第十九章3 【アンサー・クリエイト/第10席戦1】3/芳一の嫁探し1
【唯野 芳一】は途方に暮れていた。
それは女に狂っていてハーレムを作る事しか頭にない現・【テンス・オーバーロード/第10覇王】の【フェイマス・グローリー】がとんでもない条件を出してきたからだ。
それは【男の【テンス・オーバーロード/第10覇王】の候補者は人格の数だけ妻を連れてくる事であり戦いは本人と配偶者のみで1対1を基本とし、戦う者が出なくなった方は負ける戦い以外は認めない。女の【テンス・オーバーロード/第10覇王】の候補者は同性のみ友達として参加を認める】と言うものである。
つまりほとんど男性が参加出来ないバトルという事になるのだ。
【芳一】と【フェイマス】以外の【テンス・オーバーロード/第10覇王】の候補者は、
シンプルな戦闘力最強の【超絶格闘戦士ユニット・ヒロイズム】、
魔法、超能力など多彩な力を使う【造力の深魔女/ティアラ・ジェネシス】、
無数の超アイテムの所持権利者である【権利の才覚/ライト・エフェクト】、
食欲性欲などを力に変える悪食である【極無限悪食ショット・ストライク】、
実年齢93歳の強欲科学者である【超絶改造秘学者ドクター・クレイジー/デンジャー・クレイジー】、
不安定な力を持つ、様々な真の強者の遺伝子を持つ【真強者の娘子パズル・クイズ】、
の6名である。
この内、男性であるのは、
【ユニット】、
【ライト】、
【ショット】、
【ドクター・クレイジー】、
の4名である。
その中で、【ショット】は女性にも慣れるとして女性として免除を申し出ている。
【ユニット】、
【ライト】、
【ドクター・クレイジー】、
の人格はいずれも1つずつであり、それぞれにはちゃんと配偶者が居る。
つまり、13の人格を持っている【芳一】にだけ極端に不利な条件なのである。
もちろん、【芳一】は独身である。
誰とも結婚していない。
本人の知らない所で結構モテている様だが、本人にその自覚は全くない。
自分はモテないと思いこんでいる。
女性からすれば、【芳一】には全く隙がないのだ。
女性が入り込む為の隙が見えないから、女性からはアプローチしにくく、【芳一】は自分の世界を持って行動をしている。
そのため、通常の状態では誰もついて来れないのである。
彼がモテないと勘違いしている理由はそこにある。
だが、【テンス・オーバーロード/第10覇王】として戦場に立つには最低でも13名の配偶者が居る。
戦いのためのエントリーへの時間もそれほど残されていないため、これからそれを決めなくてはならない。
だが、
「13名の妻の1人になって下さい」
なんて、言えるはずもない。
だから彼は呆然としていたのである。
はっきり言おう。
【芳一】自身では逆立ちしてもどうにもならない。
そう言う甲斐性は彼には全くない。
だから、状況を見守るしか手がなかった。




