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魔眼少女 まだ名も無き物語  作者: つばさ
3/5

魔眼少女 まだ名も無き物語-3

これらの作品は「魔眼少女」の前日談になります

これを読まなくても本編の内容は理解できますが物語の補足やあまり性格が出ていないキャラクターの特徴を書いています

また4/29に本編の一挙掲載をする際に彼らの物語は序として掲載しますのでそちらで読まれても構いません

まだ名も無き物語-3

「ねえねえこの服素敵だと思わない?」

洋服店の片隅で少女が私に向かって話しかける

「凄く良いと思うわ、でもちょっと高いわね、そうだ今度お母様に頼んで誕生日にかってもらいましょう!」

水玉のワンピースを前に会話に花が咲く

「ほらほら勝手な事言ってるんじゃないよ、全く買い出しに着いていきたいなんて言うから妙だとは思ったけど洋服を見に来るとはね」

彼女達もそういう年頃になって来たという事だろう

「ねえ優香ちゃん、今度の誕生日パーティーには何を着て行ったらいいかしら?」

「そうね、そうだ前に来ていた白いワンピースなんてどうかしら、とても似合っていたしいいと思うわ!」

「ほら無駄話は店の外でするもんだよ、さあ出た出た」

お母様に押されて私達は扉をくぐる

「全く買い出しに着いて行くなんて妙だとは思ったけどまさかここまで来るとはね」

そこは普段買い物に来ている場所の隣町の郊外にある店であった

「お母様もこっちにいらして!」

少し目を離した隙に少女達は近くの高台に行っていたようだ

「私はここで待ってるから気が済んだら降りて来るんだよ」

彼女は近くのベンチに腰掛けて買い物袋を下ろす

「ほら彼処に見えるのが観覧車よ」

そこは昔読んだガイドブックに書いてあった遊園地だった

「凄い大きいのね、一度でいいから彼処からの眺めを見て見たいわ」

「それじゃあ7歳になったら一緒にあれに乗りましょう」

「それはいいわね、彼処からの景色を見るのが楽しみだわ」

夕暮れにしたその約束がまさかあんな風な結末を迎えるなんてその頃の私はちっとも想像などしていなかったのです


天海家に生まれた子供は7つまで魔眼の力を持つ、それは定められた天命であり永遠に変わらない事実である

ある少女は生まれ持った魔眼の力のせいで生まれてすぐに家族に幽閉されていた

「お嬢様、お食事を置きましたので食べ終わったら同じ場所に戻してください、それと今晩はある方からお電話があるようですので取り忘れないようにして下さい」

もう3歳になるというのに毎日同じ生活を過ごすのに彼女は飽き飽きとしていた

出来ることといえば勉強と読み物くらいだ、だから少女は3歳とは思えないほど賢く冷静であった

「電話って誰からかしら、お父様なわけないだろうし」

今日は三歳の誕生日だ、だがだからと言ってお父様が電話をしてくるはずがない

あの人の活躍は新聞で度々見てはいたが実際に話したのは1年近く前の話だ

「毎日毎日同じ事の繰り返しなんてつまらないわ、白馬の王子様でも来てくれないかしら」

絵本を開きながら一人呟く、牢獄というには豪華すぎる間取りではあるがそれでも年頃の少女には外に出れない事が何よりつまらなかった

7歳になったら外の景色を自分の目で見るのだ、そして草原を駆けて木々の匂いを嗅ぐのだ

それだけを夢見て毎日本を読んでその光景を浮かべていた

月明かりが高い窓から見え出した時電話が鳴った

「もしもし君は天海千夏ちゃんかい?」

その声は白馬の王子様とは程遠くは老いぼれていたが私の知らない人だった

「そうよ、あなたはだあれ?」

「君をここから救いに来たしがない老人じゃよ、ほれ窓の外を見て見なさい」

天井を見上げると縄梯子が下されていた

「でも私が居なくなったら家族が心配するわ」

本当はそんな事全く思っていなかった、きっと家族は私の事を探しもしないだろう

「そう思うなら来なくても構わんよ、けれど外の世界が見たいのじゃろう?」

その声を聞いた時私はシンデレラの気持ちがわかった気がした、きっと彼女の心を決めたのは厳しい叔母でも抜けようのない現実でも無く魔法使いの一言だったのだ

だったら私もシンデレラのようにその誘いに乗ってみようと思った、たとえ彼女のように期限付きの魔法でもいい、変わらない日々を変えれるのならそれでいい

私が縄梯子を登るとバイクに跨る老人の姿があった

どうやら私を待っていたのは奇妙なカボチャではなく文明の力だったようだ

「後ろに乗りなさいお嬢さん、話はその後じゃよ」

私は生まれて初めてバイクに跨る、新聞で見た記事によると子供は乗ってはいけないようだが今回は特別に見逃してもらおう

せっかくの誕生日に警察のお世話になったらたまったものじゃない

「しばらく行った場所に人が殆ど近づかない森がある、そこで君の新しい母親に会えるはずじゃ、その先の事は自分で決めなさい」

「お爺さんはどうするの?」

「私は君を彼処から出すだけじゃよ、その先のことは君が知る必要は無い」

それくらい教えてくれても良いのにと言いたかったがそこでバイクはスピードを上げる

しばらくすると森の中にポツンと一人取り残されたような子供のように孤独な家があった

バイクが止まると同時に家の扉が開く

「おや、随分早かったじゃないかい、昔と比べて手際が良くなったもんだ」

出て来たのは30代後半程の見た目をした女性だった、話し方は男勝りで長い間ここで暮らしてきたのかガタイは良く服装も男らしかった

「京華よどれだけ前のことを言っておるんじゃ、もう30年は経っておるよ」

「ところでお嬢ちゃんは好きで誘拐された口かい?」

「わあ、本物の木ってこんなになってるのね!」

京華と呼ばれた女性は少女に質問するがどうやらそれどころでは無いらしい

「お前さんと同じじゃよ、さあ仕事も住んだことじゃし帰らせてもらうよ」

「そうかい、そう言えばあといくつ残ってるんだい?」

「1つだけじゃ、他の家はこの30年で勝手に滅んだんじゃ」

「そうかい、ちなみに彼女には仕事の事は話したのかい?」

「話しておらんよ、子供の頃からお前さんのような性格の者などそうそう終わらんわい」

それだけ言って老人はバイク乗って去って行く

「さあお嬢ちゃん、そろそろ名前を教えてもらってもいいかい?」

草木を見るのに夢中になっていた少女は女性に向き直り告げる

「天海千夏よ、これからよろしくお願いしますね、お母様」

「お母様なんて呼び方はよしてくれよ、こっちはそんな家の出はとっくに捨てた身なんでね、私の名前は橋場京華(はしばけいか)、これからよろしく」

そうして私とお母様の奇妙な共同生活が始まって3年が経った頃、私は森の中で一人の少女と出会いました

その子の名前は神宮優香、冒頭で私と話していたそれは可愛い女の子

これから紡がれるのは私達少女の背負った運命に抗う物語なのです


偽りの時間-序 終

どうも新作を思いついてから旧作が踏み止まっていたダメ作者のつばさです

それでも何とか「魔眼少女」を書き終えることが出来ました

そして少しでもこの小説を色んな人に見てもらうためにある企画を思いつきました

それこそがアニメの一挙放送ならぬ、小説の一挙掲載です!

というわけで今週の4/29日の日曜日、朝の8:00〜18:00にアニメよろしく30分に一話投稿致します

またTwitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえれば作者が突撃しに行きます!

是非色んな方と感想を言い合ってもらえればと思います!

それと途中で止まっていた「魔法戦争」の方も本日より再開しますのでよろしくお願いします

作者Twitter https://mobile.twitter.com/atorietsubasa


いよいよ序章も後2日となりました、序章は随時書いている影響と本編に過去の話を結構入れてしまったせいで今回は少し内容が薄くなってしまいました、残すところは後二話果たして筆者の執筆スピードで間に合うことが出来るのか!?


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