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エルゼル番外 まだ始まる前のお話
――女神様、女神様。主神の娘で高潔なる貴女よ。
彼女は遠くで金のリンゴを射る。一度でも構わない。
こちらを振り向いてほしい。異界の女神を目がただ無意識に追いかけた。
はじめは目があうだけでもよかった。
だがいつしか女神の声が聴きたいという欲がでた。
しかし女神の瞳はこちらを見ない。彼女は遠くて声も聞こえない。
マスヴェイユの第二天界の神は天使に執着などしない。故にこちらでは天使とて離婚裁判をおこす。
恋や愛などをカミュレットの第一天界とは違い禁じられてはいないのだ。
ゴッドの冠する第三天界はあるたった一人の天使の為の楽園。ゴッドは天使の為に用意したそうだ。これは第三天界の外の者だからこそ知りえる話だった。
しかしたとえ自分が恋を許されていようが女神に相手にされるはずがない。
そしてもしも恋の許されない第一天界に生まれていたとしても―――
『ねえ、お前みかけない天使ね。それにとても整った顔立ちと体躯だわ』
彼女に惹かれていただろう。




