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ドアを開け、

出発出来たと思ったのだが・・・。


「おい、駄目神。

何故外に出ただけなんだ?

しかも何で外に地面無いんだよ。

死ねと?」



外は青空だった。


冗談抜きで空しか無かった。

下を見ても地上が点でしか見えない。


ボロ小屋が空に浮いている状態だ。


「繰り返して言おう。

落下死させるつもりなのか?」


言われた通りに扉を開けたと言うのに

雲より高い上空に入口が開くとは・・・。


後ろを振り返って部屋の中へ戻り、

アイアンクローで

もみ上げあたりからビキッメキッとか音が立っている女神へ質問する。


「あががががががっ!


はなっしっあががががっ!」


また、痙攣してやがる。


このままでは何も進まないのでロックを外し、

床に落とす。



「はひゅぅ・・・。はひゅう・・・。

なんでそんなに力が強いんですか・・・。

防御力には自信が有ったのに・・・。」


「質問の答えは何?」


女神の頭へ指をはめつつ、聞く。


二度目は無いって明確にしておいた方が対応早いと思うし。



「はひいっ!

落下死はしないですっ!

この世界はガラス玉みたいな感じなものに包まれていて、


その外側にここは建ってるんや、です。


その球の上を真っ直ぐに歩くと、本当の転移門があるんや・・・。」


混ざってる。

動揺してなんちゃって関西弁と標準語混ざってる。


「そ。

んじゃあねぇ~~。」


目次を見たところ聞きたいことは本に書いてあるし、


何とかなるだろう。



・・・さて。

門まで遠いし、チートの性能確認でもついでにするとしよう。


――私が貰ったチートの中から、使うものを選ぶ。


使うのは、

物をポイントに変えて他の物に変えるチート、

完全なる錬金術。


そして、

チート装備のドラウプニル。

魔力を吸って同じ大きさ、材質の指輪を滴り落とさせるオーディンの金指輪。


これで、作成チートのコンボができる。

錬金術は不純物を除いて金を作る技術だし、

金さえ有ればかなりのものは作れる。



まず、人差し指にはめたドラウプニルから5つほど金の指輪を生み出し、それを材料にする。


――体からなんか抜けていく感覚がある。

これが魔力って奴なのかな・・・。


まず、錬金術でそれを変換して、

APとかいうものを一万ポイント手に入れる。


ローラーシューズあたりでも作ればコンパクトな移動手段になりそうだ。

靴はこの革靴しかないし取り外せる方を作ることにしないとな・・・。

距離があるから頑丈にしたいし、鉄製で。



直径二~三cmの鉄の車輪とその周りにゴムコーティングをして、車輪を2つで二千ポイント消費。



――この小さな車輪を1センチ外周包んだだけで五百も取られるとは・・・。

有機物は錬金術しづらいのかも知れない。



牛皮に似た強固な皮と、

強化プラスチックの軸受けを付けて、

さっきの車輪に鉄の軸を通す。


これで合計2570ポイント消費。

最後にベアリングを作って軸に通し、

軸受けへ取り付ける。


最後に固定する所に

プラスチックをはめ込んで、上から溶けたプラスチックをかけて固定すれば、終了。

ローラーシューズ、着脱式の粗製品が完成だ。



――もったいない。

まだ7430もポイントが残ってる・・・。



出来立てほやほやのシューズを革靴のかかとにベルトで固定して、終わり。

これで遠距離移動が素早く出来るようになった。


「ふぅ・・・。


じゃあ行こうかなっ!」


アイススケートをイメージして、ガラス玉の上を滑って行く。


スカートが捲れるのは気にしない。


――下から上を見上げている人(多数)から中身を見られ続けているんだし、もはや吹っ切れた。

ちなみに、このことに対して女神に鉄拳制裁は忘れずにした。

壁に穴が増えたけど、気にせず出発っ!



さぁ、今度こそ冒険の始まりだ!


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


「はぁ・・・はぁ・・・。


キツ・・・い・・・。」


――あの駄目神・・っ・!

いつまでたってもそれらしいものすら見えないじゃねえかっ・・・。


錬金術で椅子でも作れば休めるけど・・・。

座ったら方向が分からなくなりそうで怖い。


――だけど、体力は余り無いからなぁ・・・。


「うーん・・・。


って、そうだ!」



錬金術で鉄の矢印を作り、

それを向かっている方向に向けて置く。


そして、木材の丸太イス(木目無し)を作ってその上に置く。


「どっこいしょっと・・・。」


――どうでもいいけど、どっこいしょって言うとなんかかなりで疲れた気がするよね。


下の景色でも見ながら休もうかな・・・

と思って下をのぞき込もうとすると、



「ん?」



よく見ると足元のガラスにになんか模様が彫り込んである。

見たところ、何かの入り口。

門みたいな感じだ。

自分の座っている場所はちょうど扉の場所で、

2tトラックでも通れそうな大きさだ。


「これが、女神の言ってたやつなのか?」


女神からもらった図鑑サイズの本・・・異世界説明書を開き、目次から転移門を探す。


・・・在った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


大転移門


天上に存在する最大級の転移門で、扉の上で行きたい場所の名前を口に出すと、どこへでも転移可能である。


ちなみに、機動まで1分かかる。



なお・・・・・・。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



そこまで読んだ所で扉の絵が七色に光り出し、


バカン


と音を立てて開く。



「ちょっぁぁぁぁぁあああああっ!」



矢印やら椅子やらと一緒に自由落下が始まり・・・。


地面が近づいてくる。



転移はまだなのかっ!


雲を突き抜け、何処かの町並みが見え始める。


「いやぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!」


――オワタ・・・。

女神っ・・・これで死んだらぶっ殺す・・・ッ。



とんがり屋根の天井が目の前へ迫り、

そこで目の前の景色が掻き消えた。


「ふえ?」


次に見えたのは黄土色の質の悪い石畳。


「ぐえぇっ!」


蛙が潰れたみたいな声が肺から絞り出され、

呼吸が出来なくなる。


「がふっ・・・げふっ・・・。」


転移した時に死なない程度に減速してくれたのか、

全身の骨格が痛い位で済んだようだ。


――あんの駄目神・・・ブチコロス・・・ッ!


転移の場所へのサービスも無かった上に、

恐怖体験プレゼントとは・・・。

他の異世界に放置系の方がむしろましな気がする。


――暫くの間は高いところには近寄りたくないな・・・。


物理的に止まりかけた呼吸を何とか普通に戻し、

立ち上がって辺りを見渡す。


「ふーん?」


黄土色の砂岩で作られたthe洞窟って感じの洞窟で、床だけはタイル状に整えられている。


ここが、ダンジョンマスターとしての一歩目のダンジョンか・・・。


三つの大部屋で出来ており、真ん中の部屋の中央に寝そべっていたようだ。


奥へと進んでみると・・・。


「ピィ!(お母様っ!おかえりなさい!)」


「ピーちゃんっ!

無事だったかぁぁああああっ!」


愛しきウズラのピーちゃんがお出迎えをしてくれ、

他の奴らも何ともないようだ。


「グゥ。(ご主人。やっと帰りなさったか・・・。)」


「クゥ・・・(ご飯まだ?ご主人。回しぐるま張り切りすぎたよ・・・。)」


「ふぅ!(各人、沈まれ!主人は一度たりとも我らの食事を忘れぬっ!


まぁ・・・忘れたら僕がどつくのだが。)」


「キィ・・・(何か変なのに連れてこられたよ・・・怖いよご主人・・・。)」



言語チートのお陰で皆の本音を聞ける・・・。


チートっていいね・・・。

すべての物の言葉を聞き分け、理解出来るチート。

女神(からもらった)本でどれを聞き取らないか選択できたので、

ひとまず、植物と虫、魚の言語は外しておいた。


餌やりの支障になってもらっては困るし。



・・・あと、

因みにさっきの発言は、

上からウズラのピーちゃん。

亀のゴンザレス。

ハムスターのハム助。

兎のウサ。

そして、トカゲのトカちゃん

の順番に並んでいる。


――落ち着いたところで・・・・・・。


トカちゃんを怖がらせた私の敵(駄目神)は次会ったらすり下ろスッ!



ダイアさんより硬い覚悟を心の中でひっそりと決め、

各人へここが異世界で、

皆の言葉が分かるように成ったこと。

私が何時死ぬか解らないこと。


・・・そして、


各人が望むのならば外へ出て、チートの力で

私と共に立つ事も可能であることを知らせる。


残り二つのチートのうちの1つ。

魔生物作成の効力で人型に変えることも、

龍になる事も可能である。


――私としては矢面に立つのは私だけで十分なんだけど・・・・・・。

それで死んだらこの子達はどうなるのか、という話だ。


不死性をつけてもらったものの、

それは私のペットであるうちだけで、

私が居なくなれば死に絶えてしまう。

それだけは避けなければいけない。



「「「「「・・・・・・ご・・・・・し・・・・ごしゅ・・・・・ご主人ッ!」」」」」



「あ・・・ごめん。」


ぼーっとしてしまったようだ。

問いかけておいて、失礼な事をしてしまった。


謝罪をしていると、

ウサが代表で前に出てくる。

「僕らとしてはご主人を守るためなら、

命を賭すことも厭わない・・・。

だけど、

それでご主人を悲しませるのも筋違いだ。


・・・だから。まずはごんざれす を頼む。

こいつなら、主人も自分の身も守れるような奴に成れる。」


それに呼応して、ゴンザレスが口を開く。


「私からも頼むぞ、主人よ。

一番危険であるとは解っているし、

それに他の者達の頑強さでは、心配が残っていまう。

どうか、私を人型に変え、従者をさせてくださらぬか!」



「ゴンザレス・・・、分かった。

その言葉に偽りはないね?」

「あぁ、無い。

我が甲羅と大いなる光に誓おう!」

「ああ。

少し待っていて・・・・・・。」



慣れ親しんだこの愛らしき姿へ手をかけるのはとてもしのびない・・・・・・。


だけど、これもゴンザレスの決めた選択肢。

飼い主として、それを飲まなくちゃいけない・・・。

今まで言葉が分からずにねじ曲げてしまったであろうこの子の意志の為にも・・・。



女神本を開き、水槽へと向ける。


「いくよ?」


「分かったッ!」


起動の為のワードを呟き、

それに合わせて本から光の弾が出てくる。


「グッ・・・。」


「大丈夫っ!?」


手足が痙攣し、体の所々から血が滲み始め、

水が赤く染まり始める。


――やっぱりやめた方がよかったの!?


「私に構うな・・・主人よ。

これは、私の意思だ!」


「分かった・・・。」



この儀式を直ぐに止めたい気持ちを抑え・・・。

言葉に従う。



――成功しないとしても、

せめて、ゴンザレスが死ぬなんてありません様にっ!


ゼウス、天照大御神、ジーザスクライスト、オーディン、ミトラ。



知りうる限りの全ての神へ祈り、

光の玉に飲まれたゴンザレスの無事を祈る。



――どうかっ!



光が大きくなっていくのを見つめながら、

ただただ、祈るだけしかできなかった・・・・・・。




錬金術は、金属から金属などは変換しやすいものの、

金属から有機物、またはその逆はエネルギーが居るって事で、

ゴムのポイントは結構ぼったくりめに設定しました。



あと、亀の言っている大いなる光ってのは太陽のことで、日に当たらなければ、亀は死にますし、考えました。

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