アスライラend D 死期の涙
→〔聞いてみる〕
マレクロンに、母はアスライラと接点があるのかをたずねた。
「――どうだろう?聞いたことがないな。明日にでも調べておくよ」
「ええ」
私はこのことを、後に後悔することになる。
母クランナの食事に毒が盛られたことをアスライラに言おうか?
→〔言わない〕
王女なのだし言わなくても王族の機密部隊から情報が入るだろう。
アスライラが突然外出したいと言い出した。しかし、カルクスがいないのに―――
→〔探して連れていく〕
アスライラと二人で仲良くなんて絶対嫌だ。というわけで庭でハントして三人で広場の噴水へ行った。
男装したアスライラが女に群がられて困っている。
→〔助けない〕
カルクスを生け贄にしてアスライラを連れ出した。
アスライラに遅れた理由を正直に話せと言われが――
→〔結構かっこよかった〕
正直にサーヴァーという男は悪くない印象だった。
と、率直な意見をのべた。
→〔許す〕
権力はともかく家を潰す。レベルとなれば話は別だ。
正当でやむを得ない事情があったのだから、この場合は自分が逆の立場でも同じだっただろうし、許すしかない。
―――
「え?」
「もう侍女をやめるなり、好きにしていいわよ」
昨日まで侍女を止めるなと言っていたのに、どういう風のふきまわしだろう。
辞めるのはいいが、まだ弱味とかを知れていないのだが。
私はなんだかぽかりとしながら、裏庭を歩く。見知った男を見つけた。
「こんにちはハキサレーラ様」
「サーヴァーだったわね?」
「はい」
「お前は名前の他に私のことを知っている?」
「アスライラ殿下の侍女の方ですよね」
こいつは私がコンハーの元婚約者だったこと、なぜ別れたかを聞かないのかしら。
「このような事を言うのは差し出がましいのですが……兄をあまり責めないでください」
「それはどういう意味?」
「今のキークソン家は男ばかりで、家を継げる女性がいないのです」
「それは最初に聞いていたわ」
てっきり分家から継ぐ者を募るのかと思っていた。
「しかし分家にいた妙齢の女性が隣星の王子の元へ嫁いでしまいまして……」
「貴女と結婚すれば兄はザーマァ家に入ります。つまりキークソン家が取り潰しになる。だから兄は他の女性を迎え、家を継いでもらう必要があるんです」
「……男児が結婚した相手に家を継がせられるなら、貴方でもいいんじゃない?」
「いいえ、これが許されるのは長男のみなのです」
そんな制約があったなんて知らなかった。こんなことは希な事なので聞くこともないだろう。
「……私変わりの結婚相手を探しているんだけど、嫌?」
彼は公爵家なのだし、問題なさそうな相手だろう。
「え……自分でよければ」
近くをとんでいた鳥が空を舞い、羽をひらりと私たちの間へ落とした。
――ぽたり、上から滴がふってきた。
雨だろうか、手のひらにのせる。
きのせいか、雨にしては大粒で暖かい。
【悲恋2..自由の鳥】




