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日本からかなり遠い西の状況

考えが纏まりません

短めです

散らかっております


四月十七日 人口を訂正 一億三千万から一億五千万へ

合計人口を一億七千万人へ。

作者の間違いでした。設定では単独で一億五千万なのを合計で一億五千万として気がつきませんでした。

 ポーツマスを出航した軽巡洋艦ペネロピは僚艦ガラティアと進路を南へと取った。


 転移の後、海軍の活動は低調だった。燃料が無いのだ。市民生活が優先された。神倉庫に有る分を使い切ってしまえば石油で動く機械は動かなくなる。古い石炭炊きの船は運航をやめていないが、釜焚き要員の植民地人が居なくなってしまった。おかげでかなりの高賃金で釣らなければ釜焚き要員が確保できない。

 そう、イギリスの富の源泉たる植民地が無くなってしまった。

 イランがないので石油が無い。東南アジアがないので石油と生ゴムが無い。キニーネが無い。インドがないので綿と紅茶が無い。コーヒーも輸入されなくなった。

 南アフリカも無くなってしまった。


 幸いにもカナダやオーストラリアはご近所様になっていた。食糧問題は何とかなった。

 マルタもあったのには驚いた。地中海の静かな海から外洋の荒波に揉まれて驚いているだろう。島の規模は十倍以上になっているが。水の心配をしなくても良いような川が複数ある。

 多くの島々も大きくなっている。

 世界中に有ったイギリス領の中でイギリス人の多い地域だけがこの世界に送られたという。イギリス人は財産と共に本国送りしてくれたのだが。

 そうすると残った海外領地は島しか無いんだが、その島は数が多く面倒だったのか大きくなって纏められてしまった。

 連邦が一ヶ所に纏められたのは神の都合によるものだという。植民地や連邦所属国家でもイギリス人比率の少ない国は除かれた。神の判断だ文句を言うなという。

 マルタの南の島は調べると面白いぞとも。

 それぞれ土地が大きくなっているのは良いが、形がかなり崩れている。おかげさんで転移で職を失った者達を総動員して地図を作る羽目になった。 

 噂によると神々がここはこの形とか言って適当したらしいが噂だ。下町のパブにはいくらでも転がっているよう話だ。


挿絵(By みてみん)



 カナダは全体的に気温が上昇し居住可能地域や耕作可能面積が広がった。南半球だった地域の悲惨さは語るまい。

 オーストラリアで油田が見つかり操業が開始された。まだ不足はしているがファイウォール公国からの輸入量は徐々に減っている。これまでの経緯も有り全く無しには出来ない。

 おかげで海軍全艦艇に重油が行き渡り最低限のボイラーを運転できるようになった。空軍もガソリンが豊富に提供され訓練に余念が無い。


 そんな中、二隻の軽巡は一路南へと向かう。長大な航続距離と小型ゆえの重油消費量の少なさを買われて。


 行き先は南の赤道付近にある多島海である。英国名バージン諸島。

 発見はされていて、ユニオンジャックも立ててあるのだが石油不足で基地の建設が出来なかった。現在建設中であるが領海警備は二隻の軽巡が交代で行っている。


 艦隊を組んで南の行けるところまで行くというロマンプランは石油不足という現実の前には無力だった。

 転移後すぐに油田が発見された日本とは正反対だった。


 バージン諸島発見後、戦艦の維持のための重油を軽巡に割り振り無理をしてでも領土の維持をしていた。

 現在敵対勢力も確認されないために警備は一番大きいバージン島のみである。この島1周でも二千海里以上有る。とても少数の艦艇では全ての島の警備など出来なかった。旗を立てただけで実効支配していると言う宣言をしているだけだ。

 東インド大陸偵察も行わなければならない。巨大生物の脅威があるために航空偵察は欠かせない。空母が足りない。


挿絵(By みてみん)


 まず最大の島であるバージン島に基地を建設。そこをベースに次はドレイク島に手を伸ばす予定だ。だが、オーストラリアとカナダの最開発に手を取られている現状ではどこまでやれるか分からない。

 石油不足で周辺偵察と開発が進まなかったのが悔やまれるが、これからはオーストラリアの原油で進みが早くなるだろう。





 ガミチス帝国建設師団は、南ソレイル島に基地を建設中だ。

 北の国への前進基地である。

 島の南側に港湾に適した大きな湾と広大な平野部があり、最適と思われた。

 北の国は一番大きな島、北ソレイル島に基地を建設中という情報が入っている


挿絵(By みてみん)


 出来れば早期に工事を進め部隊進出を図りたい。幸いにもガミチス帝国のアキレス腱である鉄鉱石不足は転移後北西にあった島で大規模な鉱床を発見。


 何でも大量に有るとまで言われたガミチスに有って鉄鉱石だけが少ししか産出しなかった。具体的には国内需要の二割程度だ。

 東西二千六百キロ南北二千キロの広大な土地には様々な植物資源も豊富に栽培されている。

 過去の苦闘から資源は一国で完結すべく様々な開発を進めてきた。ゴムや椰子も北部亜熱帯地域で栽培されている。単位面積での収量は熱帯に劣るものの広さでカバーしている。

 食料も自給率は百二十%を超える。その気になれば百五十%も可能という。

 人口も着実に増えている。

 転移前最大の戦役ではかなりの苦戦をしかろうじての勝利だった。帝国の人口ピラミッドの五十歳から六十歳の男子のところ所に凹みが見えるほどだ。

 三十年前の大戦争以降はやれば勝つ状態だった。

 魔神が現れるまでは。我の十倍を超える魔神の軍勢の前に撤退を強いられずいぶんと占領地が減った。 

 魔法攻撃も物理攻撃も数と強靱な耐久力を持つ魔物の前に勝てなかった。

 魔神を嫌いガミチスへ逃れてきた人間も多い。気がつけば一億五千万人の人口が一億七千万人になっていた。


 そしてこの世界にやって来た。

 初期の混乱が収まり国内が安定するかと思ったが、ウィルヘルム五世と国家安全機構が色々やらかしてくれた。

 デストラー総統の尽力で両方とも排除されたが国内には不満も多い。経済も旨く回っていない。巨大な生産力と軍事力を持て余す国内だ。既に人余りの状態で失業者も多い。特に移住者と低学歴層に失業者が偏っている。社会不安は治まるどころか悪化している。

 国内安定のためには外へ出て行かなければ行けなかった。

 古今東西、内政に困ったときは外に敵を求めるのだ。行き着くところは戦争だ。

 幸い世界征服は国家目標である。  

 偵察の結果は東の国は技術的に遅れており複葉機のレベルだ。

 北の国は多少ましなようだがやはり複葉機である。


 統合参謀本部では充分勝算有りと結論づけた。

 

 

舞台は調いつつあります。


転移国家に資源島が伴うのはランエールの標準仕様です。

内陸国家には資源+岩塩や高濃度の塩湖も付きます。


イギリスの複葉機は軽巡搭載のスーパーマリン・シーオッターです。

さすがに正規空母搭載機はバラクーダやソードフィッシュじゃないと思いますよ。

でも、やはり出さないといけないのかなとも思います。


次回、 三月三十一日 05:00予定

本編では無く機体開発です

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