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第5話 激突!桶狭間①


桶狭間山へ出陣前の僅かな時間

長秀と2人でタクアンと湯漬を掻き込み一息付いた信長。



「五郎左《丹羽長秀》なにか言いたそうだな。隼人の事か?」



「はっ!御館様。いくらなんでも出自の確認も出来ない大男3人。その先導に従って今川軍の真っ只中に誘導されれば全滅です。」



「ああそうだろうな、まあこれを見ろ」



先ほど手渡された織田隼人が信長の一門衆だという証拠の品。織田木瓜印の漆塗り箱を丹羽長秀に渡す。



「では、失礼して。」



その古びた箱を手に取り間近で確認すると、何かに気付いた長秀。



「これは!まさか?」



動揺する長秀に信長は



「開けて中を見てみろ…」



震える手で恐る恐る中を見た瞬間



「そんな馬鹿な!これは8年前、殿の指示で我が用意した御子息様への身分保証の脇差し


特注の品にて刃の根元に永楽通宝の旗印を刻印させました。何故か箱の痛みは酷いですが相違御座いません!」



「そしてこの書状も見覚えあるだろう?」



相当な年月を経て所々シミや虫食いの跡さえ見られる、古びた1通の書状も長秀に渡す。



「ああ!!なんと……」



額から汗が流れ出るが拭おうともせず書状から目が離せない。そこには




我が長男、織田 信隼のぶはや

訳あって我が庶兄・織田信広の子として人生を歩む事となる。



家督相続とは無縁にはなるが、我の長男であることに相違無い事ここに認めておく。我と兄上、立会人として丹羽長秀三名がこれを保証する。



1552年4月1日

織田信長・織田信広・丹羽長秀




署名と花押も記されていた。



「どうだ五郎左《長秀》?」



「この書状は間違いなく本物です。あの日の事は忘れもしません。それと信じがたい事ですが…」



「良い!申せ」



「はっ!この箱と書状、相当な年月を経ていると推測されます。それも自然劣化…故意に汚し痛めて出来る物では無いかと…」



「隼人は522年先の世から来たと申した。この2品無くば弓部隊で射殺し戦の前に気勢を挙げたとこだ」



「………」



「時が無いゆえ詳細は後程じっくり聞かねばならん。何やら楽しい事が起きる予感がするぞ五郎左ニヤリ」



「ニヤリですか?ははは。うつけと呼ばれていた頃の、三郎《信長》様の笑い方を久しぶりに見れましたw」



「ふん、だとしたらここで死ぬわけには行かなくなった。儂は隼人に賭ける!義元の首級しるしを挙げて522年後の世界の話を聞かねばならぬ」



信長は長秀に懐から取り出した物を見せる



「隼人がくれた"腕時計"と言うものだ。これ1つで同時攻撃等の軍事行動が容易くなる。儂はとことん傾奇者かぶきものを演じるぞ付いてまいれ!」



「はっ!おみゃ~様、待ってましたでよ~w」





今川義元本陣(桶狭間山) 12:50



午前中の戦闘で織田軍の丸根砦・鷲津砦が陥落。この勝利で今川軍には油断が芽生えた。



当主今川義元も桶狭間山の本陣でうたいをうたわせ兵を労っている。



しかし降り続く雨は本降りとなり周囲の部隊連携も雑になっていく。2万以上の大軍も義元本陣が孤立して機能していない。



AI亜梨沙

『今川義元本陣まで500m。最新雨雲レーダー20分後13:10!激しい暴風雨に見舞われ視界聴覚共に失われます』



隼人

「ラジャー!どれくらい続く?」



『30~35分程度!』



隼人

「十分だ、俺は本陣の織田信長に伝えてくる。豪雨は今から30分後だとな」



「う~わ時計渡したんだろ。後で虚偽報告の罪で斬首とかされないよな?」



「そこは多少前後のズレはありますが、って前置きするさ」



大和

「それは必要だ。但し織田信長の直感の鋭さは異常だったと、数々の古文書に出ている。気を付けろ」



「ラジャー亜梨沙、今川義元の居場所リアルタイム追跡切らさないでくれ」



『ラジャー、ロックオン完了しています。暴風雨の視界聴覚無しでも骨伝導誘導しますのでお任せください』



「ラジャー!ウォーミングアップがてら走って行く。2人も動的ストレッチで体温高めておけ」



「「ラジャー!!」」



信長の陣営に超高速スピードで走り去っていく隼人



『まだ仁や大和には言ってないが防具や無線機、昔のスマホとかは入ってる。マシンガンや携帯型レールガン等、攻撃用武器は入ってない。ただ飲食物が種類豊富で在庫も無限、これ以上望むのは贅沢だな』



何やら無限収納は宝の山のようです。

~ ~ ~


【織田信長の書状】


1961年に行われた第1回東京都江東区北砂・織田隼人本宅跡地発掘調査で発見された書状。



織田信忠よりも前に、信長には男子が出生していたと驚愕の内容が書かれていた。



1552年4月1日の日付で

織田信長・織田信広・丹羽長秀3人の署名と花押が記されている。



織田信長の長男、織田 信隼のぶはやの身分を保証する書状の存在は、織田家の歴史を根底から覆す世紀の大発見となった。



同時に発掘された織田木瓜印の漆塗り箱と共に《《国宝》》に指定され、江東区木場の東京織田隼人記念館に展示されている。

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