00 登場人物・語句説明
登場人物や、この世界特有の語句についての説明です。
語句の定義については、こちらで詳細を確かめなくても、本文でだいたい理解できるように表現しているつもりです。「誰だっけ?」や「どういう意味だっけ?」と思った時に、参照してくだされば幸いです。
*登場人物
<荒野の支配者>
プルサスの町でそれなりに名のあった賞金稼ぎグループ。発起人のマコウの勧めにより、拠点を王都に移した。大げさなグループ名も、マコウが命名した。
将来国内有数の賞金稼ぎとして知られるが、物語当時はまだ知る人ぞ知る程度の知名度しかない。
◎マコウ・ノウヘン
荒野の支配者の発起人で、元行商人。盗賊に襲われて財産を失ったのを契機に、仲間を募って解消業を始めた。
◎アリ
元ストリートチルドレン。ひったくり、スリ、盗みなどで生計を立ててきた。荒野の支配者の一員になり、拠点を王都に移したことで、そうした犯罪から距離を取れる立場になったようだが、実際のところは仲間も知らない。かつての拠点プルサスから、母親と幼い弟を連れて来ている。
◎ウェイ
スリムな美青年。女性にめっぽう甘い。非常に器用で、戦いにおいてはレイピアと弓の扱いに長け、竪琴を奏でられ、歌もうまい。幼少期にエルフから教えを受けた事が、彼の人生に大きな影響を与えている。普段は食客として上流階級を渡り歩いている。
◎ペイルトン・イーギエ
魔道士。荒野の支配者の拠点移動に伴って、所属をプルサスの「銀盤の水鏡」から王都の「月光の塔」へ移した。博物学の導士位に就いている。
◎ガラムレッド・ダイダイン
ドワーフ。仲間からはガランと呼ばれている。戦の神ケーオルに仕える神官。治療魔術を使え、斧を振るう重戦士でもある。
<盗賊団関係>
◎パクス
盗賊団の頭。三十代半ば。筋骨隆々の体つきをしている。
◎ウージ
頭パクスの片腕的存在。補給担当。
◎ボウロウ
野盗の一人。仕事に関して完璧主義なきらいがある。
◎ドルス
野盗の一人。前歯がない。少女愛好の趣味。
◎ジイナ
盗賊団に捕まった女性。三十過ぎ。
◎マリリ
盗賊団に捕まった女性。二十歳前半。
<他の人々>
◎ラドミン・ライ
依頼主。商人。荒野の支配者に、行方不明者の捜索を依頼した。
◎ゼナ
捜索対象の子供。
◎ナック兄弟
護衛を主に受ける二人組の冒険者。王都を拠点としている。
◎ラモーラ
古代遺跡の捜索を主に活動している冒険者パーティー『赤毛の狐』のリーダー。三十歳前後の女性。業界内では鞭使いとして有名。プルサスを拠点としている。
◎ハクタク
プルサスの盗賊。血塗れ布の所属。通称『喇叭吹き』。オーガーの目玉を盗んだという逸話で有名。もちろん信じている者はいない。
◎幽霊の牙
かつてプルサスで活躍していた、組織に属していないモグリの暗殺者。
*地名・場所名
◎碧石の国
舞台となる小国。特産品は宝石。
◎王都
碧石の国王が直接支配する都。国内で一二を争う規模の大きさ。荒野の支配者の現在の拠点。
◎プルサス
公爵座都市。こちらも国内で一二を争う規模の大きさ。荒野の支配者のかつての拠点。
◎双子樹の町
プルサスー王都の経路で、王都近くにある町。王都まではおよそ一日歩の距離。
◎オーガーのゲップ
マコウの定宿・酒場。アリもよく飲みに来る。
*その他の用語
◎荒野
一般的には、人が住んでいない地域を指す。魔物が跋扈し、街道では野盗に襲われる危険があるので、一般の人は用もないのに出たがらない。もちろん狭義として、農業に適さない、荒れた土地という意味もある。
◎冒険者
主に、荒野で暴力を使って物事を解決する者の総称。別称は無数にあり、掃除屋、解消業、始末屋と、一応職業として認識されているものから、ごろつき、無法者、という犯罪者扱いのものまである。事実、犯罪行為を行う連中は多い。むしろ、冒険者と呼ぶ者の方が少ない。
◎魔道士
魔法を使う者の総称。ただし、魔道士の自称であり、一般人は、魔法使い、魔術師、妖術師などと統一性なく呼ぶ。魔道士ギルドの地位としては、見習い、弟子の次に来る、一人前として認められた存在になる。
◎魔導士
魔道士として、実力を認められた者が就く上位の役割・称号。導師と呼ばれることもある。名前のとおり、下位である魔道士の教育者としての役割も求められている。一般人はほとんど呼ばない。
日本語では魔道士も魔道士も「まどうし」発音で一緒だが、向こうの世界では発音が異なるので混同されることはない。
*単位
◎時刻・時間
一日は十二等分され、その一つを「一刻」と呼んでいる。現実時間の二時間に相当する。これを、半刻(一時間)、四半刻(三十分)、八半刻(十五分)まで分けて表現する。ただし、ある程度正確に分かるのは、定期的に鐘が鳴る一刻単位で、半刻から八半刻までは、人々のだいたいの感覚でしか認識、利用されていない。
時計能力の低い小さな町や村では、定刻ではなく、正午を基準に日中を六、夜を六で割る形式が使われている。どちらも混ぜて表現している人も多い。
短いスケールの時間は、一般的に「拍」で数えられる。手をポンポンと打つタイミングの事で、一秒から二秒の感覚で認識されている。この時点でわかるとおり、大きな誤差がある。
賢者の間では、さらに厳密な時間区分をすべきだという意見はあるが、統一に至っていない。
◎長さ・面積・体積
小さい単位で使われるのは「握」と「掌」。大人の拳の大きさが一握で、体積と長さの両方で使われる。一掌は、同じく大人の手のひらの大きさで、長さと面積で使われる。一掌は、現実世界の単位ではだいたい十センチ×二十センチ。長さで用いられるときは、二十センチの方が使われる。一握の長さは、半掌で、およそ十センチ。
徴税の際に使われる時は当然厳密性が求められるので、基準となる手形が担当組織に保管されている。商人たちは、必要な場合、その基準を元に議論する。この場合の握と掌は、「正握」「正掌」と呼ばれている。
より長い単位として、「一肩」「一尋」があり、それぞれ大人の肩幅、大人が手を広げた幅、として定義されている。
地形的な距離を示す長さは、さらに厳密性が欠けた表現をする。「刻歩」や「日歩」と呼ばれ、前者であれば、大人の足で一刻掛かる距離、と定義されている。
他に、徴税用に定められている厳密な単位が存在する(未設定)。