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プロローグ
~プロローグ~
12月24日。
それは何か期待してしまうような、そんなある日のこと。
外はLED発光で赤や黄、青、緑と普段感じることのない、温かみがある。
そして、大きなツリーのてっぺんには決まってきれいな星がついている。
少し薄暗い中でも全く寂しさを感じないどころか、むしろ人々の心を引き付けるものがある。
「サンタさん。今日来てくれるかな。」
「タクがいい子にしてたら、来てくれるわよ。」
「やったー。」
とふと昔のことを思い出していた俺、水本 拓は高校生になった今でも、あのどこか怪しげなサンタを信じている。
というのも自分がサンタであるからだ。
ついこの前の自分ならサンタなんて、宇宙人とか未来人とか超能力者でも会わない限りこれっぽちも信じていなかっただろう。
つまり、昨日ある事件が起こったのだ―。