6.どきどき、属性判定してみた②
何とか今日分をちゃんとかけました........。
水の体積がブワッと増えて、わたしたちの身体に頭から降りかかった。
びっくりして互いに顔を見合わせる。
「すごーい!」
「なんとなく今の出魔法の出し方わかったかもー。」
リリーがそう言いだして、湖の水をまた汲んできて手をかざす。水がプルっと震えたかと思うと、次の瞬間水が空高く舞い上がった。体積も先ほどのよりも大幅に増加して空を包み込むような量になっている。ぐるぐると左右に行き来し始める。リリーのほうを見ると、少し自慢げに胸を張りながら、水に向かって手をかざしている。リリーが手を右にふれば、水も右にふれ、左にふれば、水も左にふれている。
「これ、リリーがやってるの?すごーい!どうやって!?」
「なんか、体の中にあるあったかいものがあるからそれをぶわーと集めて、ぶわーと一気に出す感じにするとできたよー。」
「全然わかんないー。わたしも早く魔法使いたい!つづきやろう!」
そこでリリーが少し首をかしげる。
「主属性って一つなのかな?」
「んー、書には書かれてないな。リリーもほかの属性を試してみよう。」
「そうだね。次は風属性で10メートル以上の高さから飛び降りる........。10メートルって何?」
そっか、妖精の国にはメートル単位じゃないのか。ていうか、異世界なのに単位は地球の標準単位なのか。
「えっと、生まれて3か月くらいの若木くらいの高さかな。」
「そこから飛び降りればいいの?」
リリーがすいすいと近くにあった若木の頂上まで飛んで行って、そのまま落ちていく。
「待って待って待って!」
行動力がありすぎる。わたしは慌てて飛んで行って落ちている途中のリリーをキャッチする。
「そんなところから落ちたら、死んじゃうよ!」
「そうなの?」
そうなのって........。
「生き物は高いところから落ちたら死んじゃうの!もー、なんかクッションになるもの探してこよう。」
「えっと、たぶん私は風属性だと思う。落ちてる途中に何かが体をささえる感覚があったから。ほら。」
リリーが右手を動かすとびゅわっと風が巻き起こる。さわさわと葉が不自然に揺れる。
「いいなー。じゃあわたしも試してみる。クッションになるものは........。」
リリーが、つんつんとわたしの肩をつつく。
「私がしっかり受取ってあげる。安心して落ちてきて。」
リリーはポヤポヤとわたしに言った。