第10話 柴田勝家の弟子入り志願と一之太刀《ひとつのたち》
1560年6月4日 19:30 清洲城門前
織田隼人
「嘘だよね…美幸ちゃんが悪目立ちするので、戦場以外で全力疾走禁止なんて言うから、普通に歩いてこんな時間になったけど…何で熊がいるんだ…」
仁
「あの熊さんずっと隼人を睨んでるぞ…怖いな変質者かな?パウパトロー○のチェイスを呼ぶか」
大和
「儂はラブルに似ていると言われるがブルドックじゃねーし…関西弁も使えねーよ……それより2人共いい加減にせぬか!桶狭間で面識があるだろ。織田家の重臣・柴田勝家様だ。」
AI美幸
『生誕に関しては諸説ありますが1522年説が有力ですので現在38歳です』
「2m超えの俺が言うのも変だけどさ、デカいよな!190cmはあるぞ」
「今川義元もそうだけど、1500年代で現代人よりデカいってのが化物だな…」
「それはそうと早々と挨拶を交わし、大殿に到着の報告をするのが先ですな脳筋主よ」
「おお!そこに居るのは一門衆織田隼人殿では御座いませぬか?いやいやこんな偶然、滅多に無い事ですぞ!ささ城内の稽古場にて1手・試し合い等いたしましょう」
トリプルタワー
「「「…………(汗)」」」
「大殿に呼ばれてるのって隼人だけだよな?帰ろっか大和。もう暗いから全力疾走しても悪目立ちしないだろ…」
美幸ちゃん
『残念ながら隼人《《一派》》で呼び出されてますので、仁様も当然メンバーの1人です。』
「ブラック上司の次はパワハラ先輩かよ…」
「絶好の機会ではないか。掛かれ柴田から試合の誘いなど滅多に無い事。儂は隼人が羨ましい。」
「仕方ない受けてやるが、腹ペコだから即絞め落として夕飯にするぞ。」
柴田勝家に中庭の広い場所に強制連行されると、そこには待ちくたびれて不機嫌そのものを具現化した人が座っていた。
隼人
『ホントこの人、《《感情は隠さない》》を美徳として生きてるんだろうな(汗)』
美幸ちゃん
『人間らしさを剥き出しに表現する方ですね。』
織田信長
「遅いぞうつけ!桶狭間で見せたお前の速度なら、15時には到着しているであろうが!悪目立ちが怖いなら誰も指摘すら出来ないほど、目立てば良いではないか!この大うつけ!!」
美幸ちゃん
『ねっ。(誰も指摘すら出来ないほど、目立て)なんて私の予測不可能なセリフでしょ。』
隼人
『まったくだ』
「はっ!申し訳御座いませんでした。今後出し惜しみなく行動致します。」
「ふん!良い、だがこんなに待たされたんだ。よもや一瞬で終わらせて夕飯などと考えてはおらぬよなニヤリ」
仁&大和
『『えっ予言者なの?千里眼持ちか?』』
美幸ちゃん
『この方だけはAIを遥かに超越しています……』
柴田勝家
「御館様…一門衆殿が強いのは理解していますが、それは儂に取って屈辱ですぞ。」
信長
「そうか?儂は鼻っ柱の強い隼人に嫌みを言って待たされた憂さ晴らしをした後に、権六が叩きのめしてくれると信じているのだが?それのどこが屈辱なのだ?」
「おお!そうですか、いやいやそうでしょうとも。この勝家、御館様の御期待に添う名勝負をご覧に入れまする。」
勝家とのやり取りの後ほんの一瞬、信長は隼人に向かってニヤリと笑った。
AI美幸ちゃん
『今のニヤリは、部下の疑念をやる気に変えるにはノータイムで切り返せ、を実践して見せたニヤリです。つくづく恐ろしいお方です…』
大和
『後世では確かに切れ者ではあるが、自分のレベルに付いてこれない家臣達には、言葉足らずの癇癪持ちと伝えられているが…実際見ると聞くとでは大違いだ』
「では参りますぞ一門衆殿」
「隼人でいいっす何時でもどうぞ。」
お互いに小姓から手渡された得物(得意な武器。獲物とは違う)
勝家は木槍、隼人は自ら出した竹刀を構える。
勝家
「さすがですな。迂闊に攻めると切り返しで腕がやられるか…」
隼人
『へえ~チラッと視線を送っただけで小手狙い即バレか。実戦豊富な人は違うな。コイツを試してみるか!』
「参る!一之太刀!」
勝家
「ぐわぁ………」
ガガン!ゴロゴロ!バタン……
隼人
「えっ!!?なに?なになに?竹刀がヒビ割れって?」
シーーーーーーン
佐々成政(24歳)
「まさかとは思うが一之太刀と聞こえた気が?」
金森長近(36歳)
「剣聖・塚原卜伝様の奥義…」
池田恒興(24歳)
「あっ!それより柴田殿は大丈夫か?小姓!水と手拭いを持て!」
ピクリとも動かない柴田勝家の元へ集まった、織田家臣や小姓等が心配そうに取り囲む。
織田信長
「……隼人ついて参れ……仁に大和もだ。皆の物!権六の胴丸にヒビが入っておる。直ぐに医者を呼び、来客用部屋にて養生させろ。
堀秀重、沢彦宗恩師へ明日午前早めに訪ねたいと先触れを出しておけ。緊急案件だと念を押させろ。」
信長の指示で家臣団が一斉に動く中、突然柴田勝家が立ち上がり
「あーー痛かった流石は隼人殿、織田一門衆武門の柱じゃ!儂の目に狂いは無かったぞガハハハハ」
シーーーーーーン
再び静まりかえる清洲城中庭
堀秀重(28歳・堀秀政の父親)
「し、柴田殿!大丈夫なのですか」
「ああ、余りの痛さに一瞬気が飛んだが、その竹刀とやらは稽古に良いな致命傷にならぬ。木刀だったら今頃、三途の川だ…
それと御館様に念押しされ、お互いに胴丸を着用していて助かった…ところで…」
何かを決意した顔で、信長と一緒に城内へ歩き掛けていた隼人の前に土下座をする。
隼人
「はい?」
柴田勝家
「織田隼人殿、いや剣聖・御師匠様!この柴田勝家・元服以降初めて完敗致しました。未熟者では御座いまするが、どうかどうか剣聖様の弟子として末席に加えて頂きたく、ここに伏してお願い奉りまする。」
隼人
「えっ?いやいやいや!ちょっと待って下さい。落ち着きましょう柴田様。」
勝家
「十分に落ち着いておりますぞ。なにせ御師匠様の見えない剣筋のせいで1~2分も爆睡させられましたからな。ワハハハハハ。
毎朝5:30から朝稽古をしておると森から聞いております。儂は弟子として5:00に出仕し、御師匠様の竹刀を磨いておきます。明朝から宜しくお願い申し上げます。」
「ええぇぇぇ~(泣)」
助けを求めて信長をみると
「権六に土下座までさせたんだ。あきらめるんだな隼人。優秀な弟子ができて良かったではないか」
「勝手に土下座しただけでしょーー」
信長
「権六、念のため医者の診察は受けろ。その様子だと大事は無いが骨にヒビが入ってるやも知れん。剣聖隼人は体調不良の弟子に稽古は認めんらしいぞw」
「はっ!それは一大事、オイ早く医者を呼べ。お墨付きをもらって明日から修行の日々じゃワハハハハハ」
隼人
『もう嫌だこいつら狂戦士だらけじゃねーか!俺だってなプライベートタイムが欲しいんだよ……』
美幸
『脳筋主様、類は友を呼ぶんですねw』




