3話 家族が増えました。
黒猫を懐にかかえていそいそと帰宅すると、ハナが首を傾げてお出迎えしてくれた。
『ニャ?』
「ハナ、この子は今日からうちの子になるから、先輩としてよろしくね。名前はそうだなぁ……クロ!」
ネーミングセンスは皆無だ。スマン。
『ニャァ…』
残念そうな顔するなよ、ハナ…。
そして、確認したらクロも女の子ですな。女の子に囲まれた生活だぁ、わぁい。流石に口に出して言う気はない。
「クロ、こちらはハナだよ。仲良くしてね」
二匹を近付けるとすぐに仲良くなってじゃれだす。眺めながら溜まった洗濯物を洗う。最近の洗濯機は静かなモードがあっていいよね。
乾燥機は嫌いなので室内干しだけど、クロが洗濯物の匂いにクンクンしだした。キョロキョロしているのが可愛い。近いうちに医者に見せに行かなきゃね。
冷蔵庫から炭酸水を取り出して一口飲む。
もう少ししたらクロを洗うついでに風呂に入るか。その前に食事だな。
「ハナ、クロ、カリカリだよー」
ハナはクロに食べさせて隣で見守っている。
途中からハナもカリカリを食べだした。
「それじゃあお風呂だよー」
ハナは風呂が大好き過ぎて困る程だが、クロはどうだろう。とりあえずはついて来ている。
抱き上げて風呂場に入っても特に暴れないな。これまた珍しい水を恐れない猫か。
ぬるま湯で体を湿らせ、猫シャンプーで泡立てるが、やはり汚れているので二度洗い必至だな。
体は少しだけ痩せてるかな。
「お前は大人しいんだねぇ。よしよし、これでオーケー。次はハナだよ」
風呂桶に入れようとすると嫌がるのはクロも一緒なのか。そのまま器用に湯船に浮かんでいる。
寝る時は布団の上がいいらしい。
明日は休みだから少しゆっくりできるな。
モフモフを楽しみながら眠りについた。




