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今俺は、数えきれないほどの美女たちに囲まれている。
「さとぉーくぅーん、私と付き合ってぇ!」
「だめよぉ、さとうくんは私のものなんだからぁ!」
「ねぇ、ほらぁ、私のおっぱい…どう…?」
四方八方を囲む美女たち。
甘いお菓子のような香り。
暖かく柔らかな胸の感触。
艶っぽい声色。
そのすべてが今、俺の為だけに捧げられ、足を含めたって指が足りないくらいの美女たちは皆、溢れんばかりの愛を俺だけに注いでいる。
……が、悲しいことに俺の顔面偏差値は別段高くない。
知能指数も家柄も、その他もろもろ悲しいまでに「50点」が似合う男だ。
今流行りの「異世界転生」でもしない限り、美女たちに囲まれるような人生は送れない。
でもこれは決して妄想なんかじゃないし、異世界でもない。
そんな俺が何故美女たちに囲まれているのか。事の発端は、そう、あれは一時間前。俺は……――――
――――……俺は、漫画を開いた。以上。