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我が子へ

作者: 神林 醍醐郎

○我が子へ



我が子へ


願わくば 君


父の影 踏むことなかれ


このおぞましき魂を


その身に受け継ぐことなかれ



父が愛しているものは


色香と酒と死者の群れ


お前の模範となる業は


ついぞ この身に宿らなかった



嘘は吐くなと どうして言えよう


日々嘘重ねて 生きているのに


腹立てるなと どうして言えよう


己も怒りで  八つ当たるのに



お前の無邪気な笑顔の陰に 俺は己の影を見る


姿形は生き写し ならば心もさもありなん


人には明かせぬ 怪しき趣味を


人には誇れぬ  卑しき業を


お前も愛すとするならば 俺はお前を愛せはしまい



願わくば 君の魂 健やかなれ


父の轍を 踏むことなかれ


卑しき業に 溺れることなかれ


疾く君育ちて 我が元を去り


この身の放つ 腐臭を避けよ


模範となれぬ 父はただ


その時ばかりを待ちわびる


















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