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南大陸攻防戦 5

攻勢を掛けるガミチス

後が苦しいディッツ

 一時的に偵察飛行の妨害に成功したガミチスは、最前線後方百キロ地点に一次物資集積所を五十キロ地点に二次物資集積場を通常の物資集積所とは別に構築。ディッツの目をごまかすことに成功する。


 その頃、北部海上ではガミチス海軍空母部隊が活動を開始していた。

 北部要地エルメへの部族連合からの侵攻と合わせ、エルメまたはヘパストイ島への攻撃を行うとなっていた。一応、本物の攻略部隊を出撃させていて上手くいくようならヘパストイ島攻略をしてしまう算段だった。

 ガミチス海軍空母部隊は部族連合に合わせてエルメへの空襲を考えていた。部族連合へ航空攻撃を始めた時が攻撃開始だった。部族連合など囮程度にしか考えていない。

 そのためには出来る限りエルメにこっそりと近づく必要がある。しかしそれは都合のいい考え方だった。

 潜水艦による通商破壊戦をされているため哨戒機が飛び交っているのだ。その海域にこっそりと忍び込めるはずも無かった。


 敵空母部隊接近中の報にディッツ帝国軍首脳部は慌てた。急ぎ対策を練るがクルツブルクと硝石鉱山防衛のための航空戦力は動かせない。まだ生産機数とパイロットの育成が追いついていない現状で使えるのは虎の子の機動部隊だった。

 ディッツ帝国海軍第一機動艦隊は迎撃に向かう。

 と言っても主力である空母は瑞鳳級四隻搭載機数百二十機だ。予備部品扱いの補用機を組み立てても十二機増えるだけ。今回は甲板繋止でオスカー1を各艦六機積んでいる。それでも百五十機強にしかならない。

 エルメ方面守備隊の航空戦力は戦闘機百五十機、単発爆撃機八十機、双発爆撃機五十機、四発爆撃機二十機他だった。

 この内ガミチスとまともに戦闘になりそうなのは戦闘機シュニッツァー4が九十機だけで、残りの機体は爆撃機の最高速度が三百五十キロと四百キロに届かない転移前の機体だった。戦闘機の残りも最高速度四百五十キロという固定脚の機体で武装も八ミリ機銃二丁だった。

 それでも哨戒飛行には使えるので対潜哨戒機としては役に立っている。

 ガミチス艦隊の構成が判ったのは哨戒機数機の損害と引き換えだった。

 ガミチス艦隊は発見されたことが判ると電波管制を止めレーダーを作動させている。


 この時の艦隊はガミチスが大型正規空母六隻、戦艦六隻、大型巡洋艦四隻、巡洋艦四隻、駆逐艦十七隻という大艦隊で有った。

 対するディッツ帝国海軍の艦隊は小型空母四隻、戦艦四隻、大型巡洋艦三隻、巡洋艦四隻、駆逐艦十四隻で、まともにぶつかれば擂り潰されて終わりなのは明らかだった。

 ガミチス艦隊後方には護衛艦隊を伴った大規模な輸送船団も見つかっていて、ヘパストイ島攻略を思わせた。


 ここに至って遂にディッツ帝国政府は、日本に対して参戦要請を出す。世代交代中の海軍・空軍・陸軍ではとても勝てる見込みは無く、ヘパストイ島を取られれば有力な鉄鉱山だけでは無く本国への爆撃と東海岸への潜水艦攻撃も容易になると見られている。

 もう自力での反攻は難しくなってきた。

 最近、中継艦を数隻使って日本とディッツ帝国の通信を確保しているので、以前のように艦艇と大艇を乗り継いでと言う事は少なくなっている。

 日本は参戦を決定。ただし全面参戦かディッツ帝国防衛の範囲までなのかは、まだ迷っている。全面参戦ならガミチスが降伏するまでだが損害も大きいだろう。防衛ならそこまでの損害は無いはずだった。

 取り敢えず艦隊を派遣するとした。

 日本は赤道多島海に進出させていた機動部隊を直ちに向かわせた。

 翔鶴級三隻と海龍を中心とした機動部隊だった。


 後の調査で判ったこの時のガミチス対ディッツである。


ガミチス海軍            ディッツ帝国海軍 

アドラス級正規空母六隻       シュライヤー級空母四隻

 アドラス             シュライヤー

 アルスケム            カールケルム

 アリアドネ            ハンダイクス 

 アケリウス            ベルケルヘム 

 アドラスティーム         排水量一万三千トン 三十ノット

 アンゼナイツ           搭載機数三十機

 排水量二万四千トン 三十二ノット 八九式連装高角砲改二連装二基

 搭載機数七十八機         一式三十三ミリ機銃四連装二基 

                  一式三十三ミリ機銃連装四基

 十一センチ対空砲連装四基     AG144単装八基

 MG37連装六基         旧日本海軍瑞鳳級空母

 MG18四連装六基        高射装置と高角砲、三十三ミリ機銃

ガミチスの誇る最新鋭空母      はそのまま

                  

クナップシュタイン級戦艦      シュトラウス級戦艦

 クナップシュタイン        シュトラウス

 ウィルヘルム三世         ベートーヴェン

 ウォーランス二世         カラヤン

 排水量三万六千トン 二十三ノット マゼール

 四十センチ砲連装四基八門     三万二千トン 二十八ノット

 二十センチ砲連装四基八門     三十四センチ砲連装四基八門

 十一センチ対空砲単装四基     十二センチ両用砲連装六基

 MG37連装四基         AG38連装六基

 MG18連装四基         AG144連装八基 

 MG18単装八基         AG144単装八基

 航空機二機            航空機二機      

やや古いが主力戦艦         主力戦艦

対空砲火は弱い。今回の出撃前に

慌てて対空機関砲の数を増やした


ウルリッヒ級高速戦艦        オスマルク級大型巡洋艦 

 ウルリッヒ            オスマルク

 アームストロング         ゲイツ

 シューマッハー          メルヒェ

 排水量三万三千トン 二十九ノット 排水量一万三千トン 三十ノット

 三十七センチ砲連装四基八門    二十二センチ砲連装四基八門

 十一センチ対空砲連装四基八門   十二センチ両用砲連装六基

 MG37連装四基         AG38連装四基

 MG18四連装四基        AG144連装八基  

 MG18単装六基         AG144単装八基

 航空機二機            五十三センチ魚雷発射管三連装二基

比較的新しい高速戦艦        航空機二機

                  主力大型巡洋艦

サラディン級大型巡洋艦 

 サラディン            アリアブルク級巡洋艦

 カルスケム            アリアブルク

 ヨートルマッシュ         カスターブルク

 ハンカルム            ヒカテリンブルク

 排水量一万四千トン 三十二ノット カールスルーベ

 二十センチ砲連装四基八門     八千五百トン 三十二ノット

 十一センチ対空砲連装四基八門   十五センチ砲連装四基八門

 MG37連装四基         八九式連装高角砲改二連装四基

 MG18四連装四基        AG38連装四基

 MG18単装六基         AG144連装四基

 航空機一機            AG144単装六基

比較的新しい大型巡洋艦       五十三センチ魚雷発射管四連装二基

                  航空機一機

カイエスブルク級巡洋艦

 カイエスブルク

 グラハルトブルク

 ヒロイスティクス

 ウォスターラント

 排水量七千五百トン 三十三ノット

 十四センチ砲連装四基八門

 十一センチ対空砲単装四基

 MG37連装二基

 MG18連装四基

 MG18単装八基

 五十三センチ魚雷発射管連装四基

 


G級駆逐艦             J型駆逐艦

 G5               J-6 

 G6               J-7

 G7               J-8

 G8               一千二百トン 三十三ノット

 G9               十センチ単装砲四基

 G10              AG144連装四基

 排水量一千五百トン 三十四ノット AG144単装六基

 十四センチ砲単装三門       五十三センチ魚雷発射管三連装二基

 MG37連装二基         近海用小型駆逐艦

 MG18連装二基

 MG18単装六基         K型駆逐艦

 五十三センチ魚雷発射管三連装二基 K-2

やや古い駆逐艦           K-3

                  K-4 

GA級駆逐艦            一千五百トン 三十三ノット

 GA1              十二センチ単装砲四基

 GA2              AG38連装二基

 GA3              AG144単装六基

 GA4              五十三センチ魚雷発射管四連装二基

 GA5

 GA6              L級駆逐艦

 GA7              L-6

 GA8              L-7 

 GA9              L-8

 GA10             L-9 

 GA11             L-10

 GA12             L-12  

 排水量二千トン 三十四ノット   L-13

 十一センチ対空砲単装四門     L-14

 MG37連装二基         L-15

 MG18連装二基         一千八百トン 三十三ノット

 MG18単装六基         八十九式連装高角砲改二連装二基

 五十三センチ魚雷発射管四連装二基 AG38連装四基 

新鋭駆逐艦             AG144連装四基

                  AG144単装六基

                  五十三センチ魚雷発射管四連装二基

                  新鋭駆逐艦


 アドラス級空母はガミチス最新鋭空母で十隻中六隻をこの戦場に投入した。飛行甲板装甲無し。カタパルト無し。レーダーは最新型を装備している。十一センチ対空砲他充実した対空兵装を備える。

 クナップシュタイン級戦艦は六隻中三隻を投入。速力の不足で艦隊について行けそうにない。おそらく分離して輸送船団と合流するものと思われる。この時点では有力な戦艦部隊出現に備えて加えられた。

 ウルリッヒ級は二十九ノット発揮可能な高速戦艦。その対空火力はアドラス級空母を守るために有効と思われる。

 サラディン級大型巡洋艦は量産されていて性能も安定している使いやすい艦。

 カイエスブルク級巡洋艦は小型で使いやすさを目指して作られた。量産中。

 G級駆逐艦は一千五百トンに十四センチ単装砲を艦橋前に背負い式で搭載したため酷いトップヘビーである。魚雷発射管三連装二基は最初四連装三基であったものの余りのトップヘビーに三連装二基とされた。それでも十四センチ砲のせいでトップヘビーが酷い。出撃にあたり機関砲を増設して更に悪化した。

 GA級駆逐艦は対空砲を初めて搭載した駆逐艦で攻防にバランスが良い。


 瑞鳳級四隻は高射装置、高角砲、三十三ミリ機銃は電探込みでそのまま引き渡された。

 シュトラウス級戦艦は主力戦艦で日本との接触前の設計で航洋性は余り良く無い。

 オスマルク級大型巡洋艦はシュトラウス級戦艦と同じで航洋性は良く無い。

 アリアブルク級巡洋艦は転移後、阿賀野級軽巡を見たショックで設計された。外洋でも航洋性はかなり良い。高角砲は自前の十二センチ両用砲の発射速度が遅いため日本からライセンスした。

 J型駆逐艦は古参の小型駆逐艦。方は平射砲で対空射撃は出来ない。転移前の設計であり航洋性は悪い。 

 K級駆逐艦はJ級駆逐艦を大きくした艦。転移前の設計であり航洋性は悪い。 

 L級駆逐艦は陽炎級駆逐艦を見たショックで設計された。外洋でも航洋性はかなり良い。主砲は八十九式連装高角砲を採用した。


 ディッツ帝国海軍は日本機動部隊来援まで時間稼ぎをしたいが相手がどう出るか判らない。

 あと二日有れば間に合うのだが。

機動部隊同士の戦いは?

日本は間に合うのか。


MG37は三十七ミリ機関砲です。

初速八百メートル、毎分百四十発程度ですか。

MG18は十八ミリ航空機関砲。

四連装は横に並べた形。シカゴピアノかな。


AG38は三十八ミリ機関砲。

初速八百五十メートル、毎分百発程度。

AG144はAG142航空機関砲の艦載型。


次回 五月二十一日 05:00予定

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