神々の戯れ
こういう神々が管理する世界です
最初からそう書いていますので違和感は無いかとは思います
主神ランエールとその配下の神々が集まっている。
「ランエール、この国は如何しますか」
「そうよな。この国は放り出そう。獣人に長いことずいぶん酷いことを続けている」
「人種纏めてですか」
「いや、普人族のみだ。獣人やエルフ・ドワーフは残そう」
「どこかの国に面倒を見させると?」
「来たばかりのディッツ帝国はダメだな。宗教的に普人族以外は認めないようだ。酷いことはしていないが」
「日本は、もう面倒見ていますね」
「これ以上の負担はどうでしょうか」
「やめておきなさい。他の国を候補にするよう」
「はい」
「ランエール、国を一つ減らすとバランスが崩れます。どこの世界から招きましょうか」
「そうだね。幾つか紹介されているが、どれにしようか」
「あの~。それにつきましては大変申し上げにくいのですが、この国をお願いしたく」
「何々、ガミチス帝国だと。ふ~ん。あの世界で魔神が現れ負けたと。あの世界は魔神に支配された?本当か?」
「本当です。珍しいですが」
「まだ魔神プレイをする奴がいたのか。驚きだな」
「そうですね。もう飽きたと思いました」
「また流行るのかな」
「私が知っている限りでは、やっていた神は三千年ほど前までいました」
「飽きるんだよね」
「それでいかがしましょうか」
「やけに勧めるね。さあ白状せい」
「う!実はあの世界の神に借りが有りまして」
「ほう。借りとな。キリキリ白状せい」
「あれは、一千年ほど前の飲み会でした。そこで勝負に負けました」
「何やったんだ?」
「ルーレットです」
「は?」
「お前、ルーレットってアレか赤と黒の奴」
「いえ、違います。もっと簡素な奴です」
「?」
「えーとですね。円に幾つかの区切りを付け中心に矢印の付いた軸を置きます。その矢印を廻して止まった所が当たりです」
「ずいぶん簡素な」
「デン助って言うんですけどね。しかも胴元だったんですけどね」
「「「胴元で負けるって、バカだろ」」」
「ごめんなさい」
「それでなんだ。そこの世界で出す国が出来たら引き受けるとか約束したのか」
「正解」
「「「バカ」」」
「皆でバカバカ言わないで下さい」
「はあ。仕方が無い。受け入れよう。向こうの神に了解したと言ってくれ」
「ありがとうございます」
「向こう一千年便所掃除な」
「え?」
「当然だろう。それとも一千年間ダンジョンマスターが良いかな」
「精一杯便所掃除をさせて頂きます」
「よろしい」
「ではそのガミチス帝国の話を聞こうか」
「はい。彼の国は人種としては普人族になります。ただ肌の色が青いです」
「青いか。たまにいるな。たいていは遺伝レベルの着色が面倒なのでそのままだが」
「さすがに肌だけですよ。髪の毛は金から黒まで色々です」
「体格は?」
「普通ですね。男性で百七十五センチ前後。女性で百六十三センチ前後です。肩幅や筋肉の付き方も標準です。特別手足が長いと言うこともありません」
「あの特別手足が長いのは余り気持ちよくないな」
「身長の6割が股下とか、何考えてデザインしたのだろう」
「内臓が少なすぎて民族全て虚弱ですけどね」
「えーと、良いですか。ガミチス帝国は国民全員の目が赤いです。全員魔族です」
「全員魔族だと?何故、それを先に言わん」
「言えば受け入れて貰えないじゃ無いですか」
「便所掃除一千年追加」
「ランエール、魔族でも良いのではないですか。先に魔王が出現したのは「第六天魔王」が最後です。そろそろ出番かと」
「それもそうか。刺激が足りないか」
「では受け入れで?」
「いいぞ」
「便所掃除は・・・?」
「ダメ」
「ガックシ」orz
「では魔族としての資質と指導者の魔王素質はどうだ」
「現指導者のウィルヘルム五世は魔王としては弱いです。責任を取らずに財宝を持って逃げます。断言しても良いです」
「それはいかんな。もし逃げなかったら便所掃除更に一千年追加な。次世代は?」
「これは凄いですよ。デストラーはカリスマと実行力を兼ね備えています。政治力も高いです」
「第六天魔王と変わらないか」
「そうですね。ただ時代を動かすには力不足かと」
「第六天魔王が特別か」
「普通は時代の流れの中で流れに乗って大きくなりますから」
「魔族としての資質ですが、科学技術遍重で魔法能力は衰えています。もちろん使える者はいます」
「魔神に勝てない科学技術か。今ランエールにある国と比べてどうだ?」
「日本と比べると機関銃等の小火器や大砲で一部上回りますが、全体としては劣るかと。ディッツ帝国には勝ります。ファイウォール公国と同等でしょうか。地球から来たもう一つの国は日本と同等かやや上回るくらいなので、国民皆兵として強力な魔法を繰り出されない限り負けることは無いと考えます。ただ、臨戦態勢で産業等国内が戦時体制になっておりで戦争遂行能力は初めから高いです」
「他の国はのんびりしているな」
「ディッツ帝国は何とか日本の協力もあり国内が落ち着きましたから。他の国は戦争をする理由がありません」
「戦争で魔王を封じ込めれば十分だ。国民を根絶やしにしなくても良い」
「それなら犠牲は多いでしょうが負けることはありません」
「そう言えば人口はどうなのだ」
「日本は七千五百万人ですが、兵力としては二百万人まででしょう。それ以上は国内がガタガタになりそうです。ディッツ帝国は一億二千万ですね。四百万人は行けると思います。イギリス連邦は一億人切るくらいですね。三百万人は行けます。ファイウォール公国は五千万人、百万人が限界でしょう」
「ガミチスはどうなのだ」
「資料に寄りますと、一億五千万人となっています。軍事国家なので下手すると一千万人は兵力になる可能性が。また魔神が現れるまでは侵略戦争を繰り返していましたので練度は高いそうです」
「戦争になると初期戦力はかなり多いな」
「最初は差し込まれるでしょう」
「それでも最終的には総合力で勝てるか。では、どこに転移させようか。候補を挙げるように」
「今ここが空いています。南半球のディッツ帝国の西、七千キロです。中間には大きな島が幾つかあるだけですし北半球にはファイウォール公国と地球から転移してきた国があります。封じ込めは可能と考えます」
「そこだと転移先の西は、ああそうか。そこに在る国を追い出すのだったな」
「はい。あの国の西はあの大陸です。ガミチス帝国が進出する可能性は低いと思います」
「そうだな。ディッツ帝国や北半球の国々の方が攻めやすいしな」
「あの大陸には四大混沌領域のうち二つがありますし、ダンジョンだらけです」
「ではガミチス帝国の件はこれで良しとしよう。向こうとも相談してこの海域に入るような規模に調整してくれ」
「畏まりました」
ガミチス帝国の大きさはオーストラリア程度と思ってもらえたら。
東インド大陸はイギリスが悔し紛れに付けた名前です。
少し距離がおかしいですがお許し下さい。
次回 3月22日 05:00予定