頭脳、コアを心臓とし、

外からの生物を喰らう無機生物。


周りからの攻撃や、水圧などの圧力を無効化し、

ただただ大口を開け続ける生物であり、

中へ入った異物はマスターの指示にしたがった魔物により排除され、

ダンジョンの養分となる。


ダンジョンの中では稀に宝箱が見つかり、

それを狙った盗賊や冒険者たちが侵略してくる事が多い。


なお、ダンジョンマスターは1つのダンジョンに一人と言うわけではなく、複数のダンジョンを一人で統括する場合も存在する。


が、必ず攻略出来るように作らなければならず、ダンジョンマスター達は日々頭を悩ませている。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


――心配は無用だったみたいだ。


ツルハシの下のひねりを回し、大部屋に設定。

形は円柱型に・・・。


ちなみに、さっきまでいた場所が小部屋で、

大部屋は大体四番位の大きさになるらしい。



ダンジョンを落とさないように少し離れた場所まで行き、

ゴンザレスを待機させてからツルハシを砂地へと振り下ろす。


ポコっ


気が抜ける音がして円柱状に砂地が消失し、石壁に囲まれた穴が出来る。


そして、わたし自身は足場がなくなり、空を浮ける訳もないので、当然その中へと落ちる。


死にたくは無いので三個の金指輪を大量の低反発ジェルに変えて落下の衝撃を抑える。


これを三十回ほど繰り返せば下への通路は完璧だ。

ダンジョンの初めの防壁として、

かなり頑張って作りこまないと・・・。



「・・・え?攻略できないじゃないかって?

壁に取っ手を付けてあるし、神に愛されているなら何とかなるんじゃないかな?」


女神本のメニューから足場を選び、タッチパネルでらせん状に等間隔に設置しながら何処へでもなく呟く。


DPの欄見ると何故か増えていたので、

ダンジョンになった場所にあった土とか、

ツルハシで消えたものはDPへと変換されているようだ。



「面倒臭いな・・・。」


掘る度にDPがけっこう増えてくれるのは有り難いけれど、この工程を何度もやるのはしんどい。


「おっ!」


STカスタマイズなる物を見つけて、目を輝かせる。

これならポンってすぐにこの作業が終わるっ!



――等間隔にらせん状になる様に、

なおかつズルは出来ないように並べるとなると、

米粒に仏像を掘る位の集中力を食われるわけで・・・。

それを三十回だなんて、

悟りも軽く開けそうな位の苦行だ・・・。


ダンジョンのひと部屋をコピーし、ツルハシのひねりの中の中くらいの部屋のあった所へ割り込ませる。


「よっこいしょぉおお!」


あとは、ひねりをそれにした後、落ちながらひたすらぶち抜くだけで完成である。


・・・落下死したくないし、流石に連続掘りは三層くらいまでに自重するが。



「もういっちょおおおっ!」


楽しくなり始めたけれど、つぎで一回目最後だ。


「ラァァアストォオオオオッ!」


思いっきり力を込めてツルハシをふりおろし、

そこでやっと、落ちる速度が異常になっている事に気が付く。

――不味い・・・。

予想以上に落下が速い・・・。

1つあたりビル三階くらいだから、

三つで九階から落ちたって事で・・・

・・・あれ?

しかもよく見たら低反発マットもツルハシの餌食になって薄くなってる・・・。

死ぬんじゃ・・・。



「げふぅぅぅっ!?」


「主人!?」


腹打ちで床に叩きつけられ、

空気が肺から絞り出されるけれど、

それだけだった。


「ん?」


殆ど痛みは無く、前回と違って骨もきしんでいない。

触診すると感覚自体は正常のままのようだけど・・・。

――ひとまず、こちらをのぞき込んでるアイツを安心させないとね。


「大丈夫みたい!

心配させてごめんねー、ゴンザレス。」


「無事ならよかった・・・。」


軽くその場でジャンプして平気な事を伝え、

また掘り始める。

体が何か頑丈になってるし、軽くなってる気がする。


――ま、気のせいか。

マットの厚い所に着地出来たんだろう。


「さて、と。

あと28層頑張るぞー!」


連続堀りは封印し、地道に掘っていく事にした。


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


途中で離れすぎて怖くなったからゴンザレスを連れてきて、

その後は黙々とやってたら予想より早く終わることができた。


なので、今は錬金術で作った椅子で休憩中である。



「ふう・・・。


これで落とし穴自体はOKだね・・・。」


「深すぎるのでは・・・?」


「いいや。

これくらいでやっと、

丁度いい位だ。」



三十層、


つまりはビル九十階から落ちるようなもので、

此処でのルール、

三属性のうちの一つをほぼ確実に潰す為の物だ。


大地(グー)海原(チョキ)、|天空《パー》。

その内の大地はこの落とし穴で仕留められる。

あとは海原の属性・・・

水っぽい何かしらを蔓延させれば負ける事は無い。


――三竦みなら、一点を抑えた後にその一点に負ける奴をぶち込めば負けは無い。


一番簡単な方法な落とし穴では天空は飛べるし海原は水ごと落ちれば無傷だから、

せめて大地だけは葬れるように徹底してみた訳である。



あとは、この落とし穴をダンジョンコアの部屋まで繋げれば良いし・・・。


感覚でコアの場所は分かるのツルハシのつまみを通路に変え、

上へと繋がるように掘っていく。


後で小部屋を追加してモンスターあたりでも放っておけば完成だ。

砂岩はそれ程高く無いけど量があるせいで

DPも溜まって来てるし、

本拠地を離れれるようになるのも時間の問題だろうな・・・。


ツルハシを背負い、

上段へと構える。

体重をかけて前へフルスイング。

壁を砕き、その先の岩を消しながら通路が伸びていく。

その通路を歩いてまた通路の端へとツルハシを振る。

伸びる。



「後少し・・・。」


――散々ふりまくった肩は筋肉痛になりそうな感じで、上手く動かない。

だけど、後少しだと辛抱してツルハシを振るう。


楽しく過ごすための下準備は後少しで終わる。

・・・さて、

この世界、どう楽しんでやりましょう?








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