第十九章5 【アンサー・クリエイト/第10席戦1】5/芳一の嫁探し3
【ピンク・シニョリーナ】は、
『これから妻を選抜するにゃ~。
あんまり妻が多くても一人一人を相手にしてもらう時間が少なくなるので人数を区切るにゃ~。
まず、【ダーリン】が妻にしないといけにゃい最低人数は13名にゃ~。
これをレギュラーとするにゃ~。
それで【良い妻】の【良い】と掛けて【41名】までを妻とするにゃ~。
だから補欠の妻は、28名にゃ~。
これは公平に【コウノトリ】に掛けて【恋う/請うの鳥】41羽に判定してもらうにゃ~。
【ダーリン】の最も役に立つ13名を1番から13番、数合わせの補欠を14番から41番にしてあるにゃ~。
1番から13番には差は無いとするにゃ~。
14番から41番も同様にゃ~。
だれが正妻13名の中に入るか、女としての勝負にゃ~』
と言った。
【芳一】は、
「そんな、無茶苦茶な・・・」
と抗議しようとしたが、
【ピンク・シニョリーナ】は、
『受付はこちらからにゃ~。
早く受け付けた方が若い番号が付くように設定しているにゃ~』
と言った。
その言葉に触発されて、周りで様子を見ていた見知った顔プラス185名の中からも次々と並び始めるのだった。
あまりの出来事に【芳一】はただ、ただ、ぽかんとした。
ここに【芳一】の意思はない。
ただ、【芳一】への恋心以外にも【覇王/オーバーロード】の妻という立場になれると言う事も少なからず、この熱狂に影響している事は否めない。
言ってみれば、地球最高権力への玉の輿の様なものだからだ。
【芳一】はこの光景を見て、
(女性は怖い・・・)
と思ったのだった。
だが、【恋う/請うの鳥】に判定してもらうと言う点は良い方法だと言えるだろう。
このままでは【芳一】は誰も選ぶ事無く、【テンス・オーバーロード/第10覇王】としての資格を失う。
そしたら万が一、【フェイマス】辺りに【テンス・オーバーロード/第10覇王】になられた日には、どんな壮絶な嫌がらせが【芳一】に降りかかるか解らない。
【芳一】は既に【フェイマス】に喧嘩を売っている。
だから、この件を受け入れるしか無いのである。
【芳一】は、生涯独身もありかな?と思っていた。
それが41名も奥さんを持つ事になるとは夢にも思って居なかった。
それに【芳一】自身も足せば、その数は42であり、【よい/41】と言うより、こんなに相手していたら【死に/42】ますと言う表現になるのでは?とちょっと思った。
【芳一】も確かに女性が好きだが、彼はそこまで性欲が強くない。
そんなに相手出来ないと萎縮していたのだった。
だが、彼に意見を言う資格はない。
と言うか状況がさせなかった。
彼は黙って従うより他無かった。
彼の女難はこうして始まったのかも知れない。