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注:アカウント停止のご連絡(Lv1)  作者: イクラ
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んなあほな

あと11ヶ月で今年も終わり。

ついったー▶︎飯倉九郎@E_cla_ss

 ソウはテーブルの上を片付けて、その中心にたけのこの里を一つ立てるように置いた。

 というかこの人達、お菓子は充分にあるんだな。そしてけして僕に「食べる?」とはきいてくれないあたり、ずるい。

「これをカイザーとしましょう。そしてこのテーブルの上は、彼ら《オタカ帝國》のホームと思って」

「どんなところなんだい?」

「彼らのホームは、かつての村唯一の神社よ。小高い山の上にあって、ちょっとした参拝階段を登らなきゃ行けない所……境内の一番奥、つまりその敷地内の一番上に、本殿と、その横にカイザーが寝床とする小さな納屋が存在するわ」

 そう言って今度はポッキーをそのたけのこの里を囲むように配置する。

「納屋……? てっきり本殿で堂々と寝起きしているものだと思ったけど」

「カイザーという男は、ライオンの皮を被ったキツネ……いや、ブタよ。その手に銃を持たなければ、ただのブタ。彼の本質は徹底した疑心暗鬼。チームを作るのは自分を護る壁が欲しかったから。元々誰も信用しちゃいないわ。だから拳銃も絶対に懐にしまっているし、眠っている時に誰かが裏切るんじゃないかって、怯えてる。だからカイザーは外から誰も入れない強固な扉に護られている納屋に籠もって睡眠を取るの」

「確かにそんな嫌な奴なら、寝ている最中にでも拳銃を奪ってしまえばいい話だもんね」

「でもそうさせないように、カイザーは常に一人で納屋に籠もる。しかもその納屋には《オタカ帝國》が所持する貴重な物資も一緒に納められていて、その重要性を理解しているから、誰も納屋に火をつけようだなんて思わない。勿体ないもの」

「あれ、でもどうして外から入れないんだい?」

「南京錠よ。カイザーは納屋の内側から南京錠をかけていて、外からは絶対に開けられないようになっている」

「でもそんな事、良く知っているね」

「うちには優秀な斥候(せっこう)がいるから」

 そう言ってソウはインちゃんに目配せをした。

 確かに彼女のステルス機能――要は陰が薄いだけ――を利用すれば、そんなに難しいことではないのかもしれない。

「あれ、じゃあインちゃんに、そのまま銃を取ってきてもらばいいじゃないか」

「馬鹿。そんなことしたらさすがに気付かれる。インはあくまで何にも干渉しないという限定条件の上で見えないわけであって、あまり行動が過ぎれば気付かれる。納屋に入ってあちこちと探し回ることはできても、カイザーの懐に手を差し伸べて、拳銃を奪うなんて危険な真似させられない。インの弱点は、そこにいるんだって気付かれればステルス機能を失うことよ。シュンだってもうインを見失ったりしないでしょ?」

「言われればそうだね」

 納得する。少なくともこの部屋にいるんだと意識していれば、見える。

「それにこんな危険な作戦、イン一人に任せるなんて他力本願すぎる。やるなら皆で、確実にやらないとね」

「なるほどなるほど。いや、ソウが言いたいことはわかった。僕らはどうにかしてカイザーから拳銃を奪いたいけど、でも臆病もののカイザーは二十四時間それを肌身離さず抱いている。昼間は周りに人がいるから無理だけれど、夜間は納屋の中で一人になるからその時ならそれを強奪する事ができるかもしれない。だからそこを狙おうってことだよね?」

「要約感謝するわ」

「どういたしまして。でも君が言った通り、納屋は南京錠で内側から閉じられている。そしてきっとその納屋も、チームの人間に警備させているんだろう? 言わば周囲からは絶対に侵入できない要塞なわけだ。大げさだとは思うけど。その辺りはどう攻略していくつもりなんだい?」

「それはもう解決済みよ」

 ソウは得意気ににやりと笑い、僕を見た。

「詳細に関しては後で話すけど、私が考えた方法で、カイザーは確実に私たちの目の前に現れる事になる。しかも一人で」

「随分な自信だね」

「ええ、この日のために、練りに練った作戦よ。誰一人傷つかず、無事に生き延びることができるね。だからそれをすれば、カイザーは一時的だけど孤立無援の裸の王と成り下がる。でもその時、逃げ場を失った彼は必ず、その大事に隠しておいた最終手段を用いて窮地を脱しようとするわ……そう、拳銃をこちらに向ける」

「どうするんだよ? そうなったら確実にアウトじゃないか。いくらソウでも銃弾より速くは動けないでしょ?」

「その通り、私は銃弾を避けられない。万が一に賭けてもいいけど、リスクが大きすぎる。だからこの作戦は、私たち四人じゃ決して適わなかった事」

 ソウは、真剣な表情を作って僕を見つめた。

「だからシュン、チェックメイトをかけるのは誰でもない、君に任せたいの」

「え……」

 僕は言われた事をうまく飲み込めず、唖然とする。

 するとソウは僕のその手を、ゆっくりと包み込むようにした。

「私は君と初めて会った時から、君のその能力に凄い可能性を感じてた。他の男共は持ち合わせていない、君だけの特異な能力」

 彼女に至近距離で見つめられて、どぎまぎする。

 いつもは鋭い眼光をしているから思わなかったが、同じ年代では随分と顔立ちの良い方に見える。

「君となら、きっとどんな強大な敵にも立ち向かっていける……そう運命を感じた」

「運命って……そんな安っぽい」

 僕は最終的に自分から視線を逸らして逃げた。

 情けない。

「私が君を仲間に引き入れたのはそれが理由。一度断られた時は、焦ったけどね。でもそれでも、たとえ敵地に乗り込んだとしても、君を助けたかった。君のその能力を無駄にはしたくなかった……その、凄まじいほどの反射神経を」

「僕の、反射神経を……?」

「そう。君のその能力は、特筆するに価する。他の誰も持ち得ない、君だけの力」

「僕、だけの……力」

「その力で、私たちを助けて。この作戦は、この東部一帯の未来は、君にかかってる」

 そう責任重大と言われると、怖じ気づきたくもなる。

 逃げ出したくもなる。

 でも僕は、僕の心は、今真剣な眼差しを向けてくれているソウに対して、そして他の仲間達に対して、ノーとは言えなかった。

 そうだ。僕は彼女のために、彼女を守るために生きているんだ。

 それが今の、僕の生きる価値なのだから。

「わかった。それで、僕は何をすれば?」

 そう意を決して尋ねると、ソウは僕から手を離し、勿体ぶったように言った。

 何でもいい。僕は君のために命をかけよう。

 だから言ってくれ。僕が成すべきことを。

「君には、銃弾を避けてもらうわ」

「……ん? ……んん?」

 ……んなあほな

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