7.どきどき、属性判定してみた③
「絶対受け止めてねー!」
下のほうで待機しているリリーに呼びかける。こんなに高いところまで飛んだことがなかったから、こわい。足元がぐらぐらしているような感覚になる。
ふう、と息を吐いて目をつぶる。羽に入れていた力を意識的に抜いて、羽を止める。
すぐに身体が重力にひかれて下に落ちていった。
「きゃああーーー!」
「っと、大丈夫?」
し、死んじゃうかと思った........。あ、足がまだふるえてる。
「どうだった?」
風の属性を感じたか、ということだろう。
「ダメそう。」
ただ落ちてるだけだった。もう二度とやりたくない。
「リリーはすでに2種類も属性あっていいなー。」
「まだまだこれからだよー。」
その後、土属性、火属性、光属性、闇属性と続けざま順番に試していったところ、なんとリリーには水属性、風属性の他に火属性、土属性も持っていた。わたしはどの属性も反応しなかった。無属性だ。がっかり感が半端ない。まあ、リリーは銀髪超絶美少女で妖精の中でも具体的に言葉にできない特別感があるもんなー。持っている属性の数も特別なのも少し納得。
「じゃあ、属性もわかったし、魔導書の続き読もうかー。えーと、」
水属性・・・第2章~第6章へ
風属性・・・第9章~第12章へ
土属性・・・第12章~第15章へ
火属性・・・第15章~第18章へ
光属性・・・第18章~第27章へ
闇属性・・・第27章~第36章へ
無属性・・・第37章へ
「あれ?ここで第1章終わり?目次って第2章までしかなかったし、この書の分厚さは絶対第37章もないよね?」
「あ、次のページが増えてる。第2章 水属性、だって。後ろも風属性、土属性って続いてる。z、最後のページに無属性魔法の章あった。」
「無属性属性魔法って1章だけ?しかも、文字も少ない。」
第37章 無属性
無属性魔法は人によってそれぞれ全く異なる特性を持ち、自分でその特徴を自分で探す出すほか方法がないため、ここでは記すことができない。前の章の属性の基礎魔法を学び、その中で自分が得意だと思った魔法の傾向を分析し、固有魔法を習得することを進める。
「え?これだけ?」
これだけ!?何の説明もないじゃん!完全手探り状態じゃん!
「メリーさんが無属性魔法だったら、メリーさんもがっかりだよ!」
わたしの叫び声が湖に響いてむなしく溶けて消えていった。
メリーさんは1番初めの書の所有者だと思われる人物です。