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ンザンビの召喚士  作者: 鰯 寛之
プロローグ1
9/113

盗まれた雷神

諸君しょくんらに緊急きんきゅうで集まってもらったのはほかでもない。先日、雷アリーナでの進入獣しんにゅうじゅう事件のことで緊急に報告すべき事案じあんが発覚した。これは極秘ごくひ情報のため、各アリーナの最高責任者と施設しせつ管理主任者以外には内密ないみつに願いたい。進入獣がどこの国の召喚獣かは、現在そのきがらを解剖かいぼうして割だしを急いでいる段階だ。だが、今回は、そこは最重要の問題ではない」


「というと?」


「うん。どうやら、その進入獣は陽動ようどうだったようなのだ」


「陽動というのはつまり、注意をそらすためにつかわれたと?」


「ああ、そういうことだ」


「では、最重要の問題とは?」


「・・・雷神が盗まれた」


「雷神が?」


「まさか」


「そんな」


「何重ものセキュリティをくぐりぬけて、犯人は雷神が封印ふんいんされている羊皮紙ようひしを持ちだした。だが、封印をく方法が記述きじゅつされている羊皮紙は別に保管してあったため、無事だ。よって、すぐに封印が解かれるという事は考えにくい」


「だか、解読される可能性はゼロではないと?」


「・・・」


「犯人の目星は?」


「それも現在捜査中だが、どうやら内部に他国のスパイがまぎれ込んでいたようだ」


「なるほど。それならば、アリーナに張られた結界けっかいを素通りできた理由がわかる」


「起きてしまったことはしかたない。なんとしてでも犯人を割りだし、取り返すことに全力をそそぐ。それに加え、施設管理主任者の方々は火神、水神、土神、木神の保管、管理、運営に対して、あらためてセキュリティの強化をはかってもらいたい。二度とこのようなことが起こらぬよう、諸君らもくれぐれも注意してくれ。私からの話は以上だ。なにかこの機会に確認しておきたいことはあるか?」


「・・・誰が犯人か、ある程度目星がついているんじゃありませんか?」


「・・・」


「各神の保管場所やセキュリティの情報を知っている者は、内部の人間でもそう多くはない。陽動をつかったところで、簡単に持ちだせるようなものではないでしょう」


「ああ、その通りだ」


「やはり目星が?」


「・・・何名か重要参考人として話をきいている。だが詳しいことは、たとえ同国の召喚獣関連事業者の方々であっても、まだお教えすることはできない」


「雷神の力を悪用されては、国などわずかな時間で滅びますぞ」


「この件に関して、上層部じょうそうぶ進退しんたいについてはどうなされるおつもりで?」


「その件に関しても、いまはまだ何もお教えできない。まずは雷神を取りもどすことが先決だと考えている」


「各アリーナから優秀な生徒たちを集めて、捜索そうさくにあたらせるというのはどうでしょう?」


「その選択も、場合によっては・・・」

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