No.3 覚悟
一様、ラノベだと思って作ってます。
楽しんでってください。
後日、楓さんの顔を見に行くため病院へ向かう。
病室の前まで進んだが、この扉の向こう側に楓さんがいると思うと少し怖くなる。
本当に記憶がなくなっているのか、顔を合わせた所でに何を話しこれからどうしていくのか。
しかしここまで来て後戻りはでいないので、勇気を振り絞りドアの向こう側にいる楓さんに会いに行くことにした。
ドアを開けるとこれまでと変わらない楓さんがいた。
「おはようございます楓さん」
すると楓さんは、驚いたかのように目を見開いた。
「おはようございます」
「あなたが拍さんですか?」
「……」
俺は黙り込んでしまった。
似ているようで似つかない、喋り方や仕草が妙に変わっていた。
俺自分の中で悲しみが込み上げてきた。
「……俺が拍だよ」
「やはりそうですか、ご両親からお聞きしています」
少しの間気まずい空気が流れる。
「そうだ、これあげます!」
と楓さんの掌にお菓子を渡す。
「なんですかこれ?」
「見ての通りチョコレートですよ」
「食べてもいいですか?」
俺は首を縦に振る。
そうすると楓さんは丁寧に包装を剥がし、小さな口に一口サイズのチョコを口に運んだ。
実はこのチョコレートは事故がある前、楓さんが好んで食べていた。
「うん、美味しい!」
そういうと楓さんはこちらに向けて笑った。
そして、少し場が和やかになると俺は思い切ってはなした。
「これからどうしていきたい?」
「記憶を取り戻して前していた生活に戻りたい」
そう聞いて俺の中の覚悟は固まった。
「なら楓さんの記憶が戻るまでサポートするよ」
「ありがとうございます……」
俺は楓さんの記憶を取り戻すという事を目標にして、退院したら記憶が取り戻せるように色々な策を練った。
しかし、まだ楓さんと何もしていない……。
もっと思い出になるようなことをしておけば良かったとしみじみ痛感していた。
とりあえず、退院してから取り戻すことに専念するため、できる限りのことをノートにまとめていった。
時は過ぎ夏休み前になった。
楓さんを色々な検査を終え、退院することができた。
長期休みの間しか長距離移動や時間がないので今は絶好のチャンスだった。
放課後、俺たちだけの経験では物足りないと感じたので楓さんのご両親に相談することにした。
楓さんの家に着き、インタホーンを押した。
「はーい」
と楓さんの声がした。
「拍です。ご両親はいますか?」
「あ! 拍くんきてくれたんだ」
「私の親は今、家にいるよ」
「お邪魔していいかな?」
というと玄関から楓さんのお母さんが出てきた。
「あなたが拍くんですか?」
「はい、そうです」
「よく、こんな暑い日に来てくれたわ、さぁあがって!」
お母さんは凄くニコニコしている。
いわれるがままに家の中に連れていかれると、リビングに案内された。
リビングには、おとうさんが暑いと言わんばかりにエアコンを付け、椅子に座り3人の話し合いがスタートするのだった……
アドバイスや質問があればどんどん教えてください。