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ドラマ

 ある日、彼女と部屋でテレビを見ていたときだった。


 「ほにゃららはそんなこと望んでないぞ! なんてよく言ったりするけどさぁ。都合のいい言葉だと思わない?」


 唐突に、そんな話をしてきた。


 今テレビに映っているのは、夕方のニュースだ。○○県の△△市で殺人事件が起きた、と報道している。


 「いきなり何の話?」


 突拍子に会話が始まるのはいつものことなので、僕もいつもの通りに返す。


 「昨日のドラマだよぉ」


 と、彼女が呆れたように言う。


 うーん……、ドラマか。……そういえば、確かに一緒にドラマをみた覚えがある。恋愛物だかサスペンス物なのかよくわからないやつを。


 おおかた、そのドラマの最後あたりを、今テレビで報道しているニュースで思い出したのだろう。


 あぁ、あれね、僕が呟くように言ったが、彼女にもちゃんと聞こえていたようだ。


 「そぉ、昨日見たやつ。一日で忘れるとかおじいちゃんみたぁい」


 コロコロ笑いながら茶化すように彼女は言う。


 語尾を伸ばしてしゃべるのが彼女のクセで、自称、天然ふわふわ系女子とゆうキャラを作っているんだそうだ。そのキャラにほいほいと釣られた僕は今こうして彼女の恋人となっている。


 「それで? そのセリフがどうしたの?」


 後半部分の声は無視して先を促す。


 「だからぁあれって生きてる人の勝手な解釈ってゆうか思い込みだよねぇって」


 あえて茶化した部分を無視して怒ったフリをしてみても効果なし。ちょっとは、怒らせたかな? みたいな気弱な態度を見せてくれてもいいのにと思うがやっぱり無理だろうなぁ。もしくはその魂胆まで見透かされているのか。


 「あ、でもぉドラマじゃぁ、刑事さんが犯人を説得するために言うわけだから思い込みじゃないかぁ。うーーん……なんてゆうんだろー…

ぐーりぐーり」


 手で頭を抱え込んで、自分でぐりぐり言いながらぐりぐりして考え込む彼女。周りからから見たら、重度の痛い子か、間違ったぶりっこだ。


 でも、何となくおもしろかったので僕の手も彼女の頭に置いてぐりぐりしてやった。ぐりぐり二倍。ぐりぐりぐりぐり。


 「おお!? おまえさん!? 頭の回転やばい! ぐるぐるしてべっ!」


 こんな事しながら喋ってたら舌かむんじゃないかなぁと思ってたらかんでしまった。


 「舌かむよ」


 「遅いわ!」


 殴られた。「理不尽な彼女だ」


 「口にでてる!」


 また、殴られた。じゃあ、思う分にはいいんだろうか。 


 「それもだめ!」 


 またまた、殴られた。


 「え、今、口に出してた?」


 「出してなくてもわかる!」


 そうか。さすが彼女だ。だてに一年つきあっていない。 


 あと………、 


 「しゃべり方、素にもどってるよ」


 「誰のせいだ!」


 僕のせいです。もう殴られたくないので話を戻そう。


 「で、わかった?」


 「ん? なにぃ?」


 笑顔で首を傾げられてしまった。かわいいから許してしまう。


 「ドラマの」


 「あーあれ?」 


 一瞬で戻る口調。


 「しゃべり方」


 「うっさい。あんなしゃべり方いつまでもしてられないわよ」


 じゃあ、なんで冒頭からずっとあのしゃべり方だったんだ。


 っと、言おうしたところでこっちを向いて彼女はニヤリと笑う。


 「男釣るときだけで充分」


 釣られた僕は今(以下略)。


 でも、ちょっと言われ放題は癪だったから言い返してやる。


 「大物が釣れて良かったね」 


 「第一位希望は外したから第二希望で我慢してるのよ」


 あっさり言い返される。いや、良い替えだったのかな。……我ながらつまらない。


 「でも二番ではあったわけだ」


 そう言ってやると彼女は照れたように目をそらし………たりはせず、


 「そこで満足してるようだったら別れる。一番になろうと努力しなさい」


 淡々と命令をくだす。素の彼女には本当にかわいげがない、


 「なんてことは思っていないが」


 「は? なによいきなり」 


 今度は心を読まれなかったようだ。彼女の読心術(対象は僕限定)の成功率は低いのかもしれない。


 「いや、僕にとっての第一希望は君だったんだけどね」


 「なら、私は一番になろうとする努力は必要ないわね」


 このくらいでは、照れてくれないようだ。やっぱり素の彼女にはかわいげがない。


 ………あれ? 結局なんの話してたんだっけ?

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