15.分断
本日2話目。
少し、流血シーンがあります。
飛び始めて1mくらいは何もなかった。ただ、見たことのない植物がたくさんあるのが物珍しくて、楽しかった。事態が急激に変化したのは1mを超えてからだった。
初めはガサゴソととんでもない騒音が聞こえてきた。と思ったら、あっという間に何かがわたしに向かって飛んできた。
「ナナ!」
わたしは何が起きたのか分からなかった。わたしの後ろに何かいて、それに片羽がつかまれていて、痛い。ものすごいスピードで運ばれて、仲間からどんどん遠ざかっていく。
しかも、現れたのはその個体だけではなかった。後からどんどん黒い影が仲間たちを連れて行こうとしているのが見えた。
その正体は、虫だ。おそらく人間だった時には、少し大きい羽虫くらいのサイズで、脅威でもなんでもなかったものだが、妖精のサイズになると違う。自分と同じくらいのサイズのものが、そこら中にいた。
どうしよう、どうしようと焦るばかりで何の対策も浮かんでこない。
待って、そういえばみんなバラバラにされてしまった。わたしがいないとみんな戻れないんじゃない?
そう思いいたってさらに焦りが増していく。
考えていると唐突にわたしの身体が木の枝に勢いよくぶつかる。
「うぐっ。」
強烈な痛みを感じてすぐに身体が嫌な浮遊感を覚える。わたしを運んでいた虫がわたしを手放したのだ。地面に激突しないように必死に羽を動かすが、うまく浮上しない。羽を動かすと痛い。わたしは落ちる勢いのまま地面に落ちていった。
◇◇◇◇
痛い........。けど生きていた。外の世界は妖精の国の土より柔らかくクッションのようにわたしを受け止めた。
背中を見ると片方の羽が根元からちぢれて、なくなっていた。どうやらあの虫はわたしを落としたのではなく、羽がちぢれてわたしが落ちてしまったらしい。背中から、血がどくどくと流れ出てきている。
「これからどうしよう。」
早く来た道を戻って結界の内側に戻りたいが、この羽では飛んでいけない。何よりまずみんなを早く助けに行かなければならない。走ってもと来た道を戻ろうと立ち上がると、わたしの血の匂いにひかれて虫たちが集まってきていた。
まさに、絶体絶命のピンチ、という状況だった。
妖精はサイズは小さいですが、生き物としては人族の一種なので血が出ます。




