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飛べない鳥  作者: 野々倉 稔
5/5

叫び




「自分がされて嫌なことは、ヒトにするな」





ヒト、一人ひとり、考えがある。

善悪、こだわり、冗談、嫌悪感、これらは、ヒトそれぞれだ。


そんなヒトが団体を作り、全員同じ方向を見て、活動を始めることがある。

そうすると、言い出しっぺが、指揮系統を担う。

指揮系統の客観性を増やし、そして、構成員の意見を聞きやすくするため、幹部が出来る。

一代目は、残る構成員のやる気が潤滑剤となり、団体として動くことが出来る。



門戸は広く開けられており、それぞれ違う背景や考えをもつ、いろんなヒトが集まり、そして、任期を満了し次の将来へ向けてヒトが卒業していく。

代を経て伝統が出来上がり、長や幹部ごとに『その年の顔』が出来上がる。

経験数で長や幹部が決まる団体は、これが顕著に現れる。

そして、ヒトの個性が強い団体となり、統率が潤滑剤となる。


しかし、統率とは『上の指示や命令を、下が聞き入れ動くこと』である。

2者が、それぞれの役割を果たして、初めて潤滑剤の役割になる。


例えば、指示や命令をしっかりできる[上]がいても、下が上を見下していたら、[下]は聞き入れて動いてくれない。

例えば、上にしっかりついてくる[下]がいても、上が優柔不断なら、[下]は自分で動こうとパニックになるだろう。


[上]をするのは、とても大変である。

常に結果のみで評価をつけられ、それが怖くて、いつもヒトの顔色をうかがう。

下が勝手に暴走するときも、下の仕事不足も、すべて己の責任問題として問われる。

[上]の地位を押し付けられたヒトは、たまったものではない。




じゃあ、この事態に陥らないためには、どうすればいいのか?

そして、[上]が自責の念と自己否定から鬱に陥ったら、どうすればいいのか?




まず、このような団体の円滑剤として、各ヒトがする行動とは、


「自分がされて嫌なことは、ヒトにするな」


である。最低条件は、これが出来るヒトが同じ地位に2人いることである。

地位が異なれば、十分なコミュニケーションがとれることが必須条件に加わる。

そして、これは、[下]に向けた理想論である。



次に、鬱になった[上]は、残念ながら反撃の余地はない。

「事なかれ主義」を選んだ時点で、[長]失格である。

任期満了を求められるなら、黙って任期満了するしかない。



しかし、間に挟まれた幹部はたまったものではない。

[上]も[下]も、自己主張激しく、話し合いもしない。

つまり、ヒトの話を聞かない。



ヒトの話を聞く、とは、選択肢を増やすことに過ぎない。

相手は自分の考えを言えてスッキリする。

自分は選択肢が増えただけで、それを選ぶかは自分次第だ。何も干渉されていない。


2人がお互いに話を聞かないときは、第三者が間に入り両者の話を聞き、話し合いの場を作る。

そして、当事者でない第三者が、折衷案を決める。

当事者間の解決にはなっていないが、建前上は解決したことになる。


当事者の片方が聞く耳を持っていても、もう片方が聞く耳を持たなければ、第三者が必要になる。




ヒトは、己を優先させる。

間違ってはいない。しかし、愚かである。



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