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転移国家日本 明日への道  作者: 銀河乞食分隊
第一章 日本 外地進出
24/219

国内編 陸軍軍備

移転後の陸軍軍備の混乱なのかな。


本編がストック無し状態になったのでとりあえずという感じで。

 陸軍は、国土が増えたと言う現状に対処が精一杯であったが、その中でも新装備の開発には余念が無かった。

 その後、外地進出と現地住民との接触によって得られた情報により、混乱するのだった。


 六十七式歩兵銃を更新すべく開発中の十連発自動小銃は、転移時において実用試験中であり、一年後から二年後の部隊配備を目指していた。

 上村報告書によると「現在のボルトアクション小銃では混沌獣の突進に対して連射性能に劣り、少数の兵では接近を許して危険である」と。

 自動小銃の配備は急がれた。

 

 誰が見ても駄目な分隊支援用軽機関銃の開発は中止され、新たに九〇式重機関銃が二式重機関銃の誕生と共に格下げされ三式軽機関銃とされた。


 戦場制圧用重機関銃はホ-103の転用でこれは成功した。ただ弾道の低下が早く長距離射撃には不向きだった。

 三式重機関銃の誕生である。


 上村報告書によって、炸裂弾は兵の精神衛生上及び魔石の採取に問題有りとされ炸裂弾頭と焼夷弾頭抜きの徹甲弾と曳光弾のみで構成された三式重機関銃専用の弾帯が供給された。


 オリジナルのブローニングM2を作れば良いじゃ無いかという声には、多少性能に劣っても配備を早くすべしと言う意見が勝った。


 戦車であるが、九十七式中戦車の後継として一式中戦車が開発されていた。ただ、使用状況が変わってしまったため、量産するかどうかは協議中である。戦車工場の稼働を止めてしまうわけにもいかないので、現在は建設車両を生産している。


 一式中戦車は単純に九十七式中戦車を大型にした物で、履帯幅増加による接地圧の軽減と機関出力向上による機動性の向上が図られていた。

 主砲は最初、七十五ミリ野砲の転用であったが駐退機が砲塔外に出てしまう欠点があり、新開発された七十五ミリ五十口径の戦車砲を装備している。 

 装甲は前面八十ミリ、砲塔正面百ミリ、砲塔側面八十ミリ、車体側面四十~五十ミリであり、重量三十二トンの中戦車と言うには重い戦車になってしまった。

 九十七式中戦車同様に、変速機を後部に置き車内は広かった。

 懸河装置は水平対向コイルスプリングで、負荷の増大に対処するため片側2セットとされ、転輪は1セット四個計八個だった。

 

 九十五式軽戦車の後継は、転移時無かった。これは軽戦車の有効性に疑問が持たれたからで、九十五式軽戦車自体は運用上問題も無く、好評であった。狭くてうるさい以外は。

 しかし、転移で状況が変わり、再び検討されることになった。

 これは南アタリナ島開発で九十五式軽戦車改造の大型のこぎり搭載車やブルドーザーが使いやすいと好評であり、通常の建設車両では行動出来ない場所でも軽快に作業出来たためである。

 最新の技術なら、さらに良いのではないか。こんな声も出るほどだった。


 小銃や機関銃以外の砲填兵器は混沌獣相手では出番がなく、有効性の確認をしようにも出来なかった。

 軍では、恐らく九四式37ミリ速射砲までで対抗出来るだろうという予想がされた。


 37ミリなら九五式軽戦車に搭載しているよな


 じゃあ再生産か

 

 さすがに古いから性能向上型を作ろう


 じゃあ小さいチハで


 良いんじゃ無いか


 九十五式軽戦車ケイの後継車として、試製ケロ車の開発が決定された。

 要求概要は


 大型混沌獣対策であり、対戦車戦闘は考慮しなくて良い。

 37ミリ戦車砲搭載。九五式軽戦車と同じ砲。

 全溶接構造。

 総重量10トン前後とする。

 エンジンは、一式中戦車のエンジン部品を極力使用し、生産性の向上を図る。

 履帯幅は九五式より広げ、不整地、特に泥濘地の走破性を向上させる。

 他諸々


 エンジンは一式中戦車が緊急性が無いとして生産が低調(ほとんど生産されていない)なため、せめてエンジン部門でも稼働率を上げようという意味もあった。


 結果

 総重量12トンの37ミリ戦車砲搭載、三式軽戦車ケロができあがった。

 エンジンは一式中戦車の片側ブロックと言っても良いくらいの空冷直列六気筒エンジンだった。エンジンブロック以外は完全に流用しているので当然だった。

 後年、丸みを帯びた鋳造製砲塔とケロ車からケロちゃんとか呼ばれるようになった。


 軍は上村報告書や外地での運用実績から軽戦車クラスの武装を備えた装甲車が必要という見方があり、また一式装甲兵車では非武装のため新たに装軌装甲車が開発されることになった。

 半装軌装甲車は不整地での走破性能に不安があるし、わざわざ新機構を作るよりも戦車と共通の操縦形式でいこうという意見が多かったため。


 基本は一式装甲兵車で「エンジンや足回りを強化して九七式20ミリ対戦車銃や試製13ミリ重機関銃を装備し、兵員10名程度を搭乗可能とする」とされた。

 基本部分はあるので、開発は早く18年春には試作車が完成し、実用試験に入った。

 試用実績は良好で直ちに量産指示が出された。

 三式装甲車が誕生した。


 陸軍は軍装を変換してる最中だった。従来の短靴+ゲートルから編み上げ長靴への変更とそれに伴うズボンの変更だった。


 ここにも上村報告書や外地での戦訓の影響があり、下腿部の保護が重要視されるようになった。

 これは、小型の混沌獣が足を囓る・咬むという事態に対処するためだった。

 有効な新装備は考えつかず、結局混沌獣との戦闘が予想される場合だけ、長靴の上にゲートルを巻くという応急処置が採用された。


 拳銃弾は国内で製造されているのが南部八ミリ弾のみであり、他の弾はすべて輸入品だった。南部八ミリ弾は威力不足を指摘されておりボトルネックという高コストもあって、どれかに統一して国産化しようという動きがあった。

 それをすると、すべての拳銃も交換しなくてはいけなくなるため弾種を絞っての国産化に傾いているようである。




 外地駐屯部隊が小型混沌獣と遭遇したことがあり、その際小銃は役に立たず銃剣で戦ったと言う報告もあった。

 これは小型すぎて小銃の狙いを付けることが困難であり、動きも速く狙う暇も無かったせいであった。

 現場では、兵が銃剣で切りつけたり蹴っ飛ばしたりして対応したと言うことだった。一番役に立ったのが円匙であった。

 士官の拳銃も同様であり、小型混沌獣には銃よりも手持ち武器で直接対処するのが良いとされた。

 小銃を棍棒代わりに振り回す兵もいた。


 小型混沌獣対策として、火炎放射器の可能性も考慮されたが、森林や草原での使用は火災の原因になるとして採用されなかった。


 棍棒は小型混沌獣対策としては有効であるが、対人戦闘が主目的の軍隊では採用がためらわれた。

 樫の棒の先端に鉄を被せた棍棒が作られたが全面採用では無く、小型混沌獣との接触が予想される部隊への追加装備とされた。


 刃物は銃剣や軍刀では長すぎて取り回しが悪く周りに危険という意見があった。同時に長すぎて小型混沌獣相手の近接戦闘ではかえって邪魔という意見も多く、200ミリから300ミリの刃物が求められた。

 これに対して軍は新たに鉈を歩兵装備に加えることにした。工兵隊では装備品にあったので、装備品が増えると言うことでは無く、装備部隊の拡大という扱いだった。

 鉈を加えることにより増加した携行品の重量は、小銃弾の定数を一五〇発から一〇〇発に減らすことで重くなりすぎないようにした。


 弾薬所持量の減少に伴う継戦能力の低下は、兵站を強化することで対処するとされた。具体的には輜重部隊の強化で、前線に多く充てるとされた。具体的な人員数は明記されなかった。今後自動小銃の配備により、一回戦の使用弾薬量の増加が予想される中でいまいち不安である。


 人員数が明記されなかったのは、人手不足のためであり、決して補給を軽視しているわけでは無かった。

 転移後、国土の拡大による地図の再製作を初めとする人手不足により軍の募集に応じる人間が減少しているためだった。


 陸軍自体も国土の再確認にかなりの人手を取られていた。

 対米開戦を視野に入れ拡大してきたとは言え歩兵一〇個師団、砲兵二個師団、輜重一個師団、飛行四個師団、戦車一個師団、工兵一個師団、他通信・衛生など連隊規模で構成されていた。地球各国の中では人口に対して少ない陸軍だった。


 完全志願制軍隊は、高度な練度と引き換えに常に人手不足の状態を招いていた。

 その中でのシベリア大陸派遣部隊は一個師団に迫る規模まで拡大されており、陸軍の人員構成にかなり負担を掛けている。


 南アタリナ島を初め拡大した国土に様々な地下資源が確認されたため、各地で鉱山の再開発が始められ人手不足に拍車が掛かっていた。

 海外取引が無くなることによる余剰人員はほとんどそちら方面に吸収され、軍には余り廻ってこなかった。


 地図の再製作など緊急性の高い事業が一段落すれば、人手は余るはずであるし、いざとなれば国家非常事態宣言下での徴兵制復活という余り使いたくない切り札もあった。これはWW1で徴兵制が復活したが、終戦後即動員解除されてまた志願制軍隊に戻って以来の可能性だった。




37ミリ戦車砲は大型上位の・・おっとー。

直接手持ち武器で混沌獣を殺した将兵は・・おっとー。


次は海軍かな。その次は陸海航空隊かな。

本編を優先しますので閑話は後回しです。


次回 九月二十八日 06:00予定


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