3話
3話目です。
よろしくおねがいします(´・ω・`)
俺は城を出た後に城下街へと来ていた。
「らっしゃい。これ、焼きたてだよ!」
「それでは交渉成立ということで」
「新作の魔導書入荷しましたぁ」
ずいっと焼き鳥を突き出して売り込みをしている屋台のおっさんに、何やら取引をしている博識そうな男性。店の前で看板を掲げる女の子。
その他にもあちこちから活気ある声が溢れている。
つんつん。
予想以上の喧騒に呆気に取られていた俺の肩が小突かれる。
「凄いだろ?」
にやりと笑いながら話しかけてきたのは、先程から商業区画の入口付近で店を冷やかしていた茶髪の男だ。男には俺が余程の田舎者に見えたのだろう。
男は自慢するように大袈裟に腕を広げて言った。
「ようこそ。これがローザン名物の大市場だ!!」
「あぁ、凄いな。噂以上だ」
俺の反応に満足したのか男は満足げな顔をして立ち去っていった。
人混みを掻き分けて進みながら俺はミスティオから教えて貰っていた事を思い返していた。
ここはレオヴィル王国王城の城下街、正式名称はローザンという。
住んでいる人たちはシンプルに城下街と呼んでいる。
人口は五万人程度。
城を中心に区画整理されており、商業区画、一般居住区画、貴族邸区画、宿や冒険者ギルド等があるその他の区画に分けられている。
ローザンでは商業が盛んで様々な品物が取引される。それらを求めて国内外から沢山の交易商人達が集まって来ている。
そのためこの街には多様な種族の人が住んでいる。
戦うのは嫌だ。そうなると商業か…………俺にも出来るかな。
そんな事を考えていると俺のときめきレーダーに反応があった。
ケモ耳だ、ケモ耳がいるぞ!!
もこもこの尻尾の獣人を見かけるだけで俺のテンションは鰻登りだ。
ちなみにときめきレーダーとは俺がときめく物に反応する優れものだ。
しかし欲を言えば男じゃなくて、かわいい女の子がよかったな。
でも男の獣人でもこの浮かれ用だ、ふさふさで狐耳でアルビノな幼女を見つけたら狂喜乱舞してしまうかもしれない。
「ともあれ、本当にいろんな種族がいるんだな」
今見た中ですでに人族、精霊種、獣人を見つけている。
これもミスティオに聞いたことだが、この世界ではエルフやドワーフの事をまとめて精霊種と言うらしい。
なぜまとめたか謎だな。
人混みを歩くこと数分、市場の雰囲気が変わってきた。
屋台が大半を占めていた入口付近の通りと違い、ここは立派な店舗が多い。
商品の内容も食べ物や雑貨、量産型の魔道書など一般向けの商品から、綺麗な布や宝石、剣などの戦闘用品に変わった。レストランや喫茶店もあるようだ。
それにさっきと比べて、道行く人達もお洒落な格好をしている。
ふと自分の格好を見る。
麻のシャツに革のベスト、それに制服のズボン。
もしかして、俺、場違い?
シルクハットのおっさんはこっち見て笑ってるし。
なんか急に恥ずかしくなってきた。
そうだ、あの喫茶店に入るか。
俺は人目を避けるように逃げ込んだ。
シックな色合いを基調としたデザインの外装。
和やかな音楽が外の雑音をかき消し、植え込みが通りとの空間を区切っている。
ここなら落ち着いて今後の行動を決められそうだな。
今の俺はホームレス『修復師』だ。
持ち物は数日分の食料と三百パル。
俺が生きていくには、この三百パルが大切になるな…………
オープンテラスになっている所に腰掛けた俺の所に店員が駆けつけて来る。
「いらっしゃいませ。座席料三百パルになります」
嘘だろ…………
「メニューはこちらになります。只今の時間ですとアフタヌーンセットがお安くなっております」
にこやかに接客を続ける店員。
「やっぱり帰ります」
俺は慌てて席を立つ。
まぁ、帰るあてないけどね。
「かしこまりました。では、お会計は三百パルになります」
「えっ?俺三十秒も座ってないんですけど」
「規則ですので」
「………………俺一文無しになっちゃう」
「貧困生活頑張って下さい」
「……………………だずげで(助けて)」
「無理です」
今日も異世界は俺に優しくなかった。
次回で説明最後になると思います。
展開も早くします。




