エピローグ 本日、貸切営業です
「ねぇ、ミルティアさん、いつから気づいていたんですか?」
「ふたりの私を見る目は、ずいぶん似ているなと思ったの。でも確証が持てなくて。ちょっとは、騙されちゃったわ。決定的になったのは、酔っ払いから助けてもらった時かしら。身分カードの、筆跡が同じだったから」
「その後は、何で黙ってたんです?」
「だって、隠しておきたい事みたいだったから、知らないふりをしてあげようとおもって」
「ねぇねぇ、楽しそうな話をしてるじゃない?」
「あ、ヘルンさん! お店にこられるの、久しぶりですね」
「密偵のくせにバレバレじゃない。エアルのやつ、尻に敷かれそうねぇ」
「やだ、ヘルン様。そんな事、死ぬまで気づかせません」
「あ、隣いい? ケイトちゃん、おすすめお願い♡」
「かしこまりましたぁ」
「ねぇねぇ、ミルティアちゃん自身は、いつからエアルの事が気になってたのよ〜」
「初めて会った時……。きっとあれは、人が恋に落ちる瞬間を初めて見たんです。それが、忘れられなくて。可愛いなぁって、思って。その時はまだ、好きとは違ったと思いますが」
「きゃー♡ それエアルにゆっちゃだめよ、幸せすぎて働かなくなるわ」
「いやいやヘルン様、早く言ってあげた方が良くないです? ちょっとはポジティブになるかもしれませんよ?」
「ふふ。最期の時には、教えてあげようかなと思っています。それと、どんな姿でも、私を見るその目があなただと教えてくれるんだって」
「死ぬまで一緒って事ですね♡ エアルさんの幸せもの〜」
「キューピッド役、やったかいがあったわね♡」
(エアルさん、よかったねぇ〜。幸せにねぇ〜)
「あ、ケイトちゃん。これは、ここだけの話でお願いね」
「ふっふっふ。BARの店員、なめちゃいけませんよ。お客様のいろんな秘密を、知ってるんですから。客の事は何でも知れ、ただし口には出すな。墓場まで持っていけ。師匠の言葉です」
「やだ、口の固い子って好きよ。ケイトちゃん、今度合コンしない?」
「嫌ですよ、そんな王族か酒豪しか来なさそうな飲み会」
「はぁー。そうね。私より強い男ってどこにいるのかしらね〜」
「ヘルン様、強さを基準にしてはいけませんよ。人はお互いを補い合って生活するんですから。ヘルン様の苦手なところを補い合ってくれる人を探すのがおすすめです」
「ミルティアちゃん……! やっぱり私のところにお嫁にこない?」
「ごめんなさい。先約済みです」
「そうよね〜」
「こんばんは」「楽しそうですね」「私もまぜて!」
「あ、カーラさん! ミーリさん! レフちゃん! いらっしゃいませ!」
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本日、当店は貸切営業となっております。
秘密のお話に、花が咲いておりますので……。
いつもご来店ありがとうございます。
またのお越しを、お待ちしております!
ミルティアのお話、これにて完結です!
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どうぞ、よろしくお願いいたします!




