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序章 誕生する命、消える命

一面炎と闇の色のみ。暗闇の中、激しい炎の灯りに砂埃さじんが酷いく巻き上がり炎の勢いを増していく。既に建物の殆どは崩れ落ちまともな形を残していなく、一刻前の穏やかな景色は残していない。たまに人の呻く声が聴こえてくる。耳を澄ますと遠くでは剣と剣、怒鳴り声や悲鳴などが聴こえてくるが、既に自身の生命の灯火か消えていく事実を受け止め、何も出来ない不甲斐なさに只々涙だけが地面に染み込んでいく…。


「私の魂は渡せない…。」


あの者は言っていた。


『そなたの本体は手に入れた!!後は仮の体から魂を手にいれるだけ!!幾ら足掻いても此方に来る運命なのだ‼』


あれから術を使い、難とか逃げ通せたが、如何せん、仮の体が既に限界が来ていて、あの者の言う通りになるのも時間の問題。蓮の種子から生まれた今の身は10年も使い只でさえ脆い上に先ほど術を使った影響で遂に指先から崩れ始めている。共に生まれた同じ気配を出している姉妹種で今は敵を撹乱には成功したが何時見つかるか。と、近くで小さく助けを乞う女性の声が…。


「…た…助けて… 私の命をあ、げる、から… この… 」


その後、声が聞こえなくなったが、よく気配を探せば意外に近くどうやら気を失っている女性ともう一つの腹に宿ってある消えゆく命…。


(今の私の力では母は助けられるかも知れるが、子は魂が体を離れもう既に間に合わない。しかし、私の魂を入れれば偽りであれ、子は助かりあの者からも逃げ通せる可能性が出て来る。後は母親の生命力しだい)


時間がなかった。


「すまない… せめて魂だけは無事に… 」


そう言うと自身の体が次第に崩れ落ちて行き、その代わりに気を失っている女性の体がほのかに光ってやがて消えた。



それからどれ程経った事か。


「誰か!!生きている者を探せ!!」


「たすけに来たぞ!!」



そうして女性は助けられ、その5ヶ月後子が生まれた事を確認すると眠るように亡くなった。










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