1.なんか、転生した。
初投稿です。
よくある話だ。仕事がブラックで、疲れてて、夜のお酒で悪酔いして、そのままぽっくり。意識を失って気づいたら全く知らない場所にいた。
目の前が全部黄色い。
何だろう、これ?
触ってみるとさらさらしてるわけでもなく、かといってざらざらしているわけでもなく。不思議な感覚。でもひんやりしてて、気持ちいい。
ん?なんか視線を感じる........、うわ!?誰!?
上を見ると知らない人たちがこちらを覗いていた。どうやらわたしは黄色い何かの中に入っている状態のようだ。
っていうか、わたし今裸じゃない!?え!?どういう状況!?今更ながら思い出したけど、わたし死んだはずだよね!?え!?本当にどういう状況?なんで裸を知らない人たちに見られてるの!?
「生まれた、生まれた!」
「どんな子~?」
「ねえ、見せて見せて!」
どうやら覗いている人たち以外にも外に人がいるみたいだ。おいで、おいでと手を伸ばされているので手を出して引き上げてもらう。
「んっしょっと。」
ぶわっ。
心地よい風がわたしの髪の毛をさすっていく。
そこには、前世の夢物語で出てきそう風景が広がっていた。水色、ピンク、黄色、みどり。カラフルな花と植物のパステルカラーが目に飛び込んでくる。間違いなく前世でも見たことのない絶景だ。しかし、ただの絶景というには違和感があった。
サイズだ。
前世日本と比べてすべてが大きすぎる。花びら一枚がわたしと同じくらいの大きさだ。色とりどりの花びらの間から、先ほどの声の人たちが顔をのぞかせている。わたしが入っていたのもチューリップのような形をした花のひとつだった。
「おはよう」
わたしを引っ張り上げてくれた子がわたしに初めて声をかける。
びっくりなことにその子の背中には羽がついていて、宙に浮いていた。パタパタと動いていて、羽がただの飾りではないことを証明している。もう日本とは世界が違いすぎて何も突っ込めない。
「お、おは、おはよう。」
あ、わたしのいつもの声と違う。これ、やっぱり今のわたしは前世の体とは姿かたちが全く違うんんだろうな。少しわかってきた。現代日本のネット小説好きにはすぐわかる。異世界転生だ。わたしは間違いなく異世界転生している。ただ、自分が何に転生して、どこに転生したのか全く分からない。少なくとも、乙女ゲームの悪役令嬢ではなさそうだし、成り上がり物の主人公というのには転生した場所が意味不明すぎる。
「生まれたばっかりでちゃんと挨拶できるのすごいね~」
「か~わいい~」
様子を見ていた子たちが集まってきた。
「わっ、ちょっと、まっ........。」
わちゃわちゃともみくちゃにされる。み、身動きが取れない。
ぱんぱん。
上から手をたたく音がして見上げると、一人の女の子がこちらを見下ろしていた。身長はわたしやほかの子たちと同じくらいだけど、ほかの子たちがふわふわとしているのに対して、雰囲気がピリピリとしていて、厳しい印象を持たせる。周りがいっせいに静まり返ってその子を見上げる。ただ見上げるだけでなく、その子に対する敬意がみんなの目に宿っている。
「妖精女王様がお見えになります。」
その瞬間わたしの隣に突如大きな女の人が現れた。一気に空気がきれいになるのを感じた。その人は言葉では言い表せないくらい美しい人だった。ゆっくりとわたしに顔を近づけてくる。
何も話さず、ただじっと見つめられる。わたしもそののぞき込む瞳に吸い込まれるようにただじっと見つめていた。長い時間見つめあってやがて女王様がふっと小さく息を吐いて
「貴女の行く先に幸あらんことを。」
と言って姿を消してしまった。女王様がいなくなった後も余韻が残る。
とりあえず、ここがどういう場所かもわからないけど、今世は幸せになってみようかな。
そう、思えた。
書き続けられるように頑張ります。