第十九章15 【アンサー・クリエイト/第10席戦1】15/【事実をねじ曲げる強制力】5/【新メンバー/花森 逢美(はなもり ほうび)】との1日
続いて、【新メンバー/花森 逢美】との一日になる。
彼女も【芳一】の主人格を選択している。
彼女は、【最高宝大商人の大宝壺の精霊】である。
わかりやすい表現で表せば、【ランプの精】に近い存在と言えるだろう。
そこに、【九十九神】の要素も混じっている。
長い間、大事にされた【大宝壺】と言う大壺に【精霊】が宿った存在であり、主となった者、特に男性に対して妻として尽くす存在として存在している。
【逢美】は、
『ご主人、ご主人』
と話しかけてきた。
【芳一】は、
「君は・・・ランプの精かなんかと同じタイプなのかな?」
と聞いた。
【逢美】は、
『そうですね。
だから、下半身は大壺の中に入っていますし、上半身を分離して外に出れる様になっています。
ふつつか者ですが、よろしくお願いします』
と言った。
「失礼な言い方になったらごめんね。
君は、知的生命体なのかな?
それともアイテムなのかな?」
『知的生命体でありアイテムでもありますね。
どっちも正解です。
アイテムは通常、欲した方が選びますが、私の場合は、違います。
私の方から所有者を選んでお仕えします。
私は所有者の方と結婚という形でその方のアイテムとして所持する事の契約とします。
なので、私は好きでもない方と結婚するつもりはございません。
ご主人にならと思って嫁ぎに参りました。
よろしくお願いします。
私は、主にアイテムなどの管理を得意としております。
最初は便利な道具としてでも良いので置いていただけませんでしょうか?
必ずやお役に立ってみせます。
私の事は【逢美】とお呼びください』
「うーん・・・でも、僕はたくさんの奥さんを持つと言うタイプでは無いんだけどね。
だからと言って君だけを選ぶ訳にもいかないし・・・」
『では家電でも手に入れたと思ってください。
それならば、他に奥さんが居てもかまわないのでは?』
「いやぁ、君に感情があるのならそんな物みたいな対応は・・・」
『やっぱり思ったとおりの方だ。
やっぱり絶対にお嫁にしてください。
押しかけ女房でもかまいませんので』
「こ、困ったなぁ・・・
とりあえず、今は、事が事なんで、フィアンセって事で納得してもらって良いかな?」
『はい。
それでかまいません』
などと話をしていたのだった。
その後はお互いの出来る事や相手に望む条件などを話し合った。
妻というよりは契約者同士という感じの関係になりそうだった。




