エルゼルend D 忘れる
→[メイドをどうするのかたずねる]
「彼女はどうなるんですか?」
「何があったか聞くだけよ」
アスライラは愉快そうに部屋を去る。
部屋の掃除が終わるまでエルゼルと外を歩いていると、コンハーに絡まれてエルゼルが庇ってくれた。
プライドをズタズタにされたコンハーがとてもキレていたが大丈夫だろうか?
翌日になり城にいくと今回の件についてきいた。
メイドは怪我人がいないことから重い罰は免れたらしく等分は謹慎となる。
アスライラのことだから、打ち首にするとばかり思っていたわ。
エルゼルが突然投獄されてしまった。
きっとコンハーの母親が手配したのだろう。
助けようと焦っていた私は地面に落ちているメモを拾う。
そこには問いかけがあった。
―――大切なものが火災で燃えそうになっている場合、どうするか?
そんなのきまってる。
→[捨てて逃げる]
逃げるの。
なんてふざけている場合じゃないわ。
私は宿舎から城内へ移動して、エルゼルのいるであろう地下へいく。
「エルゼル!」
どこを探しても彼が見つからない。なんで、地下に投獄された筈じゃない。
なんだか上が騒がしくて、私は地下を出た。
向こうから煙が立ち込めて、人々は逃げ惑っている。
逃げなくては、でもエルゼルが見つかっていない。
「ハキサレーラ!」
「アスライラ王女!?」
アスライラが私の手を掴み、剣で窓を叩き割って脱出した。
「エルゼルは……」
火は消し止められたというよりも、魔力切れのように一気に消えた。
「残念だけど地下にいた者は出せなかったみたい」
後ろから現れたイセリーが息をつく。
「皮肉な話、地下に入れられた者の行き着く先は死刑しかなかったようが」
カルクスが私に言った。
地下から骨が運び出されてくる。
「邪魔よ!!」
中年女は私を突き飛ばして髪を乱しながら走る。
「なっなによ……」
女は運び出された遺体に駆け寄ると泣き出した。よく見れば黒こげなのは高い衣服のそれだった。
女は泣き崩れて周りから宥められている。
「コンハーアアア!」
―――え?
コンハー、死んだのね……でもなぜ城内に入れない筈のコンハーが遺体になっているの?
―――地下牢へ投獄されていたエルゼルを笑いにいって逃げそびれたとかかしら。
「火事なのに嘘みたいに綺麗」
「本当、まるで人間だけ焼いたみたい」
「あの、エルゼルは?」
今朝の兵士にたずねるが、遺体はみつからないそうた。
―――彼はどこへ行ったの。こんなことになるなら、もっと探していればよかった。
エルゼルがいなくなって一年が経つ。私は明日最近この国の王子と結婚して女王になる。
私は彼が嫌いだったけれど、火災から救ってくれたことが切っ掛けで愛せるようになったからだ。
ねえ、エルゼル。私はもう貴方を好きだったことを忘れるわ。
【悲恋end1...変わり身、移り変わりし心】




