5.どきどき、属性判定してみた➀
第1章1節 属性判定
まず、魔法を学ぶに当たって1番初めにすることは、自分の属性を知ることだ。属性判定には属性ごとにそれぞれの確認方法がある。
1.水属性の場合
コップに水をそそぎ、自分の体液を1滴浸す。勢いよくコップを割って水があふれたら、水属性である。
2.風属性の場合
10メートル以上の高い場所から飛び降り、風が体を支えたら、風属性である。怪我をする恐れが高いため、魔法使いを同伴させることを推奨する。
3.土属性の場合
土を入れた鉢を準備し、土に自分の体液を200mlほど入れてしっかりと混ぜ、5分以内に植物が育ち花が咲いたら、土属性である。
4.火属性の場合
火をおこし、その火をスムーズに自分の手に移すことができたら、火属性である。
5.光属性の場合
聖水に手を入れて目を開けていられないくらい光れば、光属性である。
6.闇属性の場合
聖水に手を入れて、黒、もしくはそれに近い色に濁らせることができれば、闇属性である。
1~6のいずれにも当てはまらなかった場合、無属性である。
「うをぉぉぉ!」
すごいファンタジー感ある!わたしがひとり盛り上がっている隣で、リリーは少し微妙な顔をしていた。
「ところどころにわからない単語があるねー。コップとか鉢って何だろー。」
「コップは飲み物を入れる容器のことで、鉢は植物とかを植える容器のことだよ。」
「へー、そうなんだ。なんでそんなこと知ってるのー?」
「あ、えっと、ちょっとね。」
リリーにはまだわたしの前世の話をしていない。あまりいい記憶ではないので、話すこともないと思っていたのだ。根掘り葉掘り聞かれないようにわたしも疑問に思ったことを口にする。
「それより、リリーは聖水って何のことかわかる?」
「たぶんここからちょっと東に進んだところにある湖の水のことだと思うー。」
「ここから東って、結界の外?」
「違うよー。結界の内側。ここから15分くらいで行けるよー。」
........知らなかった。この100年間本当に日向ぼっこしかしてなかったから........。恐るべし日向ぼっこの力。
「とりあえず上から順番に試してみようかー。」
まずは水属性。コップに水を入れて自分の体液をそそぐのか。
「コップっていうものがここにはないよねー。」
「葉っぱを水がこぼれないように丸めたら代わりにできそう。水は........聖水じゃダメかな?」
妖精女王様の結界は水もはじいてしまうので妖精の国には水滴といったものがない。
「試してみよー。案内するよー。」
◇◇◇◇
本当に15分で着いた。これまでいた色とりどりの花であふれる場所とは違い、妖精があまりいないためか、シンとした清らかな雰囲気を感じる。気温は、水があるためか少々肌寒い。
葉っぱは湖の周りに細長い形をした葉っぱがたくさんあった。そのうちの1枚を頑張ってひきちぢる。その時にすごく葉っぱに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。これが人間と妖精の違いだろうか。いい感じに丸めてリリーに手で葉っぱの形を維持してもらう。その間にわたしは急いで湖から聖水を救ってきて(聖水の見た目は水と何も変わらなかった。)、葉っぱの器にそそぐ。そして自分の体液は、少し嫌だったけど唾を入れた。
「何も変化ないねー。」
「これでやり方あってるのかな?」
コップでも水でもないので、わたしがただ単純に水属性ではないのか、やり方が間違っているのかわからない。
「次、やってみるねー。」
今度はわたしが葉っぱを支え、リリーが水をすくってくる。
リリーのつばを1滴入れる。すると、
続きは明日のお楽しみ、ということにします。