第十九章1 【アンサー・クリエイト/第10席戦1】1/弱強威(じゃくきょうい)再編成・贄喰威(にくい)の誕生1
心ない力のままに暴虐の限りを尽くしていた【心に相応しく無い大きな力を得た脅威】/【弱強威】は、【真なる強者】ではない。
【真の強者】は悪戯に暴力を行使しない。
なぜならば世の物事の儚さを知るため、己の力の大きさを理解し、自制するからだ。
だが、中途半端な力を得た無法者達は力を悪用し非道の限りを尽くしていた。
そして、それは、【真の強者】の一角たる【超越】の17位、蟻や蜂の様な特性を持つそれとは全く別の生命体【権要女王蟻蜂】から他の【超態至】を喰らったり進化変態した【重複権要女王蟻蜂】の代表格を務めている【クイアンビー】に挑みそのトップ10000もの上位達はそれらが率いている【9600垓】もの超大軍勢もろとも全滅一掃された。
【クイアンビー】にとってはゴミ同然。
そのため、その【トップ10000】の【存在】は完全消滅させたが、その【力】の【源】は、たまたま、【セブンティーン・クラス・ミーティング】で帰りが一緒だった【条件覚ミドルランク第17位】の【真深神覚醒龍辰竜】代表【ドゥラティア】の手によって一時的に保護された。
【条件覚】とは元々弱者から【超絶覚醒】を繰り返してなった存在であるため、慢性的に人材不足ならぬ【存材不足】であるため、人員ならぬ【存員確保】のため、【弱強威】の【力】だけには注目していた。
その【力】を上手く運用すればいつか自分達の様な【条件覚】となるものが現れるかも知れない。
それをみすみす【クイアンビー】の手によって【完全消滅】させられるのは忍びないとして、横から手を出し、【力の源】だけ保護したのだ。
もちろん、【クイアンビー】の機嫌を損ねない様に気を遣っている。
同じ、【第17席】でも恐らく、【ドゥラティア】よりも【クイアンビー】の方が実力はずっと上だ。
まともに勝負すれば相手にもならないだろう。
【条件覚】は、他の【真の強者】より格下なのは解っている。
単独の力でも強い【超越】と違い、【条件覚】は元々が弱いため、外から力をかき集めるのを常とする。
だから、【超越】の方には【力の消滅】をもったいないと言う感覚はない。
それは【真の強者】の中でも弱い、【条件覚】だから解る感覚だ。
その辺の棲み分けはきっちりとわかっている。
元々、【弱者】から成り上がったのだ。
それくらいの処世術は心得ているのである。
そして、【クイアンビー】の【殺り残し】となった【力の源】を【トップ10000】に入らなかった【弱強威】達に大量に喰わせて、【条件覚】となるのを促そうと考えたのだ。
その【力の源】を完全消滅では無く、【クイアンビー】は指して気に止めるでも無くこの世に浮遊させたまま放置していた。
そのため、【ドゥラティア】は、多少見所がある・・・というよりましだと思える29名に声をかけて喰わせる事にしたのだ。
【ドゥラティア】に言われるがまま、それらを喰らい尽くした者達が居る。
それが、【弱強威】の【トップ10000】に選出されて居なかった、【ナンバー10001】から【ナンバー10029】の実力を有していて、【ナンバー1】から【ナンバー10000】が消滅した事により、【新ナンバー1】から【新ナンバー29】に繰り上がった【弱強威】達だった。
【元ナンバー1】から【元ナンバー10000】の力の源泉を喰らった事により、その29名は飛躍的に実力をアップさせた。
とは言っても【真の強者】達には全く及ばない。
【ドゥラティア】が思うような【条件覚】となるにはまだまだ何百段階ものステップが必要となる。
それにこの者達は、【クイアンビー】を筆頭として、【真の強者】に数えられる存在?達に挑もうとは思わない。
それでも、【元ナンバー1】から【元ナンバー10000】がやってきた【悪逆】を引き継ぐ者として、その29名が【ナンバー10030】改め、【新ナンバー30】以下を従えさせ、新たな【悪の象徴】となりつつあった。
そして、その29名は、【29位】/【贄喰威】/【にくい】と名乗ったのだった。
【贄】とは、【弱強威】の【元ナンバー1】から【元ナンバー10000】とそれらが率いていた【9600垓】もの超大軍勢の事を指し、それを【喰らった脅威】として、【贄喰威】と名乗った。
ちょうど、その数が29名だった事で【29位】、
恨みを意味する【憎い】とも掛けている。
そして、【芳一】達が、今の争いをかたづけた後、挑む事になるのが、【弱強威】である【新ナンバー30】以下を従える29名の【贄喰威】達と言う事になる。
その新たな脅威となった29名の内、軽く1名だけでも紹介しておこうか。
【贄喰威】となった者は、【背中】に【背番号】ならぬ【背髑髏】という背中の【タトゥー】をする事になる。
これは【ドゥラティアの印】とも言われる、【ドゥラティア】に力を与えられたものの証である、【ドラゴンヘッド】と呼ばれる【ドラゴンの頭】を【背中】に【マーキング】するすると言う事の応用で、【ドゥラティア】が直接【力】を与えた訳ではなく、【クイアンビー】に滅ぼされた【弱強威トップ10000】の【力】の再利用であるから代わりに【髑髏】の【タトゥー】としたのである。
数字では無く、【髑髏】の数でランクを識別すると言うものになる。