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冒険者ギルドテンプレ

冒険者ギルドテンプレ


01.ギルドの建物に入るとチンピラ冒険者に絡まれる

02.登録は来るもの拒まず

03.名前が書けなければ代筆

04.態度に問題のある構成員を黙認

05.受け付けは若い女性

06.掲示してある依頼票を冒険者が自分で選ぶ

07.冒険者の出身の多くは貧農や下層市民

08.塩漬け依頼がある

09.業務中の怪我や死亡は自己責任で補償なし

10.失敗すると違約金

11.ギルドを通さない仕事へのフォローなし

12.冒険者が素材の処理が下手で窓口でもめている

13.受付嬢が驚いて大声で機密をばらす

14.ランク制度がありランクによって扱いが違う

15.ギルドマスター(支部長)はたたき上げ

16.低ランク冒険者はその日暮らしでどぶさらい

17.高ランク冒険者はちやほやされる

18.ギルドへ依頼に来る者より冒険者の数のほうが多いが依頼は尽きない

19.依頼達成の仕方は冒険者に一任

20.過去の詮索はタブー

21.街中での帯刀許可

22.街の出入りの税免除

23.酒場を併設

24.昼間から酔っぱらっている冒険者がいる

25.資料室があるが利用者は少数

26.低ランクでも有望な冒険者はこっそり優遇

27.高ランク冒険者の引き抜きを許容

28.他の組織との掛け持ちを許容

29.冒険者カードによって身分を示す

30.魔物の素材を買い取る



他にもあればお教え願いたい。




 これらの条件を満たす、冒険者ギルドとはいったいどういう組織なのか考えていきたい。



 まず冒険者がどういう人々かという点。

 まず前提として、冒険者は魔物と相手にする職業であると定義しておきたい。

 そして一言で表すと、ピンからキリまでいる。

 これでは言葉が足りなすぎるので深掘りしていこう。


 冒険者は魔物と戦う職業である。また、冒険者は自己責任と戦う職業である。


 魔物の討伐、あるいは魔物の襲撃がありうる場所での活動が冒険者の専門だ。

 魔物との戦いは命がけであり、依頼の受注から撤退の判断まで冒険者自身にゆだねられる。戦いの場では現場の判断が最も優先されるのである。

 しかしながら、撤退によって依頼達成不可能になった場合違約金を課せられる。

 魔物がかかわる依頼は少なからず緊急性と命の危険があるため、簡単に撤退されては困るというギルド側の思惑であると考えられる。


 ピンキリのピン、高ランク冒険者は、一度の仕事で大きく稼ぎ、他からの引き抜きの話が来る。貴族への叙任や貴族による引き抜き、専属雇用の打診など。冒険者ギルドの一構成員から別の組織の後ろ盾を得ることになる。

 それは冒険者ギルド内、ギルド外ともに名誉なことで、他の職の者からも羨望を受ける。

 高ランクになるためには相応の活躍をしているわけであるのでこれらの扱いは当然と考えられる。

 つまり冒険者の活躍は社会全体の利益にかなう。


 ピンキリのキリは二つ挙げられる。

 問題のある冒険者と低ランクの新人である。

 前者は後で考察するとしてここでは後者について考える。


 最低ランクの冒険者はその日暮らしである。

 下手をすると宿に泊まれず馬小屋で暮らす。

 どぶさらいのような雑用の仕事を毎日受けて日銭を稼ぐ。

 そのような冒険者は軽蔑のまなざしを向けられることもある。


 ここで疑問が生まれる。

 魔物を相手にするはずの冒険者がなぜ街中の雑用に従事しているのか。

 冒険者ギルドに街中の雑用仕事の依頼が来るのはなぜか。

 ここではいったん置いておいて、冒険者の考察を続ける。


 最下層の脱出は装備を整え戦う準備ができてからである。

 冒険者の役割、魔物との戦いの仕事だ。

 基本的に命がけなので早まって装備を整えずに無茶をすると死ぬ。あるいは大けがをして雑用仕事にすら支障をきたす。

 そうなるともうどうにもならない。切り抜けるには他者に頼らざるを得ないが、冒険者に頼れる先があるかは、ケースバイケース、基本的にはない。

 冒険者の出身の多くは口減らしのために実家から離れたものやほかに職がない者である。

 冒険者ギルドの方針は自己責任であるため、活動が破綻した冒険者には厳しい。

 もっとも、魔物をなめてかかって怪我をして生き残れることのほうがまれだろう。



 さて、装備を整え、魔物と戦い、無事生き延びたら一人前の冒険者といっていいだろう。

 仕事の報酬は雑用とは比べ物にならない水準にあがる。命がけのストレスを抜ける程度に休暇を設けられるほどには。

 失敗がそのまま死につながる魔物との戦いは人に強いストレスを与える。

 これとどう付き合うかが生き延びる秘訣となる。ため込めば爆発して大きな失敗につながり死ぬだろう。

 ここからは対処できる魔物の種類を増やしながらステップアップしていき、多くは不運か、受注の判断か、撤退の判断をしくじって死ぬ。

 そうして長く生き延びればピンの仲間入りである。


 冒険者ギルドは自己責任を謳い、自助努力をしない者と能力不足の者に手を差し伸べない。字を読めない者にとって強力なハンディとなる依頼掲示形式、利用されない資料室がその証拠である。

 そんなギルドの中で生き延び高ランクとなった冒険者は向上心に富み能力実績ともに磨き上げられたまさに選び抜かれた精鋭となるだろう。


 一方冒険者の出世道からドロップアウトする者も出る。

 その一部が問題のある冒険者となる。

 現在のランクに満足し、向上心は失ったが、生活するには十分な仕事をする者たち。彼らのすべてが悪ではない。命と稼ぎの天秤が釣り合っただけのことだ。居場所を見つけたといっていい。計画性があって貯蓄していなければ年齢による衰えがもととなってそのうち命を落とすだろう。うまく次の仕事に転職するか余生を生きるだけの金を貯めることができれば人生のあがりである。


 だがその中に質の悪い連中が混じることも事実である。

 冒険者は暴力を生業とするため、力を誇示することは自然なことだ。その使い方も自己責任でいいほうにも悪いほうにも振れる。

 正規の方法で稼ぐのではなく、なにかしらの抜け道を見つけたり、もっと直接的に犯罪行為に手を染めたりと悪い意味で知恵が回る者たち。

 新人いびりなどは目立つ例で犯罪結社とつながりを持つものも出る。

 ひとまず彼らをチンピラ冒険者と呼ぼう。


 このチンピラ冒険者をギルドは黙認している。よほどでなければ対処しない。主人公に関わり問題を公にするまでは放置である。主人公の関与は氷山の一角であろうから見逃されているものが多数いることになる。

 また、こういった者たちも、街中で帯剣を認められている。

 これもまた疑問である。


 まとめると、冒険者はうまい上がりにたどり着かなければ大体死ぬ。

 大まかに成功した冒険者、停滞する冒険者、頑張っている冒険者、底辺、チンピラに分かれる。

 魔物との戦いが本領。

 疑問点。街中での仕事。チンピラ冒険者野放し。


 次回はギルド側の視点から考えてみたい。

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