園也
前園麻耶 それが私の名前
大好きな人は…
「園也」
正確に言うと
「大好きだった人」
園也は…
園也はあの時…
園也…どうして…
園也…
園也…
「あっあの人?」
園也が言うような黒髪のストレート
3年生のバッチ
「原田彩香」(はらだあやか)と、名前のはいった名札
「あっ彩香さんだ…」園也は言った
「行ってきなよ!」
「ムッ、ムリ…!」
「え?ずっと話したかったんでしょ?」
「だっ…でも…」
キーンコーンカーンコーン
「あ…」
声が重なる
「にゅ…入学式!」
「……」
「何組!?各教室、集合だったよね!?」
「シ…C組…」
「一緒じゃん!いこ!」
私と園也は走った
ガララッ
「すいませんっ!ちょっと…」
「ヘラヘラすんな!入学式に遅刻とは何事だ!廊下でたってろ!」
見たこともない先生がどなる
「は…はーい…」
逆らえなかった。私と園也は二人で廊下にたった。
しーん…
気まずい雰囲気がつづく。
「あ…はは…たたされちゃった…ね…」
「……」
何!?何なの!?無視!?
「…俺のせい?」
「へっ?」
「ごっ…ごめんな…」
…あ然…
「そっそんなこと…ないよ!私もチンタラしてたから…」
「…ハハハ!そーかもな!」
「なっなによ…」
正直、この時はびっくりした。ずっとウジウジしてた園也が急にタメ口たたいて笑いだすんだもん!
「もう、はいってきていいぞ」
先生が言った。やけににやついた顔で…
「二人に頼み事がある。遅刻したバツとして、学級委員をやってもらいたい」
ハァーーーーーッ!?
一年間の事でしょ、こんなんできめていいのーーーっ!?