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夕方5時

掲載日:2026/02/16

「よ!」

そんな軽快な挨拶からケイはいつも話しかけてくる。

「なに?」

「いやー、昔はよかったよなあ」

「なにが?」

「だってさー、イナズマイレブンとかダンボール戦機とかあの夕方のアニメタイムほど幸せな時間そうはないよ?

 今の子はそれがないなんて可哀想じゃない?」

「あー、まあそうだね。でもいいんじゃない?Youtubeでヒカキン見れるし」

「ほーん」

なんだか期待していた返事と違ったのか、飽きてそうだ

話を振ってきたくせに

「人間って死ぬじゃんか?じゃあ生きるの意味ないんじゃね?」

急に話題を切り替えてきた。

正直、こういう話あんまり好きじゃない。考え出すとキリがないし、答えなんて出ないのわかってるから。

「意味?まあ、楽しく生きればそれでいいじゃない?なにあなたも変なことで悩むのね」

「いやさ、"生きる目的を探すのが人生だ"とか言う人がいたんだけど、結局死ぬじゃん?何も残らないよ。次世代に命をつなぐっつても俺の命はなくなるわけでさ」

別に深刻そうでもない。ただふと思いついたことを口にしてるだけって感じ。

「まあ、それ言っちゃおしまいだね。じゃあ永遠に人生があったとしたら意味あるってことになる?」

「うーん、それはそれでめんどくさいなあ笑」

ケイはあっさり笑った。

「ねえケイ、そういうのってそんなに考える?」

「ん?たまーにね。ふと思うことあるじゃん」

私はあんまり考えたくない。というか、考えてもしょうがない。

「あのさ、ケイ」

「ん?」

「人生には意味がないんだよ、多分」

「おお、急にどうした?」

ケイが嬉しそうに目を輝かせる。

「意味なんて最初からないの。ただゆらゆら生きていくだけ。だから意味がないからこそ、気楽に生きていけるんだよ」

「ほう」

「意味があるって思うと、それを達成しなきゃいけなくなるでしょ?でも最初から意味なんてないって思えば、別に何やってもいいわけじゃん。イナズマイレブン見て楽しかったらそれでいいし、マック食べたかったら食べればいい。全部等価値」

ケイはニコニコしながら聞いている。

「ゆらゆら揺れながら、その時その時で楽しいことやって、気づいたら死んでた。それでよくない?意味を探さなきゃって思うから苦しいんだよ。意味なんてないんだから、適当でいいの!!」

「へー、いいこと言うじゃん!」

ケイが嬉しそうに笑った。

自分の意見が肯定されたいだけだったのかも…

「なんかさ、それ聞いたらスッキリした。意味がないから気楽、か」

「だからもうそういう話振ってこないでよ。めんどくさいから」

「えー、でもたまに面白いじゃん、こういう話」

「ケイは面白いかもしれないけど、私は別に……」

「じゃあ今日はゆらゆら揺れながらカラオケ行く?」

「急だね」

「だって意味ないんでしょ?だったら楽しいことやろうよ!」

ケイは相変わらずニコニコしている。結局何も悩んでなかった、こいつ。

「しょがないなあ、あなたの歌下手だからそんな聞きたくはないんだけど?」

思いがけないイベントにわたしはふと笑みがこぼれた

Xにて掲載したものをこっちでも投稿しました。

Xアカウント→@tPhNXoLuS351068せんくしゃ

2026/02/15に投稿

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