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カストロプの乱 終結

短いです。

もう限界。

 混沌獣第五波との戦いは厳しかった。まさしく肉弾戦であった。

 五級六級の冒険者には楽な相手と見ていた中型中位のハイクマやグレーボアに1対多でやられそうになったところを日本軍の援護射撃で切り抜けるとか、とにかく混沌獣の数に悩まされていた。


 日本軍も前面に出ているのは強化歩兵であり、装備は十ミリ弾を使う四式自動小銃とボラールのウロコで作られた鉈や銃剣だった。

 日本が貸し出しているボラールの武具の内、形が統一されているのは日本が工場で作った量産品だ。盾や足腰を守る定形の簡易装甲は紐で大きさを調整して自分に合わせるとした。

 剣や槍の穂先も幾つかの形に統一され工場で量産した。

 どこかで伝わり方が悪かったのかドワーフ製武具となっていたが全てがドワーフ製では無い。ドワーフ製も混じっているので、上級冒険者の目から見るとドワーフの作った武具は見た目で品質の違いがわかるほどなので彼等の間では取り合いになった。

 工場量産品でもボラールのウロコであり、防御力や攻撃力は申し分ない物だった。ただ、魔法の杖は工場では作ることが出来ず全数ドワーフ製である。

 普段そんな装備を使うことも買うことも無い五級六級以下の冒険者達は工場量産品でも通常使う武具の数段上だと浮かれていた。後で返すか、欲しければ統合ギルドを通じて買い取らなければいけないのだが。


 もう終わりを見ている日本軍に対して、お祭り状態の冒険者達は難敵を倒して上等の素材を手に入れるべく頑張っていた。十六連隊と十九連隊も冒険者に負けじと頑張っている。一部でスコップを振り回してヒャッハーしている人がいたが日本軍全部がそうじゃ無いから、そこのところ誤解しないように、冒険者。



 日本軍の一部は既に周辺に散らばっている討伐された混沌獣の内、素材や肉として使い物にならない物をエンキドダンジョンに運んでいた。


 スタンピードが始まったとき神託があって、使わない分はダンジョンの養分として運ぶように言われた。


 日本軍は統合ギルドを通じて一級冒険者を多数雇い運搬業務を行ってくれるよう要請を受けた。要請を受諾した日本軍はトラックを使って懸命に運んでいる。現地で軽輸送車を使いトラックまで運ぶのは日本軍がやった。トラックに積み込むのは一級冒険者も混じった日本軍だった。

 ダンジョンに運び込むのが一級冒険者の仕事だった。荷車に一杯積んでダンジョンの浅いところの部屋に運び込んでいく。浅いところなら三級か四級の護衛が付けば大丈夫だった。

 中にはかろうじて生きている混沌獣もいてとどめを刺して若干の強化が有ったりする。

 秋津口ダンジョンにも運び込んだ。


 残っている混沌獣は大型種と上位種のみとなり、厳しい戦いが続いた。かなりの混沌獣は戦車砲で滅多打ちにされ弱ったところを大勢で取り囲み討ち取るという手段で倒されていた。

 しかしここでもオーガ上位種やモスサイ上位種には七十五ミリ戦車砲が通用しない事例があり冒険者が倒していく。

 最後の上位種が倒されスタンピードに終止符が打たれたのは二日後の午後だった。


 そこからは有る意味戦いよりも疲れる仕事だった。素材の剥ぎ取りと残りかすの運搬。使えない混沌獣の運搬。

 三日で済んだのは日本軍の数の力だった。

 小型中型を中心に一部上位種までダンジョンに放り込んだのだ。ダンジョンがどういう変貌を遂げるのか楽しみであった。神託でダンジョンの養分にするから運ぶように言われ従ったのだ。

 ダンジョン産品に期待が掛かる。



 あっけなく討伐されてしまったスタンピードをカストロプ王とカストロプ子爵は信じられない物を見たような気がした。

 大型種、上位種混じっての一万を超える数をどうやって討伐できたのか。(実際は二万近かったのだが一万程度と思っていた)


 元々カストロプ軍は混沌獣を使い王国連邦に優越しようと行動を起こしたのだった。その重要な部分を占める混沌獣は、いなくなってしまった。

 また、前線での指揮官狙撃という作戦をとられ混乱するだけのカストロプ軍にもはや勝ち目は無かった。

 一気に押され総崩れするカストロプ軍を追撃する王国連邦軍。この頃には増援も間に合い、エンキド守備隊を中心とした軍になっていた。

 王国連邦軍は召集された農民などを殺す気は無く、大音量の拡声魔道具を使い武器を捨てて投降すれば故郷に帰すと言って次々と平定していった。

 召集された一般兵は次々と狙撃に倒れる指揮官を見てかなりの恐慌状態にあった。そこにこの通告である。皆武器を捨てて投降した。

 もう抵抗するのは正規兵と貴族くらいなものだった。


 壊走するカスロトプ軍はカストロプ子爵の居城であるエルスマイヤー城に辿り着く前に追撃してきた王国連邦軍に捕捉され共に逃げていた貴族と共に捕縛された。

 早く後退を開始したカストロプ王は王太子マクシミリアンと共にカストロプ王国まで何とか逃げ切りカストロプ要塞に立て籠もり抵抗を試みるが城壁を彗星の急降下爆撃で破壊され、そこから王国連邦軍の侵入を許しマクシミリアンは捕縛。カストロプ王は抜け穴から逃げようとしたが所詮運動不足の体では追跡から逃げ切れなかった。

 現在捕縛したこれらの者から詳細を尋問している最中である。


 その中で注目されたのが混沌獣を誘導できる宝玉の存在だった。

 宝玉はラプレオス公国の魔王から手に入れた物で、現在魔王とどういう取引があったか厳しく追及中である。そこに情けや考慮する尊厳など存在しなかった。


 ギルガメス王国連邦首脳部は次の相手が魔王であることを改めて知った。




サクサク行き過ぎて詳細が無い。お許しを。

次回は再び南の海へ。


次回 五月十日 05:00予定

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