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転移国家日本 明日への道  作者: 銀河乞食分隊
前章 日本、転移の理由と転移先を知る
1/219

地球崩壊

崩壊する地球。

見えざるものとは。

その中で日本はどうなる。


「空母 双龍 東へ」の世界を転移させます。

 その日、地球は崩壊した。

ノストラダムスより四十年以上早く、弥勒菩薩降臨まではまだ五十億年以上有った。


 次元転移人工惑星が航法のミスにより地球のすぐそばに出現した。質量・大きさとも地球をロシュの限界でバラバラに出来るだけの大きさがあった。

 人工惑星はまず、月をバラバラにし、次は地球をバラバラにするところだった。


 人工惑星側が航法ミスを知ったのは、緊急警報が航行管制室に鳴り響いたときだった。すでに月はバラバラになり、地球もあと少しで地殻が割れようかというところだった。


「なんで惑星が目の前にある」

「分かりません。回避不能。衝突します」

「室長」

「警報だ。衝突警報。衝撃注意だ」

「警報出します」

「惑星に人工熱源多数」

「知的生命体だと。そんな惑星破壊したら、大問題だぞ」

「しかし回避できません」

「向こうの大きさは」

「直径こちらの約八分の一、質量三百分の一以下」

「向こうはバラバラになります」

「表面に落下物警報を出せ。対空迎撃態勢を緊急要請」

「落下物警報出します。防衛隊に対空迎撃を要請」

「緊急だ」

「緊急要請出します」

「惑星破壊までの推定時間は」

「あと25分」

「室長」

「何も出来ん。惑星の冥福を祈るくらいしか出来ん」


 そのとき見えざる手が動いた。

 地球が消えた。少なくとも人工惑星の科学力では知覚不能だった。


「航行管制室、どうした」

「統合代表、惑星と衝突寸前で惑星が消えました」

「消えた?そんなことがあるのか?」

「分かりません。消えたことは確かです」

「周りを廻っている岩石は何だ」

「惑星の衛星です。質量限界で砕け散りました」

「落ちてくるか」

「対空迎撃要請は出してあります」


「資料室、こちら統合代表だ。至急検索してくれ。衝突寸前で惑星消失」

「資料室です。衝突寸前で惑星消失。検索します」

「資料室、済まん。アクセスキーは******だ。最重要機密までだ」

「最重要機密ですか」

「そうだ。検索後結果は極秘。関係者全員に守秘義務が発生する。いいな」

「承りました」


  その必要はない


 声が響いた。どこだ?誰だ?皆見回すが分からない。


「誰ですか?」


  検索結果に出てくる存在である


「検索結果だと」

「なんだそれ」

「神様?」

「紙?」

「違う。こんな時にボケかますな。髪だ」

「なに言ってるカミと言えば、神だろ。混乱するな」

「静まれ。まず、対話可能なのか分からない」


  対話は可能である。君たちにはちゃんと聞こえているはずだ


「あなたは誰ですか」


  見えざるものである


「見えざるもの、とは」


  先ほど出てきたが、一部では「神」と呼ばれる存在である


「神ですか」


  神という存在は我々も物理的に確認してはいない。だが存在することは確実である


「?意味が分かりません」


  君たちは私を観測できるかね


「どうだ」

「分かりません。室内センサーには何も反応がありません」

「警備室はどうか」

「こちら警備室、警報発令後そちらをモニターしています。声は聞こえますが見えません。こちらのセンサーにも反応ありません」

「我々を遙かに超える超科学的存在とでも言えばいいのかもしれません」

「そんなことががあるのか」

「でも現実です」

 

  そうだな。我々も神の存在は分かる。だが物理的には存在していない。何らかの高エネルギー体だと推測は出来るがそこまでだ。我々は君たちの科学水準なら五十万年ほど前に経験した


「五十万年前」

「では我々もそうなると」


  それは分からない。我々のようになるには、ある条件が必要だ。その条件をここで伝えると失格になる


「失格とは、判定するものがいるのですか」


  いる。いわゆる神という存在だ。そのことは後で話そう。今は君たちが破壊するところだった惑星について話したい


「なぜ神が直接出てこないのですか。あなたは代理とでも言うのですか」


  そうだ、理解が早いな


「なぜですか。神なら全知全能なのでしょう。なぜ」


  神と言えど、全知全能ではないぞ。私も聞いたことがあるが、否定された。私が見るに、君たちは神と直接対話できない。神が君たちと会話できるくらいまで存在値を下げても、恐らく半数程度は生涯治らない精神的障害を負う。神とはそれほどまでに高精神エネルギー的存在だ。理解してほしい


「統合代表、資料室です。ありました。標準時間一万三千年前に別の人工惑星が同じ事故を起こしています。その時は、次元跳躍技術の禁止と半径十光年以上への進出禁止という罰を受けています。賠償条項は、すごいものです。口では言えません。そちらに転送します」

「資料室、ご苦労」


  記録があったかな


「ありました。今確認中です」

「これは」

「この地に縛られると?」

「それ以外どう考える」

「全資産が賠償に充てられました」

「暴動が起きるぞ」

「軍備禁止?」

「攻められたら滅びろと?」

「我々との違いがないか」

「あるのか」

「衝突原因はどうだ。一番可能性が高そうだぞ」

「それだ」

「え?」

「馬鹿な、こんなことを」

「何考えたんだ」

 

  記録があったようだな。一万三千年前なら間違いない。その記録は正しい


「惑星には五十億人が暮らしていた。邪魔だと言うだけで自らを質量兵器として、惑星を吹き飛ばしただと」

「酷すぎる」

「全資産も当然だ」

「でもその人たちはどうしたのだろう。死んでしまえば賠償も受け取れないだろう」

「ひょっとして、神様とか見えざるもの達とかが介入した?」


  正解だな。我々と神が協力して全住民を救助。新たな惑星に移住してもらった。その移住費用と文明再建費用だな。大分余ったがその人たちに使えと渡した。その後は知らん


「では、今回も惑星の人たちは助かったのですね」


  全員とは言わんが無事だ


「我々は如何したら良いのでしょう」


  今回は悪意はなく、単純ミスだと言うことはこちらも理解している。ただミスの原因が酷いがな


「原因ですか?」

「航法ミス?」

「あり得ないが、なぜだ」


  原因究明はそちらで行えば良いだろう。今は惑星、当地の人たちは地球と呼んでいる惑星についてだ


「地球ですか。人口はどのくらいなのでしょうか」


  三十億人ほどだ


「この人工惑星に十分収容可能です。あと二千億人は居住できます」


  自分たちの星を吹き飛ばした相手の星に住めと?君たちなら気持ちはどうだ


「嫌ですね」

「そうですね、その通りです」


  移住は決定事項だ。神とも協議済みだ。君たちには再建費用を出してもらう


「どのくらいですか」

「全資産なのでしょうか」


  それは無いな。あのときは完全に悪意だ。今回は悪意に近いが単純ミスだ。少し待て、集計中だ


「貯金が残ったら彼女と結婚するんだ」

「俺は、家を建てる」

「私、惑星一周旅行する」

「憧れのブランド品を買います。あのバック欲しい」

「おまえら、盛大なフラグを」


  心配するな。そのような巨額では無い。君たちの政府が臨時出費で済む程度だと思うぞ


「神よ。感謝します」

「おまえ、神なんか信じて無いじゃないか」

「今信じた。現実だもの」

「そうだな、宗教が流行りそうだ」

「変なものを御利益があると言って高額で売りつけるんだな」

「カルト集団は嫌だぞ」

「新興宗教なんぞ皆カルトだろ」

「勘弁してくれ、あなたは神を信じますか?毎日遭遇するだろうし、きっと変なメールが来るんだ」


  聞け。む、少ないな。これで良いのか?良いと?前回は失敗?本当か?分かった。これでいく


「何かご不明な点でも?」


  いや、こちらの問題だ。失礼した。前回は渡しすぎで失敗したそうだ。具体的には滅びた


「滅びた?」


  そうだ。贅沢になりすぎたのと物資が有り過ぎたな。皆働かなくなってしまった。その後は物資の奪い合いだ。最終的には核兵器を使用して、死の星になったようだ


「核兵器など、防御可能なのでは無いですか」


  君たちならな。だが、衛星軌道に人工衛星が精一杯の連中だ。防御は不可能だよ


「では今回は、その失敗と言われましたが、それを考慮しての決定ですか」


  そうだ。賠償は主に資源と少しの技術だな。技術と言っても最先端では無い。古い技術だ


「主にと言われましたが、残りは何なのでしょうか」


  宇宙共通通貨だ。食料購入費用と将来的に交易などで必要になる可能性がある。ある程度は渡す。君たち政府の金融資産の一割程度か

 

「それなら、議会を通さずに私の権限で行えます。すぐに実行しましょう。有効期限はどうされますか」


  そうだな、二万年にしようか。そのくらいなら超光速恒星間航行を実現している可能性がある


「二万年ですか。保証金が結構かかりますが、宇宙評議会に預託しておきます」


  頼む。それで資源なのだが、このリストに従って揃えるように。食料はこちらで用意する


「拝見します」

「これは結構原始的ですね」

「まだこのレベルか」

「これ人工でいいのか、天然物だと探すのが大変だ」


  人工でいいぞ。後はこちらで天然物と同じにしておく


「そんな技術があるんだ」

「宝石は如何しますか。人工の方が明らかに品質は上ですが」


  工業用は人工で、宝飾用は天然風味で良い


「うちでも同じです。女は本当に面倒くさい」


  ふむ、苦労したと見える。だが女の前で言うのはどうかと思うぞ


「え?なんですか」

「酷いです。私たちも面倒くさいですか?ねえ、教えてください」

「そうです。教えてください」

「いや、その、なんだ、君たちのことでは無いよ。私が昔付き合っていた女性のことだ」

「誰ですか。今の奥さんじゃ無いですね」

「そうですね。後で聞かせてもらってもいいですか。私あそこのお店行きたいんですよ」

「いいわね。私たち奥さんと仲良しなんですよ」

「く、君たち・・・」


  クククク、面白いね。まあ奢ってあげなさい。そのリストに石油とあるだろう。分子構造を見れば分かると思うが、サンプルを渡すので同じ組成にしてくれ。石炭も同じだ。硫黄分は少なめで良い


「金属ですが、純度は如何しますか。あまり高純度のものはかえって技術の発達を阻害すると思います」


  確かに。4N程度で良い。4Nでも彼等にとっては高純度だ。だが技術発展を阻害するほどでも無い


「分かりました、金属はすべて4Nとします」

「そうです。核物質は如何しますか。核爆弾が作れるレベルの物質になりますよ」


  資料にある医療用と産業用だけで良い。後は自分たちでやるだろう


「禁止しないのですか?」


  禁止はしない。滅びるのも自分たちの選択だ


「厳しいですね」


  厳しくは無い。過度の干渉は文明をおかしくする。具体的には神への依存だな


「依存ですか。精神的に自立できないのですか」


  そうだ。そんな文明が発展すると思うか


「思いません」


  過去に過度の干渉を行った文明は、いずれも神への依存が激しく精神的に未熟なままだ。科学技術の発達も遅い。神もそういう文明は希望しない。話しすぎたな、ヒントになったか。まあいい。では頼むぞ


「はい、今各部門と調整しました。地球時間で六ヶ月で揃います」


 

前書き詐欺ですね。

日本出てきません。と言うか、地球もちょっと出ただけでほぼ会話オンリー、いいのかな。


次回は登場する。かな?



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